◯×一問一答・第6章

G検定 ディープラーニングの応用例 一問一答(414問)

画像認識・自然言語処理・音声処理・生成モデルなど、分野ごとの代表的なモデルを扱います。説明文が正しいか誤りかを、◯か×で答えます。

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414問

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画像認識

96問 要点を読む
  1. AlexNetは、畳み込み層5層と全結合層3層を中心とした構成で、重みを持つ層は合計8層である。

    ◯ 正しい 現在のモデルと比べると浅い構成ですが、パラメータ数は約6,000万で、当時としては大規模なCNNでした。 AlexNet

  2. AlexNetは、大きさの異なるフィルタを並列に使うInceptionモジュールを導入したモデルである。

    × 誤り Inceptionモジュールは、2014年のILSVRCで優勝したGoogLeNetの特徴です。 AlexNet

  3. AlexNetの優勝以降、ILSVRCの画像分類部門の上位は、CNNを使ったモデルが占めるようになった。

    ◯ 正しい 2014年のGoogLeNetやVGG、2015年のResNetなど、CNNの層を深くする工夫を競う流れが続きました。 AlexNet

  4. 一般物体認識は、工場のラインで決まった部品を決まった向きで撮影するような、条件を限った環境での認識を指す言葉である。

    × 誤り 一般物体認識が対象とするのは、背景や照明、物体の向きなどに制約のない実世界の画像です。撮影の条件を限ることで難しさを避けるのではなく、条件のばらつきごと扱う点が特徴です。 一般物体認識

  5. ディープラーニングが広まる前の一般物体認識では、画像から取り出した局所的な特徴を「視覚単語」の出現頻度として表す、Bag of Visual Wordsのような方法が盛んに研究された。

    ◯ 正しい どんな特徴を取り出すかは、人が設計していました。2012年のILSVRCでAlexNetが大差で優勝してからは、特徴そのものをデータから学習するCNNが主流になりました。 一般物体認識

  6. 一般物体認識の研究では、多数のカテゴリについて大量の画像を集めたImageNetのようなデータセットが、学習と性能比較の土台になってきた。

    ◯ 正しい 同じカテゴリでも見た目がさまざまなので、多様な画像が大量に必要です。ImageNetの一部を使うILSVRCは、手法を同じ条件で比べる場になりました。 一般物体認識

  7. インスタンスセグメンテーションでは、空や道路のように数えられない背景の領域も含め、画像のすべての画素にクラスを割り当てる。

    × 誤り 対象にするのは、人や車のように数えられる物体です。背景を含むすべての画素にクラスを付けるのは、セマンティックセグメンテーションやパノプティックセグメンテーションです。 インスタンスセグメンテーション

  8. インスタンスセグメンテーションの結果を使えば、画像に写っている同じクラスの物体の個数も数えられる。

    ◯ 正しい 物体ごとに別々の領域(マスク)が出力されるため、マスクの数がそのまま個数になります。セマンティックセグメンテーションでは、接した同じクラスの物体が1つの領域になり、個数はわかりません。 インスタンスセグメンテーション

  9. インスタンスセグメンテーションの学習データを作るには、画像1枚ごとに、写っている物体のクラス名を1つ付けるだけで足りる。

    × 誤り 物体ごとに、その形をなぞった領域(マスク)を正解として付ける必要があります。画像1枚に1つのラベルを付ける画像分類よりも、アノテーションの手間はずっと大きくなります。 インスタンスセグメンテーション

  10. SEブロックは、ResNetやInceptionなどの既存のネットワークに組み込んで使える。

    ◯ 正しい SEブロックは、ブロックの出力にチャネルごとの重みを掛ける独立した部品です。そのため、SE-ResNetやSE-Inceptionのように、既存の構造に追加できます。 SENet

  11. SEブロックでは、チャネルごとの重みをソフトマックス関数で求めるため、全チャネルの重みの合計は1になる。

    × 誤り 重みはシグモイド関数で求め、各チャネルが0〜1の値を独立にとります。論文では、複数のチャネルを同時に強調できるようにするため、シグモイド関数を選んだと説明されています。 SENet

  12. ResNet-50にSEブロックを加えたSE-ResNet-50では、計算量の増加はごくわずかである。

    ◯ 正しい 論文では、計算量の増加はResNet-50の約0.26%と報告されています。それでも精度は向上し、より深いResNet-101に近づきました。 SENet

  13. SSDでは、小さな物体は主に、深い層にある解像度の低い特徴マップが担当して検出する。

    × 誤り 逆です。小さな物体は浅い層の解像度の高い特徴マップが、大きな物体は深い層の解像度の低い特徴マップが、主に担当します。 SSD

  14. SSDは、特徴マップの各位置に大きさや縦横比の異なる基準の枠(デフォルトボックス)を置き、枠ごとに位置のずれとクラスのスコアを予測する。

    ◯ 正しい 基準の枠からのずれを予測することで、さまざまな形の物体に合わせます。Faster R-CNNのアンカーと似た考え方です。 SSD

  15. SSDの提案論文では、SSDは最初のYOLOと比べて、処理速度と精度の両方で上回ったと報告された。

    ◯ 正しい 最初のYOLOは最後の層の粗いグリッドだけで予測していました。SSDは複数の特徴マップとデフォルトボックスを使い、精度を高めました。 SSD

  16. EfficientNetは、Transformerの自己注意機構で画像全体の関係を捉える、Vision Transformerの一種である。

    × 誤り EfficientNetは畳み込みを使うCNNです。基本ブロックは、MobileNetV2の反転残差ブロック(MBConv)にSEブロックの仕組みを加えたものです。 EfficientNet

  17. CNN全体の計算量は、層の数(深さ)を2倍にするとおよそ2倍になるが、各層のチャネル数(幅)や入力画像の解像度を2倍にするとおよそ4倍になる。

    ◯ 正しい チャネル数を2倍にすると入力と出力の両方が2倍に、解像度を2倍にすると縦と横の両方が2倍になるためです。EfficientNetの複合スケーリングは、この違いをふまえて倍率の条件を決めています。 EfficientNet

  18. EfficientNet-B7は、それまでの最高精度のCNNと同程度のImageNetでの精度を、はるかに少ないパラメータ数で達成した。

    ◯ 正しい 論文では、top-1精度84.3%を、それまでの最高のモデルの約8.4分の1のパラメータ数と、約6.1倍速い推論で達成したと報告されています。 EfficientNet

  19. FCNは、ImageNetの画像分類で学習したCNNを作り替え、その学習済みの重みを初期値にして、セグメンテーション用に学習し直している。

    ◯ 正しい 論文ではAlexNet、VGG16、GoogLeNetを作り替えて比べています。分類で身につけた特徴を、ファインチューニングで画素ごとの予測に生かしました。 FCN(Fully Convolutional Network)

  20. FCNでは、特徴マップを拡大するアップサンプリングの重みを学習で調整することはできず、双線形補間に固定するしかない。

    × 誤り 逆畳み込みの層の重みは学習で調整できます。論文では、FCN-16sやFCN-8sの途中の拡大の層を双線形補間で初期化し、そこから学習させています。 FCN(Fully Convolutional Network)

  21. FCNは、先に物体の候補領域を切り出し、候補ごとに分類した結果をつなぎ合わせて、画像全体を塗り分ける。

    × 誤り FCNは候補領域を使わず、画像全体を一度に入力して、画素ごとのクラスをまとめて出力します。候補領域を使う当時の方法と違い、入力から出力まで一貫して(end-to-end)学習できる点が特徴です。 FCN(Fully Convolutional Network)

  22. FPNは、それだけで物体のクラスと位置を出力する検出器であり、Faster R-CNNなどほかの検出器に組み込んで使うことはない。

    × 誤り FPNは、検出器に渡す特徴マップを作る部品です。論文では、Faster R-CNNの候補領域の抽出(RPN)と、候補ごとの分類(Fast R-CNN)の両方に組み込み、精度を高めました。 FPN

  23. FPNとU-Netはどちらも深い層の情報を浅い層の側へ戻す経路をもつが、最も細かい1枚の特徴マップだけで最終的な予測を行うのはU-Netのほうである。

    ◯ 正しい FPNは、ピラミッドの各段の特徴マップでそれぞれ予測を行います。FPNの論文も、U-Netなど似た形のモデルとの違いとして、この点を挙げています。 FPN

  24. FPNは物体検出のために提案された仕組みだが、Mask R-CNNによるインスタンスセグメンテーションなど、ほかのタスクのモデルにも使われている。

    ◯ 正しい Mask R-CNNの論文では、ResNetとFPNを組み合わせて特徴を取り出す構成にすると、精度と速度の両方が大きく改善したと報告されています。 FPN

  25. MnasNetの探索では、ネットワーク全体で1種類のセルの構造を探し、それを繰り返し積み重ねる探索空間を使った。

    × 誤り MnasNetは、ネットワークをいくつかのブロックに分け、ブロックごとに別々の構造を選べる探索空間を使いました。層の多様性を保ち、端末での効率を高めるためです。 MnasNet

  26. MnasNetは、ImageNetの画像分類で、MobileNetV2より速い推論と高い精度を両立したと報告されている。

    ◯ 正しい 論文では、Pixelスマートフォン上で、幅を1.4倍にしたMobileNetV2より約1.8倍速く、top-1精度は0.5ポイント高い結果が示されています。 MnasNet

  27. MnasNetの探索空間には、MobileNetV2で使われた反転残差ブロック(MBConv)が、層の候補として含まれている。

    ◯ 正しい 畳み込みの種類を通常の畳み込み、Depthwise畳み込み、MBConvから選び、フィルタの大きさやSEブロックの有無も選びます。層の数やチャネル数も、MobileNetV2を基準に探索しました。 MnasNet

  28. Open Poseが推定するPart Affinity Fieldsは、関節と関節を結ぶ部位の位置と向きを、画素ごとの2次元のベクトルで表したものである。

    ◯ 正しい たとえば右ひじと右手首を結ぶ前腕の上には、前腕の向きを指すベクトルが入ります。この向きを手がかりに、どの関節どうしが同じ人のものかを判断します。 Open Pose

  29. Open Poseは、深度センサーで測った距離の情報を必須とし、普通のカメラで撮った画像からは姿勢を推定できない。

    × 誤り Open Poseは、普通のカラー画像から2次元の関節の位置を推定します。特別なセンサーがいらないため、撮りためた映像にも使えます。 Open Pose

  30. Open Poseは、体の関節だけでなく、手、足、顔の特徴点も推定できるソフトウェアとして公開されている。

    ◯ 正しい カーネギーメロン大学の研究室がソースコードを公開しており、体・足・手・顔をあわせて最大135点を推定できます。非商用の利用は無償ですが、商用の利用には別のライセンスが必要です。 Open Pose

  31. GoogLeNetは、学習のときに途中の層にも補助の分類器をつなぎ、その損失も加えて学習した。

    ◯ 正しい 勾配を途中の層まで届きやすくし、正則化の効果も狙った工夫です。補助の損失には0.3の重みをかけ、推論のときには補助の分類器を取り外します。 GoogLeNet

  32. GoogLeNetのパラメータ数は、2012年に優勝したAlexNetよりも大幅に多い。

    × 誤り 22層とAlexNetより深いものの、論文によるとパラメータ数はAlexNetの約12分の1です。1×1の畳み込みでチャネル数を絞り、大きな全結合層を重ねなかったことが効いています。 GoogLeNet

  33. GoogLeNetという名前には、CNNの先駆けであるLeNetへの敬意が込められている。

    ◯ 正しい 論文では、ヤン・ルカンらが開発したLeNet-5への敬意を表した名前だと説明されています。開発の中心はGoogleの研究者です。 GoogLeNet

  34. DeepPoseは、関節の座標を直接出力する回帰の問題として、ディープニューラルネットワークで姿勢推定を行った。

    ◯ 正しい 2014年のCVPRで発表された初期の代表例です。回帰を何段階にも重ね、前の段で推定した位置のまわりの画像から座標を求め直して精度を高めています。 姿勢推定

  35. トップダウン型の姿勢推定では、先に検出した人の矩形ごとに関節を推定するため、人の検出に失敗すると、その人の姿勢は求められない。

    ◯ 正しい 関節の推定が、人の検出の結果に左右されるためです。画像全体から関節を先に見つけるボトムアップ型は、この影響を受けにくくなります。 姿勢推定

  36. 姿勢推定で推定できるのは体の大きな関節だけで、手の指の関節の位置は推定の対象にならない。

    × 誤り 手の指の関節や顔の特徴点を推定する手法もあります。たとえばOpen Poseのソフトウェアは、体と足に加え、片手21点、顔70点の特徴点も推定できます。 姿勢推定

  37. SegNetのエンコーダは、VGG16の13層の畳み込み層と同じ構成をとり、全結合層は持たない。

    ◯ 正しい 全結合層を取り除いたことで、パラメータ数が大きく減り、画素ごとの出力に必要な空間の情報も保てます。 SegNet

  38. SegNetのデコーダは、プーリングの位置を使って拡大したあと、畳み込みを行わずに、そのまま画素ごとのクラスを出力する。

    × 誤り 位置を使って拡大した直後の特徴マップは、ほとんどの値が0のまばらな状態です。学習する畳み込みを重ねて密な特徴マップにしてから分類します。 SegNet

  39. SegNetは、エンコーダの特徴マップ全体ではなく最大値の位置だけを保存するため、特徴マップをそのまま渡す方式より推論時のメモリを節約しやすい。

    ◯ 正しい 2×2の窓なら、位置は2ビットで表せます。論文でも、推論時のメモリと計算時間の効率のよさが設計の目的に挙げられています。 SegNet

  40. セマンティックセグメンテーションでは、1枚の画像に写った3人の人物は、すべて同じ「人」のクラスとして塗られ、1人ずつは区別されない。

    ◯ 正しい クラスは画素ごとに付きますが、個体の区別はしません。1人ずつ分けたい場合は、インスタンスセグメンテーションを使います。 セマンティックセグメンテーション

  41. セマンティックセグメンテーションの出力は、物体を囲む長方形の枠と、その枠のクラス名の一覧である。

    × 誤り 枠とクラスを出力するのは物体検出です。セマンティックセグメンテーションは、画素1つずつにクラスを付けた、入力と同じ大きさの地図を出力します。 セマンティックセグメンテーション

  42. FCNは、画像分類用のCNNの全結合層を畳み込み層に置き換え、画素ごとのクラスを出力できるようにしたモデルである。

    ◯ 正しい 全結合層をなくしたことで、任意の大きさの画像を入力でき、位置の情報を保ったまま出力できるようになりました。 セマンティックセグメンテーション

  43. DeepLabのASPPは、間隔の異なる複数のAtrous Convolutionを並列に適用し、さまざまな大きさの物体や文脈を捉える。

    ◯ 正しい ASPPはAtrous Spatial Pyramid Poolingの略です。間隔の小さい畳み込みは細かな部分を、大きい畳み込みは広い範囲の文脈を捉え、その結果を統合します。 DeepLab

  44. DeepLabは、どの版でも、ネットワークの出力を全結合CRFで後処理することを前提としている。

    × 誤り 全結合CRFで物体の境界を整えるのは、初期の版(v1・v2)の特徴です。DeepLabv3は、CRFの後処理なしで以前の版を上回る性能を報告しています。 DeepLab

  45. DeepLabv3+は、DeepLabv3をエンコーダとして使い、物体の境界を細かく復元するデコーダを加えたモデルである。

    ◯ 正しい エンコーダ・デコーダの構造を取り入れ、エンコーダの途中の細かい特徴もデコーダで使います。これにより、物体の輪郭付近の精度が上がりました。 DeepLab

  46. DenseNetの成長率(growth rate)は、ブロック内の各層が新たに出力するチャネル数を表すハイパーパラメータである。

    ◯ 正しい 成長率をkとすると、ブロック内で層を1つ進むごとに、次の層への入力のチャネル数がkずつ増えます。論文では、12のような小さな値でも高い精度が得られています。 DenseNet

  47. DenseNetは、ResNetより多くのパラメータを使うことと引き換えに、精度を高めたモデルである。

    × 誤り 前の層の特徴を再利用できるため、各層を細くできます。ImageNetでは、約2,000万個のパラメータのDenseNet-201が、4,000万個を超えるResNet-101と同程度の誤差でした。 DenseNet

  48. DenseNetでは、ブロックとブロックの間に、1×1の畳み込みとプーリングで特徴マップを小さくする遷移層が置かれる。

    ◯ 正しい ブロック内の層どうしを連結するには、特徴マップの縦横がそろっている必要があります。縦横を縮める処理は、ブロックの間の遷移層(バッチ正規化、1×1の畳み込み、2×2の平均値プーリング)で行います。 DenseNet

  49. NASで構造を探索する方法は、強化学習を使うものに限られる。

    × 誤り 初期の代表的な研究は強化学習を使いましたが、進化的アルゴリズム、ベイズ最適化、勾配にもとづく方法なども使われています。 NAS(Neural Architecture Search)

  50. ZophとLeが2016年に発表した、強化学習を使うNASの研究では、探索に数百台規模のGPUを数週間使うほどの計算資源が必要だった。

    ◯ 正しい NASのサーベイ論文では、800台のGPUを3〜4週間使ったと紹介されています。候補の構造を評価するたびに学習が必要なためで、その後は計算の費用を減らす工夫が進みました。 NAS(Neural Architecture Search)

  51. NASNetは、小さなデータセットで探索した構造の部品(セル)を積み重ね、より大規模なImageNetの画像分類に転用した。

    ◯ 正しい CIFAR-10でセルの構造を探索し、そのセルを多数重ねてImageNet用のモデルを作りました。大きなデータセットで直接探索するより、計算を大きく減らせます。 NAS(Neural Architecture Search)

  52. パノプティックセグメンテーションでは、空や道路のような背景の画素にはクラスを付けず、数えられる物体だけを切り出す。

    × 誤り 背景の画素にもクラスを付けるのが特徴です。数えられる物体だけを切り出すのは、インスタンスセグメンテーションです。 パノプティックセグメンテーション

  53. パノプティックセグメンテーションの出力では、1つの画素が2つ以上の物体に同時に属することはない。

    ◯ 正しい 各画素にはクラスと個体の番号が1組だけ割り当てられ、領域どうしは重なりません。インスタンスセグメンテーションでは、物体ごとのマスクが重なることがあります。 パノプティックセグメンテーション

  54. パノプティックセグメンテーションでは、道路のように数えられない領域にも、1つずつ個体の番号を付けて区別する。

    × 誤り 個体を区別するのは、人や車のように数えられる物体(things)だけです。道路や空のような領域(stuff)には、クラスだけを付けます。 パノプティックセグメンテーション

  55. PSPNetは、川の上に浮かぶ物体を見た目だけで「車」と判断してしまうような、周囲の状況を考えない誤りを減らすことを狙っている。

    ◯ 正しい 論文では、FCNが川に浮かぶボートを「車」と誤る例を挙げています。画像全体の文脈を使えば、「川の上なら車よりボート」と判断しやすくなります。 PSPNet

  56. PSPNetは、画像全体の文脈を捉えるために、特徴マップ全体を1つのベクトルにまとめ、そのベクトルだけから画素ごとのクラスを決める。

    × 誤り 全体を1つのベクトルにまとめると、どこに何があるかという位置の関係が失われます。PSPNetは、さまざまな広さでまとめた文脈をもとの特徴マップに連結し、画素ごとの細かな情報も残します。 PSPNet

  57. PSPNetは、1つの建物の一部を「ビル」、残りを「高層ビル」と塗り分けてしまうような、似たクラスどうしの混同も、文脈を使って減らそうとしている。

    ◯ 正しい 見た目の似たクラスは、画素の周りだけを見ると区別が難しくなります。物体全体や場面の情報を使うと、1つの物体に1つのクラスを付けやすくなります。 PSPNet

  58. Vision Transformerの論文では、ImageNet程度の規模のデータだけで強い正則化をかけずに学習した場合、同程度の大きさのResNetより精度がやや低かった。

    ◯ 正しい CNNが構造として備える局所性などの前提(帰納バイアス)が少ないためです。より大規模なデータで事前学習すると、CNNと同等以上の精度になりました。 Vision Transformer

  59. Vision Transformerは、各パッチが画像のどこにあったかをモデルが自然に区別できるため、位置の情報を加える必要がない。

    × 誤り Self-Attentionは並び順を区別しません。そのため、各パッチの埋め込みに位置埋め込みを足して、位置の情報を与えます。 Vision Transformer

  60. 元のVision Transformerでは、パッチの列の先頭に分類用の特別なトークンを加え、そのトークンに対応する出力からクラスを予測する。

    ◯ 正しい BERTの先頭トークンと同じ考え方です。Self-Attentionで全パッチの情報を集めたこのトークンの出力を、分類に使います。 Vision Transformer

  61. Faster R-CNNのRPNは、検出を行うネットワークと畳み込み層の特徴マップを共有するため、候補領域をほとんど追加の計算なしで得られる。

    ◯ 正しい 画像全体の特徴マップを1回計算すれば、候補領域の抽出と、その後の分類の両方に使えます。これが高速化の理由です。 Faster R-CNN

  62. Faster R-CNNは、候補領域を作らずに、画像全体から物体の位置とクラスを一度に予測する1段階型の検出器である。

    × 誤り Faster R-CNNは、RPNで候補領域を挙げてから各候補を分類し位置を補正する2段階型です。候補領域を作らない1段階型はYOLOやSSDです。 Faster R-CNN

  63. Faster R-CNNに、物体の形を画素単位で予測する枝を加えて、インスタンスセグメンテーションに対応させたのがMask R-CNNである。

    ◯ 正しい Mask R-CNNは、検出した物体ごとにマスク(形)を出力します。切り出しの位置ずれを減らすRoIAlignも導入しました。 Faster R-CNN

  64. Fast R-CNNでは、候補領域の抽出は選択的探索(Selective Search)などの従来の手法で行い、ニューラルネットワークでは行わない。

    ◯ 正しい 候補領域の抽出までネットワーク(RPN)で行うようにしたのは、後継のFaster R-CNNです。Fast R-CNNでは、この抽出が速度の課題として残りました。 Fast R-CNN

  65. Fast R-CNNは、分類にSVMを、枠の位置の補正に別の回帰モデルを使い、それぞれを順番に学習する多段階の方法をとる。

    × 誤り それはR-CNNの方法です。Fast R-CNNは、クラスの分類と枠の位置の補正を、2つの誤差を足し合わせたマルチタスク損失で、1つのネットワークとして同時に学習します。 Fast R-CNN

  66. RoIプーリングは、大きさがばらばらな候補領域の特徴を、決まった大きさの特徴にそろえて、後ろの全結合層に入力できるようにする処理である。

    ◯ 正しい 全結合層は決まった大きさの入力しか受け付けません。RoIプーリングは、特徴マップ上の候補領域を格子に区切り、各マスで最大値をとって大きさをそろえます。 Fast R-CNN

  67. VGG16の「16」は、畳み込み層と全結合層を合わせた、重みをもつ層の数を表している。

    ◯ 正しい VGG16は畳み込み層13層と全結合層3層からなります。重みをもたないプーリング層は数えません。VGG19は畳み込み層が16層です。 VGG

  68. VGGは、2014年のILSVRCの画像分類部門で優勝したモデルである。

    × 誤り 画像分類部門では2位で、優勝はGoogLeNetでした。VGGのチームは、物体の位置を示す位置特定の部門で1位になっています。 VGG

  69. VGGは、層を飛び越えて入力を出力に足し合わせるスキップ結合を使い、19層までの深さを実現した。

    × 誤り VGGは畳み込み層とプーリング層を順に重ねただけの単純な構成です。スキップ結合は、2015年のResNetで導入された仕組みです。 VGG

  70. 物体検出のモデルは、1枚の画像に複数の物体が写っていれば、それぞれについて位置を示す矩形とクラスを出力する。

    ◯ 正しい 画像全体に1つのラベルを付ける画像分類との違いです。出力する物体の数は画像ごとに変わります。 物体検出

  71. 物体検出の評価で使うIoUは、予測した矩形と正解の矩形が重なる部分の面積を、2つの矩形を合わせた領域の面積で割った値である。

    ◯ 正しい 完全に一致すれば1、まったく重ならなければ0です。IoUが基準(たとえば0.5)以上なら、正しく検出できたとみなします。 物体検出

  72. 物体検出で同じ物体に重なった矩形が複数出力されたときは、すべてを残し、矩形の数をそのまま物体の数として数えるのが一般的である。

    × 誤り スコアの高い矩形を残し、それと大きく重なる矩形を取り除く非最大値抑制(NMS)で、重複をまとめるのが一般的です。 物体検出

  73. 物体識別のモデルの多くは、最後にソフトマックス関数で各クラスの確率を出力し、最も確率の高いクラスを答えとする。

    ◯ 正しい たとえば「犬0.8、猫0.15、車0.05」なら「犬」と答えます。確率の高い上位5クラスに正解が含まれない割合を表すtop-5誤り率も、この順位を使って求めます。 物体識別

  74. 物体識別のモデルは、画像に写っている物体の位置を矩形で示すので、写っている物体の数もわかる。

    × 誤り 物体識別は、画像全体に対してクラスを答えるだけで、位置や個数は出力しません。位置や個数が必要なら、物体検出やインスタンスセグメンテーションを使います。 物体識別

  75. 物体識別のために作られたCNNは、物体検出やセグメンテーションのモデルで、特徴を取り出す部分として転用されることが多い。

    ◯ 正しい たとえばFCNはVGGなどの分類用のネットワークを作り替えたモデルで、FPNの論文ではResNetを特徴の抽出に使っています。ImageNetで学習した重みを初期値にすることも一般的です。 物体識別

  76. Mask R-CNNのマスクを予測する分岐は、クラスの分類と枠の推定を行う分岐と並列に置かれている。

    ◯ 正しい 候補領域ごとに、クラス・枠・マスクの3つを並行して出力します。この単純な拡張で、物体検出とインスタンスセグメンテーションを同時に行えます。 Mask R-CNN

  77. RoIAlignは、候補領域の座標を整数に丸めてから特徴を取り出すことで、計算を速くするしくみである。

    × 誤り 座標を丸めるのは、Faster R-CNNで使われるRoIPoolのほうです。RoIAlignは丸めずに、双線形補間で正確な位置の値を求めます。画素単位の位置が大切なマスクで、ずれを防ぐためです。 Mask R-CNN

  78. Mask R-CNNは、候補領域ごとにクラスの数だけ2値のマスクを予測し、分類の分岐が選んだクラスのマスクを使う。

    ◯ 正しい 各マスクは、画素ごとに物体かどうかだけを判断します。どのクラスかの判断は分類の分岐に任せるので、マスクの上でクラスどうしが競合せず、学習しやすくなります。 Mask R-CNN

  79. MobileNetで幅乗数(width multiplier)を0.5にすると、計算量もおよそ半分になる。

    × 誤り 幅乗数は入力と出力の両方のチャネル数を細くするため、計算量はおよそ二乗の割合で減り、0.5なら約4分の1になります。論文の表では、積和演算が約5億6,900万回から約1億4,900万回に減っています。 MobileNet

  80. MobileNetV2では、細い層の間で一度チャネル数を広げてから戻す、反転残差(inverted residual)の構造が導入された。

    ◯ 正しい 通常のボトルネックとは逆に、入口と出口を細く、中間を広くします。広げた中間でDepthwise畳み込みを行い、細い出口の層では活性化関数を使いません(線形ボトルネック)。 MobileNet

  81. MobileNetは、画像分類だけでなく、物体検出モデルの特徴を取り出す部分としても使われる。

    ◯ 正しい 論文では、SSDやFaster R-CNNの土台をMobileNetに置き換えた実験が示されています。端末で物体検出を行う用途で広く使われてきました。 MobileNet

  82. U-Netは、もともと細胞の顕微鏡画像などの生物医学画像をセグメンテーションするために提案された。

    ◯ 正しい 医療分野では、画素単位の正解を付けた画像を大量に集めにくいため、少ない画像から学習できるよう工夫されています。 U-Net

  83. U-Netのスキップ結合は、ResNetと同じく、エンコーダの特徴マップをデコーダの特徴マップに要素ごとに足し合わせる。

    × 誤り U-Netは足し算ではなく、チャネル方向に連結します。入力を足し合わせるのはResNetのスキップ結合です。 U-Net

  84. 画像生成の拡散モデルでは、各段階のノイズを推定するネットワークとして、U-Netを改良したものがよく使われる。

    ◯ 正しい 画像を入力し、画素ごとに値を出力できるU-Netの構造が、画像と同じ大きさのノイズを推定する用途に合うためです。 U-Net

  85. 最初のYOLOは、物体がありそうな候補領域を先に約2,000個切り出し、その1つずつをCNNで分類する。

    × 誤り それはR-CNNの手順です。YOLOは候補領域を作らず、画像全体から物体の位置とクラスを一度に予測します。 YOLO

  86. 最初のYOLOは、1つのグリッドセルが予測できる物体の数に限りがあるため、鳥の群れのように小さな物体が密集した場面を苦手とする。

    ◯ 正しい 各セルは少数の枠と1組のクラス確率しか出しません。1つのセルに複数の小さな物体が入ると取りこぼしやすく、論文でも限界として挙げられています。 YOLO

  87. 最初のYOLOは、高速さと引き換えに、物体を囲む枠の位置を正確に合わせる精度では、当時の2段階型の手法に及ばなかった。

    ◯ 正しい 論文でも、位置合わせの誤りが多い一方、背景を物体と取り違える誤りは少ないと報告されています。後の版で位置の精度は改善されました。 YOLO

  88. Faster R-CNNの名前の「Faster」は、YOLOのような1段階型の検出器よりも速く処理できることを表している。

    × 誤り Fasterは、前身のFast R-CNNより速いという意味です。候補領域の抽出をRPNに置き換えて高速化しましたが、元の論文どうしで比べると、処理の速さはYOLOが上回ります。 Faster R-CNNとYOLOの違い

  89. 最初のYOLOは、Faster R-CNNと同じく、大きさや縦横比の異なるアンカーを基準にして、そこからのずれを予測することで枠を求める。

    × 誤り 最初のYOLOは、グリッドの各セルが枠の中心の座標と幅・高さを直接予測し、アンカーは使いません。アンカーを取り入れたのは、改良版のYOLOv2です。 Faster R-CNNとYOLOの違い

  90. 1段階型のYOLOでも、同じ物体に重なって出た複数の枠を、非最大値抑制(NMS)で整理する処理が使われる。

    ◯ 正しい 大きな物体やセルの境界にある物体には、複数のセルが枠を出すことがあります。YOLOの論文では、NMSで重複を除くとmAPが2〜3%上がると報告されています。 Faster R-CNNとYOLOの違い

  91. 1個ずつ撮影した製品の画像で良品か不良品かを判定するだけなら、物体の位置を出力しない画像分類でも目的を果たせる。

    ◯ 正しい 知りたいのは画像全体に対する判定で、位置や個数は必要ありません。画像1枚に1つの答えを返す画像分類で足ります。 画像分類(物体識別)と物体検出の違い

  92. 駐車場を上から撮った画像に「車」というクラスを返す画像分類のモデルを使えば、停まっている車の台数もわかる。

    × 誤り 画像分類は画像全体に1つの答えを返すだけで、何台写っているかは出力しません。台数を数えるには、車ごとに矩形を出す物体検出などを使います。 画像分類(物体識別)と物体検出の違い

  93. 物体検出の評価では、予測したクラスが正しければ、矩形の位置が正解から大きくずれていても正しい検出として数える。

    × 誤り クラスが正しいことに加えて、予測した矩形と正解の矩形の重なり(IoU)が基準(たとえば0.5)以上であることが条件です。位置が大きくずれた予測は誤検出として扱われます。 画像分類(物体識別)と物体検出の違い

  94. 車載カメラの画像から、走行できる路面の領域だけを画素単位で知りたい場合は、セマンティックセグメンテーションで目的を果たせる。

    ◯ 正しい 路面は数えられない領域で、1つずつ区別する必要がありません。画素ごとに「路面かどうか」がわかれば足ります。 セマンティック・インスタンスとパノプティックの違い

  95. パノプティックセグメンテーションの結果から個体の番号を取り除き、クラスだけを残すと、セマンティックセグメンテーションと同じ形の結果になる。

    ◯ 正しい パノプティックの出力は、画素ごとの「クラス」と「個体の番号」の組です。番号を捨てれば、すべての画素にクラスだけが付いた地図になります。 セマンティック・インスタンスとパノプティックの違い

  96. インスタンスセグメンテーションでは、同じクラスの物体が重なって写っている場合、それらの画素を1つの領域にまとめて出力する。

    × 誤り インスタンスセグメンテーションは、重なっていても物体ごとに別々のマスクを出力します。接した同じクラスの物体が1つの領域になるのは、セマンティックセグメンテーションです。 セマンティック・インスタンスとパノプティックの違い

自然言語処理

78問 要点を読む
  1. n-gram言語モデルでは、次の単語の確率を、文の先頭から直前までのすべての単語を条件として求める。

    × 誤り 条件にするのは直前のn−1語だけです。たとえばtri-gramなら直前の2語です。それより前の語の影響は扱えず、この限界はRNNやTransformerによる言語モデルで補われました。 n-gram

  2. 語彙が1万語のとき、単語のtri-gramとしてありうる並びの数は、bi-gramの1万倍になる。

    ◯ 正しい bi-gramは1万の2乗で1億通り、tri-gramは1万の3乗で1兆通りです。nを大きくするほど組み合わせが急増し、学習データに一度も現れない並びが増えます。 n-gram

  3. 「人工知能」を文字単位のbi-gramに分けると、「人工」「工知」「知能」の3つになる。

    ◯ 正しい 1文字ずつずらしながら、連続する2文字を取り出します。4文字の語からは3つ、一般にm文字からはm−1個のbi-gramができます。 n-gram

  4. ELMoは、Transformerのエンコーダを積み重ねたモデルで、文中の一部の単語を隠して前後の文脈から当てる課題で事前学習される。

    × 誤り これはBERTの説明です。ELMoは双方向のLSTMを使い、前から次の単語を予測する言語モデルと、後ろから前の単語を予測する言語モデルを学習します。 ELMo

  5. ELMoは、言語モデルの最上位の層の出力だけでなく、複数の層の出力を、タスクごとに学習する重みで組み合わせて単語の表現を作る。

    ◯ 正しい 論文では、下の層は文法的な情報、上の層は意味的な情報を捉えやすいと分析されています。両方を使い分けられるのが利点です。 ELMo

  6. ELMoで得た単語の表現は、既存のタスク用モデルの入力に特徴量として追加して使うのが基本の使い方である。

    ◯ 正しい ELMoは特徴量として足して使う方式が基本です。モデル全体をタスクに合わせて調整するBERTのファインチューニングとは対照的です。 ELMo

  7. アスペクトベース感情分析では、「料理はおいしいが、接客は悪い」のような文について、料理や接客といった観点ごとに肯定か否定かを判定する。

    ◯ 正しい 文書全体で1つの判定をすると、こうした評価の混在を表せません。観点ごとに判定すると、どこを改善すべきかが分かりやすくなります。 感情分析

  8. 機械学習を使った感情分析の研究は、2018年にBERTが登場してから始まった。

    × 誤り 2002年には、ナイーブベイズやSVMなどの機械学習で映画レビューを肯定・否定に分類する研究が発表されています。BERTは、その後の精度向上に貢献した手法の1つです。 感情分析

  9. 感情分析で推定する対象には、評価が肯定的か否定的かという極性のほか、喜びや怒りのような感情の種類も含まれる。

    ◯ 正しい 商品レビューの分析では極性の判定がよく使われます。問い合わせの応対の分析などでは、怒りや不安のような感情の種類を推定することもあります。 感情分析

  10. BLEUは、機械翻訳の出力と人が作った参照訳の間で、n-gramがどれだけ一致するかをもとに、訳の品質を自動で評価する指標である。

    ◯ 正しい 人による評価は時間と費用がかかるため、2002年に自動評価の方法として提案されました。意味が正しくても言い回しが違うだけで点数が下がることがあり、人による評価と組み合わせて使います。 機械翻訳

  11. ニューラルネットワークによる機械翻訳は、2017年にTransformerが登場して初めて実現した。

    × 誤り 2014年には、RNNを使ったSeq2SeqやAttentionによる機械翻訳が発表されています。Google翻訳も2016年にニューラル機械翻訳を導入しました。Transformerはその後に登場した方式です。 機械翻訳

  12. 機械翻訳の出力を人が確認し、誤りや不自然な表現を修正して仕上げる作業を、ポストエディットという。

    ◯ 正しい 機械翻訳の出力には、訳抜けや誤訳が含まれることがあります。機械が下訳を作り、人が仕上げることで、品質を保ちながら作業時間を短くできます。 機械翻訳

  13. GLUEの9つのタスクは、ベンチマークのために一から作ったデータではなく、既存のデータセットをもとに構成されている。

    ◯ 正しい 論文では、研究コミュニティで難しく興味深いと認められてきた既存のデータセットを使ったと説明しています。QNLIやWNLIは、既存のデータを2文の分類の形に直したものです。 GLUE

  14. GLUEで評価を受けるには、指定されたモデル構造を使う必要があり、各チームが独自に設計した構造のモデルは参加できない。

    × 誤り GLUEは、1文または2文の入力を処理して全タスクの予測を出せれば、モデルの構造を問いません。そのため、BERTなどさまざまなモデルの比較に使われました。 GLUE

  15. GLUEの総合スコアは、各タスクのスコアを平均して求め、リーダーボードの順位づけに使われる。

    ◯ 正しい 各タスクのスコアのマクロ平均で順位を決めます。正解率とF1値のように指標が複数あるタスクは、それらを平均してそのタスクのスコアにします。 GLUE

  16. 日本語は単語の間に空白を入れずに書くため、形態素解析では、文をどこで区切るかを決めること自体が主要な課題になる。

    ◯ 正しい 英語は空白で区切ればおおよその単語が得られます。日本語では「外国人参政権」のように複数の区切り方がありうるため、辞書と統計的な手がかりで最も自然な区切りを選びます。 形態素解析

  17. 大規模言語モデルに日本語の文を入力するときは、必ず形態素解析で単語に区切ってから入力しなければならない。

    × 誤り 多くの大規模言語モデルは、文字の並びの出現頻度から決めたサブワードという単位で区切ります。SentencePieceのように、形態素解析を使わずに生の文から区切り方を学習できる手法もあります。 形態素解析

  18. 日本語の文書をBoWやTF-IDFでベクトルにするときには、前処理として形態素解析で単語に区切ることが多い。

    ◯ 正しい BoWやTF-IDFは単語ごとに出現回数を数えます。日本語では先に単語に区切らないと、数える単位が決まらないためです。 形態素解析

  19. 日本語の文節単位の係り受け解析では、一般に、文末の文節を除く各文節が、自分より後ろにある文節のどれか1つに係ると考える。

    ◯ 正しい 日本語では、係る側の語句が受ける側の語句より前に置かれるためです。係り受けどうしが交差しないという性質と合わせて、係り先の候補を絞り込む手がかりになります。 構文解析

  20. 文法的に正しい文であれば、構文解析で求める文の構造は必ず1通りに決まる。

    × 誤り 「急いで走る犬を追いかけた」のように、係り受けを複数に解釈できる文があります。構文解析では、学習データの傾向などから、最ももっともらしい構造を選びます。 構文解析

  21. 句構造解析は文を句の入れ子の木構造で表し、係り受け解析はどの語がどの語に係るかという語どうしの関係で文の構造を表す。

    ◯ 正しい どちらも文の構造を求める構文解析の方法です。英語では句構造による表現、日本語では文節単位の係り受けによる表現がよく使われてきました。 構文解析

  22. CECは、2000年に忘却ゲートとともにLSTMへ加えられた仕組みで、1997年に提案された当初のLSTMには含まれていなかった。

    × 誤り CECは1997年の最初の論文から、LSTMの中心となる仕組みとして提案されています。2000年の研究で加えられたのは、忘却ゲートのほうです。 CEC

  23. 当初のLSTMの入力ゲートは、関係のない入力によって、CECに蓄えた内容が乱されるのを防ぐために導入された。

    ◯ 正しい 同じ重みで「情報を書き込む」と「無関係な入力から守る」の両方を担うと、更新が衝突します。そこで書き込みを制御する入力ゲートを置きました。出力ゲートは、読み出しを同じように制御します。 CEC

  24. 1997年の当初のLSTMには記憶を消す仕組みがなく、区切りのない入力を長く処理し続けると、記憶セルの値が際限なく大きくなりうるという弱点があった。

    ◯ 正しい 2000年の研究がこの弱点を指摘し、記憶セルが適切なときに自ら内容をリセットできるよう、忘却ゲートを加えました。 CEC

  25. GPTは、TransformerのEncoderとDecoderのうち、Decoder側の構造を積み重ねたモデルである。

    ◯ 正しい 前の単語だけを参照するように制限したSelf-Attentionを使い、次の単語を順に予測します。Encoder側を使うBERTとは構造が異なります。 GPT

  26. GPTは文章を生成するためのモデルなので、文の分類や含意関係の判定といった、文章を理解するタスクには使えない。

    × 誤り 最初のGPTの論文は、事前学習したモデルをタスクごとにファインチューニングし、文の分類や質問応答などの理解系タスクで性能を高めたものです。 GPT

  27. 2022年に公開されたChatGPTは、GPT-3.5系のモデルを、人が書いた応答例による追加学習と、人間のフィードバックによる強化学習(RLHF)で対話向けに調整したものである。

    ◯ 正しい 次の単語を予測する事前学習だけでは、指示に沿った応答をするとは限りません。そのため、InstructGPTと同じく、人の評価を使った調整が加えられました。 GPT

  28. CBOWでは周辺の単語のベクトルを平均してから中心の単語を予測するため、周辺の単語がどの順に並んでいたかは予測に影響しない。

    ◯ 正しい 論文では、この性質を理由に、BoWと同じく語順を区別しないモデルとして名付けています。中心の単語より前の語も後の語も、同じように扱われます。 CBOW

  29. word2vecの論文で同じデータを使って比べた結果では、CBOWは意味的な関係を問う類推の課題で、スキップグラムより高い正解率を示した。

    × 誤り 640次元で比べた結果では、意味的な関係の正解率はCBOWが24%、スキップグラムが55%でした。CBOWは文法的な関係の課題で、スキップグラムをやや上回りました。 CBOW

  30. CBOWの名前のContinuousは、周辺の文脈を、出現回数ではなく連続値の分散表現で表すことに由来する。

    ◯ 正しい 論文では、通常のBoWと違って文脈を連続的な分散表現で表すことから、CBOWと呼ぶと説明しています。 CBOW

  31. 自然言語処理は、PythonやCのようなプログラミング言語のソースコードを解析・変換する技術を指す言葉である。

    × 誤り 自然言語とは、日本語や英語のように人が日常で使う言葉のことです。人工的に設計されたプログラミング言語と区別するために「自然」と呼びます。 自然言語処理

  32. 大規模言語モデルが登場する以前から、自然言語処理は機械翻訳や情報検索などの分野で研究され、実用化されてきた。

    ◯ 正しい ルールベースの機械翻訳や、単語の出現頻度を使う検索エンジンなどは、大規模言語モデルよりずっと前から使われてきました。 自然言語処理

  33. 「黒い目の大きな猫」のように、1つの表現が複数の意味や構造に解釈できることは、自然言語処理を難しくする要因の1つである。

    ◯ 正しい 「黒い」が「目」と「猫」のどちらにかかるかで意味が変わります。こうした曖昧さを、文脈や大量のデータをもとに解消することが、自然言語処理の中心的な課題です。 自然言語処理

  34. 転置インデックスは、単語ごとにその単語を含む文書の一覧を記録した索引で、検索のたびに全文書を先頭から読む手間を省くために使われる。

    ◯ 正しい 本の巻末の索引と同じ考え方です。検索語から、その語を含む文書をすぐに引けるため、文書が大量にあっても素早く検索できます。 情報検索

  35. 情報検索の評価では、検索結果として示した文書のうち、求める情報に合う文書が占める割合を再現率という。

    × 誤り これは適合率です。再現率は、求める情報に合う文書全体のうち、検索結果に含まれたものの割合です。 情報検索

  36. RAG(検索拡張生成)では、大規模言語モデルが回答を生成する前に、質問に関連する文書を検索して取り出し、モデルの入力に加える。

    ◯ 正しい モデルが学習していない社内文書や新しい情報をもとに回答させるための仕組みです。回答の根拠にした文書を示しやすくなる利点もあります。 情報検索

  37. word2vecの論文のスキップグラムでは、中心の単語から離れた周辺の単語ほど、学習の例として使う回数を少なくしている。

    ◯ 正しい 遠い語ほど、中心の単語との関係が薄いためです。論文では、周辺語をとる範囲を中心語ごとにランダムに狭めることで、遠い語を少なめに使い、重みを下げています。 スキップグラム

  38. スキップグラムで周辺の単語をとる範囲(ウィンドウ)を広げると、1つの中心語あたりの予測の回数が減り、学習の計算量も小さくなる。

    × 誤り 範囲を広げると予測する周辺の単語が増え、計算量は大きくなります。論文では、範囲を広げるとベクトルの質は上がる一方で、計算量も増えると報告しています。 スキップグラム

  39. スキップグラムの学習を効率化するネガティブサンプリングは、語彙全体の確率を計算する代わりに、本物の周辺語とランダムに選んだ少数の単語とを見分ける課題に置き換える方法である。

    ◯ 正しい 語彙が大きくても、1回の更新で計算する単語は少数で済みます。Mikolovらは2013年の続く論文で、階層的ソフトマックスに代わる簡単な方法として示しました。 スキップグラム

  40. GPTシリーズのような大規模言語モデルの多くは、BERTと同じくTransformerのエンコーダを使い、前後両方の文脈から隠した単語を当てる課題で事前学習される。

    × 誤り 多くはTransformerのデコーダを使い、それまでの単語から次の単語を予測する課題で事前学習されます。前後両方の文脈から隠した単語を当てるのは、BERTの方法です。 大規模言語モデル

  41. InstructGPTの評価では、人間のフィードバックで調整した約13億パラメータのモデルの出力が、約1,750億パラメータのGPT-3の出力より好まれた。

    ◯ 正しい パラメータ数がおよそ100分の1でも、人間の意図に沿うよう調整したモデルが好まれました。規模だけでは使いやすさが決まらないことを示した結果です。 大規模言語モデル

  42. 対話に使う大規模言語モデルは、事前学習を終えたあと、指示と回答の組や人間の評価を使って、指示に沿って答えるように調整されることが多い。

    ◯ 正しい 事前学習だけのモデルは、文章の続きを書くのは得意でも、指示に従うとは限りません。指示チューニングやRLHFで、使いやすい応答に近づけます。 大規模言語モデル

  43. GloVeは、コーパス全体で単語どうしが一緒に現れた回数を集計し、その統計をもとに単語埋め込みを求める手法である。

    ◯ 正しい 単語の共起の回数をまとめた行列を使い、その統計に合うようにベクトルを学習します。周辺の単語の予測から学ぶword2vecとは、出発点が異なります。 単語埋め込み

  44. 単語埋め込みは、学習に使った文章での単語の使われ方から作られるため、文章に含まれる性別などの偏りが、単語どうしの位置関係に表れることがある。

    ◯ 正しい 2016年の研究は、Google Newsの記事で学習した埋め込みに、性別に関する固定観念が強く表れていると報告しています。公平性の観点から注意が必要です。 単語埋め込み

  45. 単語埋め込みは、学習済みのものを別のタスクに流用することはできず、タスクごとに必ず一から学習し直す必要がある。

    × 誤り 大量の文章で学習済みの埋め込みを、別のタスクの入力に使うのは一般的な方法です。学習データの少ないタスクでも、単語の意味の情報を活用できます。 単語埋め込み

  46. TF-IDFのIDFは文書の集合全体から求める値なので、同じ単語であれば、どの文書のベクトルでも同じ値になる。

    ◯ 正しい IDFは、全文書数とその単語を含む文書数だけで決まります。同じ単語のTF-IDFが文書ごとに異なるのは、TFが異なるためです。 TF-IDF

  47. TF-IDFで重み付けすると語順の情報も反映されるため、同じ単語を同じ回数ずつ含む2つの文でも、語順が違えば異なるベクトルになる。

    × 誤り TF-IDFは、BoWの出現回数に重みを掛けたものです。語順は使わないため、「父が子を呼ぶ」と「子が父を呼ぶ」は同じベクトルになります。 TF-IDF

  48. 検索対象に文書を追加すると、すでにある文書に含まれる単語のTF-IDFの値が変わることがある。

    ◯ 正しい IDFは、全文書数と、その単語を含む文書数で決まります。文書が増えるとこれらが変わるため、既存の文書のTFが同じでも、TF-IDFの値は変わりえます。 TF-IDF

  49. BERTの次文予測(NSP)は、1文目に続く2文目を、単語を1つずつ順に生成して作らせる課題である。

    × 誤り NSPは、2文目が本当に1文目の続きか、無関係な文かを見分ける2値の分類です。文を生成させる課題ではありません。 BERT

  50. BERTは、2018年の発表時に、GLUEベンチマークや質問応答のSQuADなど、11の自然言語処理のタスクで当時の最高性能を更新した。

    ◯ 正しい 1つの事前学習済みモデルを各タスクにファインチューニングするだけで、多くのタスクの記録を塗り替えました。 BERT

  51. 文章を先頭から1語ずつ生成する用途には、BERTよりも、GPTのようにTransformerのデコーダを使うモデルのほうが向いている。

    ◯ 正しい BERTは前後両方の文脈を使う前提で学習されています。まだ書かれていない後ろの単語に頼れない生成には、前から順に予測するデコーダ型が向きます。 BERT

  52. PaLMは、BERTと同じくエンコーダだけをもつTransformerで、文中の隠した単語を当てる穴埋め形式の事前学習を行った。

    × 誤り PaLMはデコーダだけをもつTransformerで、左から右へ次の単語を予測する標準的な言語モデルの課題で学習されました。この点はGPTシリーズと同じです。 PaLM

  53. PaLMの論文では、モデルを620億から5,400億パラメータへ拡大したときに、一部のタスクで性能がなだらかではなく急に伸びる現象が報告されている。

    ◯ 正しい BIG-benchの150タスクのうち25%で、80億から620億への伸びをもとにした予測よりも、5,400億での正解率が10ポイント以上高くなりました。 PaLM

  54. PaLMの学習データには、自然言語の文章のほかに、GitHubのソースコードも含まれていた。

    ◯ 正しい Webページ、書籍、Wikipedia、ニュース記事、会話などに加えて、24のプログラミング言語のソースコードが含まれていました。論文では、コード生成の能力も評価しています。 PaLM

  55. BoWで文書を表したベクトルの次元数は語彙の数と同じで、その文書に現れない単語に対応する要素は0になる。

    ◯ 正しい 語彙の各単語に要素を1つずつ割り当て、出現回数などを入れるためです。語彙が多いと、ほとんどの要素が0の疎なベクトルになります。 BoW(Bag-of-Words)

  56. BoWのベクトルでは、各要素の値が、その単語が文書の何番目に現れたかという位置を表す。

    × 誤り 各要素の値は、その単語の出現回数か、出現したかどうかを表す0と1です。位置の情報は持たないため、語順は失われます。 BoW(Bag-of-Words)

  57. BoWで出現回数をそのまま使うと、同じ話題でも長い文書ほど各要素の値が大きくなりやすいため、文書の総単語数で割るなどして長さの影響をならすことがある。

    ◯ 正しい 出現回数は文書が長いほど増えがちです。総単語数で割った相対頻度にしたり、ベクトルの長さを1にそろえたりして、長さの違いを調整します。 BoW(Bag-of-Words)

  58. fastTextの論文では、単語の前後に境界を示す記号を付けてから文字n-gramを取り出し、接頭辞や接尾辞をほかの文字の並びと区別できるようにしている。

    ◯ 正しい たとえばwhereの3文字のn-gramは「<wh」「whe」「her」「ere」「re>」です。単語そのものを表す「<where>」も1つの単位として加えます。 fastText

  59. fastTextは、Transformerのエンコーダを大量の文章で事前学習し、文脈に応じて単語のベクトルを変えるモデルである。

    × 誤り それはBERTの説明です。fastTextはword2vecと同じく浅いネットワークで学習し、1つの単語には文脈によらず同じベクトルを割り当てます。 fastText

  60. fastTextは文書分類にも使われ、深層学習の分類器に近い精度を、はるかに短い学習時間で得られることが報告されている。

    ◯ 正しい 文書分類の論文では、10億語を超える文章を一般的なマルチコアCPUで10分足らずで学習できたと報告されています。 fastText

  61. 分散表現では、ベクトルの1つの次元が1つの単語に対応し、その単語のときだけその次元の値が1になる。

    × 誤り それはワンホットベクトルの説明です。分散表現では、1つの単語の意味が多くの次元の値の組み合わせで表され、1つの次元は多くの単語の表現に関わります。 分散表現

  62. 語彙が10万語あっても、分散表現なら各単語を数百次元程度のベクトルで表せる。

    ◯ 正しい ワンホットベクトルでは、語彙数と同じ10万次元が必要です。分散表現は次元数を語彙数と切り離して決められるため、少ない次元に情報を密に詰め込めます。 分散表現

  63. 分散表現と分布仮説は、同じ考え方を指す別名である。

    × 誤り 分布仮説は「似た文脈に現れる単語は意味も似ている」という考え方です。分散表現は意味をベクトルで表す方法です。word2vecは、分布仮説にもとづいて分散表現を学習します。 分散表現

  64. ROUGEは、システムが作った要約と人が作った参照要約の間で、n-gramなどの重なりを数えて要約の品質を評価する指標である。

    ◯ 正しい 人が要約を1つずつ評価するには大きな手間がかかるため、自動で評価する方法として考案されました。重なりが多くても事実の誤りは見逃しうるため、人による確認と組み合わせます。 文書要約

  65. 文書要約は、大規模言語モデルが登場してから研究が始まった新しいタスクである。

    × 誤り 1958年には、語の出現頻度から文の重要度を計算し、重要な文を選んで要約を作る研究が発表されています。自然言語処理の中でも歴史の長いタスクです。 文書要約

  66. 複数文書要約では、同じ話題を扱う複数の文書をまとめて1つの要約を作るため、文書の間で重なる内容を整理する必要がある。

    ◯ 正しい 同じ出来事を伝える複数の記事には、似た内容が繰り返し現れます。重なりを整理しないと、要約の中で同じ内容が何度も出てきてしまいます。 文書要約

  67. word2vecで学習した単語ベクトルでは、「King」−「Man」+「Woman」の計算結果が「Queen」のベクトルに近くなるような、意味の関係が表れる。

    ◯ 正しい 性別や国と首都のような関係が、ベクトルの差としてほぼ一定の向きに表れます。word2vecの論文でも示された性質です。 word2vec

  68. word2vecは、文書ごとの単語の出現回数を数えて並べた疎なベクトルを、そのまま単語の意味として使う手法である。

    × 誤り 出現回数を数えて並べた疎なベクトルは、BoWなどのカウントに基づく表現です。word2vecは、予測の課題を学習する過程で、数百次元ほどの密なベクトルを単語ごとに得ます。 word2vec

  69. word2vecでは1つの単語に1つのベクトルしか割り当てないため、英語のbank(銀行・土手)のような多義語を文脈に応じて区別できない。

    ◯ 正しい 文脈によらず同じベクトルになります。文脈ごとにベクトルを変えるELMoやBERTで、この問題の解決が進みました。 word2vec

  70. 語彙が5万語のとき、各単語のワンホットベクトルは5万次元になり、0でない要素は1つだけになる。

    ◯ 正しい 次元数は語彙の数と同じです。ほとんどの要素が0の疎なベクトルになり、語彙が増えるほど次元も増えます。 ワンホットベクトル

  71. ワンホットベクトルでは、文書中での単語の出現回数を各要素に入れるため、よく使われる単語ほど大きな値をもつ。

    × 誤り ワンホットベクトルの要素は0か1だけで、頻度は反映しません。文書中の単語のワンホットベクトルを足し合わせて出現回数を数えると、BoWの表現になります。 ワンホットベクトル

  72. 単語のワンホットベクトルに単語埋め込みの重み行列を掛けると、その単語に対応する埋め込みベクトルだけが取り出される。

    ◯ 正しい 1の位置に対応する行(行列の向きによっては列)だけが残るためです。実際の実装では、掛け算をせずにその行を直接取り出して計算を省きます。 ワンホットベクトル

  73. GPTの事前学習では、文中のランダムな位置の単語を隠し、その単語を前後の文脈から当てる課題を解かせる。

    × 誤り 前後の文脈から隠した単語を当てるのは、BERTのマスク言語モデルです。GPTは、文章の先頭から順に、それまでの単語だけを手がかりに次の単語を予測します。 BERTとGPTの違い

  74. BERTの論文では、比較のため、BERT-Baseのモデルの大きさを最初のGPTとそろえていた。

    ◯ 正しい どちらも12層のTransformerです。大きさをそろえたうえで、前後両方を参照する事前学習の効果を示し、GLUEで比較したすべてのタスクで最初のGPTを上回る結果を報告しました。 BERTとGPTの違い

  75. BERTをタスクに合わせてファインチューニングするときは、追加した出力層だけでなく、事前学習済みの部分の重みも含めて全体を追加学習する。

    ◯ 正しい BERTの論文の基本の使い方は、全パラメータのファインチューニングです。事前学習済みの部分を固定し、取り出した表現を別のモデルの入力に使う方法は、特徴量ベースの使い方と呼ばれます。 BERTとGPTの違い

  76. CBOWもスキップグラムも、学習の主な目的は単語の予測そのものではなく、学習を通じて単語のベクトル(分散表現)を得ることにある。

    ◯ 正しい 単語の予測は、ベクトルを学ぶための課題です。学習後は、得られたベクトルを単語どうしの類似度の計算や、別のモデルの入力に使います。 CBOWとスキップグラムの違い

  77. CBOWとスキップグラムは、非線形の隠れ層を何層も重ねた深いネットワークで、文脈の複雑な関係を表現する。

    × 誤り word2vecの論文は、計算量の大部分が非線形の隠れ層から生じると考え、これを取り除いた浅いモデルとして2つを提案しました。単純にした分、大量の文章で学習できます。 CBOWとスキップグラムの違い

  78. データ、ベクトルの次元数、エポック数などの条件をそろえて学習した場合、CBOWのほうがスキップグラムより短い時間で学習を終えられる。

    ◯ 正しい CBOWは中心の単語1つにつき予測が1回で済み、スキップグラムは周辺の単語の数だけ予測します。論文の比較では、CBOWが約1日、スキップグラムが約3日でした。 CBOWとスキップグラムの違い

音声処理

45問 要点を読む
  1. WaveNetは、テキスト音声合成の評価で、従来の波形接続型やパラメトリック型の方式より自然だと聞き手に評価された。

    ◯ 正しい 英語と中国語の両方で、人による自然さの評価が従来の最良の方式を上回ったと報告されています。 WaveNet

  2. WaveNetは、波形のすべてのサンプルを同時に並列で生成できるため、最初の発表時から生成が非常に高速だった。

    × 誤り 生成時は1サンプルずつ順に予測し、その結果を次の入力に使います。16kHzの音声なら1秒分で1万6,000回の予測が必要で、当初は生成の遅さが課題でした。 WaveNet

  3. WaveNetは、話者を示す情報を条件として与えることで、1つのモデルで複数の話者の声を生成し分けられる。

    ◯ 正しい 論文では、多数の話者の音声で学習した1つのモデルが、話者の指定を切り替えるだけで声を出し分けられることが示されています。 WaveNet

  4. A-D変換の標本化は信号を時間の方向に飛び飛びにする処理で、量子化は振幅を決められた段階のうち近い値に丸める処理である。

    ◯ 正しい 標本化で「いつの値を記録するか」、量子化で「どの細かさで記録するか」を決めます。そのあと符号化で、値を0と1の列にします。 A-D変換

  5. 量子化ビット数を8ビットから16ビットに増やすと、振幅を表せる段階の数は2倍になる。

    × 誤り 段階の数は2のビット数乗です。8ビットは`2^8 = 256`段階、16ビットは`2^16 = 65,536`段階なので、256倍になります。 A-D変換

  6. 量子化ビット数を増やすと量子化による誤差は小さくなるが、ビット数が有限である限り、誤差を完全に0にすることはできない。

    ◯ 正しい 連続した値を有限の段階に丸めるため、丸めの誤差が必ず残ります。この誤差を量子化誤差、音として聞こえるものを量子化雑音と呼びます。 A-D変換

  7. 音声学が音の物理的・生理的な性質を扱うのに対し、音韻論は、ある言語の中で音がどのような体系をなし、意味の区別にどう使われるかを扱う。

    ◯ 正しい 同じ音を対象にしても、音声学は「どんな音か」、音韻論は「その言語でどんな役割をもつか」に注目します。 音韻

  8. テキスト音声合成では、音韻の並びさえ正しければ、声の高さの変化や音の長さなどの韻律を推定しなくても、自然な音声が得られる。

    × 誤り 韻律が不適切だと、音韻が正しくても棒読みのような不自然な音声になります。音声合成では、音韻の並びとともに、声の高さや音の長さも予測します。 音韻

  9. 日本語の「雨」と「飴」のように、音素の並びが同じでも、声の高さの配置(アクセント)の違いで語が区別されることがある。

    ◯ 正しい 東京の言葉では「雨」は「ア」が高く、「飴」は「メ」が高く発音されます。日本語は、声の高さの配置で語を区別する高低アクセントの言語です。 音韻

  10. 従来のテキスト音声合成では、入力した文章の読みやアクセントを解析する処理と、その結果から音声の波形を作る処理を組み合わせる。

    ◯ 正しい 日本語では、漢字の読みやアクセントを決める処理が自然さを大きく左右します。そのうえで音響的な特徴を予測し、波形を作ります。 音声合成

  11. 波形接続型の音声合成は、統計モデルで推定した声のパラメータから波形を計算する方式で、録音した音声の断片は使わない。

    × 誤り 波形接続型は、録音した音声の断片を選んでつなぎ合わせる方式です。統計モデルでパラメータを推定するのは、統計的パラメトリック型です。 音声合成

  12. Tacotron 2は、文章からメルスペクトログラムを予測し、それをWaveNetを改良したボコーダで波形に変換する。

    ◯ 正しい 論文では、聞き手による自然さの評価(MOS)が4.53で、プロが録音した音声の4.58に迫ったと報告されています。 音声合成

  13. 正解が10単語の文に対し、認識結果に置換の誤りが1つ、削除が1つ、挿入が1つあったとき、単語誤り率(WER)は30%である。

    ◯ 正しい 単語誤り率は、置換・削除・挿入の数の合計を正解の単語数で割って求めます。`(1 + 1 + 1) ÷ 10 = 0.3`で30%です。挿入も誤りに数えるため、100%を超えることもあります。 音声認識

  14. End-to-End型の音声認識とは、音響モデル、発音辞書、言語モデルを別々に作り、それらを組み合わせて文字列を推定する方式のことである。

    × 誤り 部品を別々に作って組み合わせるのは従来の方式です。End-to-End型は、音声の特徴量から文字列までを1つのニューラルネットワークで直接学習します。 音声認識

  15. 日本語の音声認識の評価では、単語の区切りが文中に書かれず、区切り方が一通りに決まらないため、文字単位の文字誤り率(CER)がよく使われる。

    ◯ 正しい 単語誤り率で評価するには、形態素解析などで文を単語に区切る必要があり、区切り方の違いで値が変わります。文字単位なら、この影響を受けません。 音声認識

  16. 日本語のかな1文字は、どれも必ず1つの音素に対応する。

    × 誤り 「あ」は/a/の1つですが、「か」は子音の/k/と母音の/a/の2つの音素からなります。かなは、音素ではなく、おおむねモーラ(拍)という単位に対応します。 音素

  17. 音素は/ka/のようにスラッシュで囲み、実際の発音の細かな違いまで書き分けるときは[ka]のように角かっこで囲んで書くのが一般的である。

    ◯ 正しい スラッシュは意味の区別にもとづく音素の表記、角かっこは実際に発音された音(単音)の表記です。国際音声記号(IPA)を使うときの慣習です。 音素

  18. 従来の音声認識では、同じ音素でも前後の音によって音の特徴が変わることに対応するため、前後の音素の組み合わせごとに分けたトライフォンを音響モデルの単位に使うことがあった。

    ◯ 正しい 音素を前後の音素と組にして別々のモデルにすると、つながりによる音の変化をとらえられます。HMMを使う音声認識で広く使われた工夫です。 音素

  19. 隠れマルコフモデルで「隠れ」ているのは、直接は観測できない状態の系列であり、観測できるのは各状態から出力される値の系列である。

    ◯ 正しい 音声認識なら、観測できるのは音声から取り出した特徴量で、隠れた状態は発話中の音素などに対応します。 隠れマルコフモデル

  20. 隠れマルコフモデルは、エージェントが行動を選び、得られる報酬を最大にする方策を学習するための枠組みである。

    × 誤り これはマルコフ決定過程と強化学習の説明です。隠れマルコフモデルには行動も報酬もなく、観測の系列から隠れた状態を推定するのに使います。 隠れマルコフモデル

  21. 観測された系列から、最も確からしい隠れた状態の系列を効率よく求める方法として、ビタビアルゴリズムが使われる。

    ◯ 正しい 動的計画法により、すべての状態の並びを調べなくても最適な系列を求められます。 隠れマルコフモデル

  22. FFTは、計算を速くする代わりにDFTの結果を近似的に求める手法であり、得られる周波数成分はDFTの結果と一致しない。

    × 誤り FFTは、DFTと同じ計算を、重複を省いて効率よく行う手順です。コンピュータでの丸め誤差を除けば、結果はDFTと一致します。 高速フーリエ変換(FFT)

  23. N個の標本のDFTをそのまま計算すると約N×N回の掛け算が必要だが、FFTを使うと、N×log2 Nに比例する程度の回数まで減らせる。

    ◯ 正しい N = 1,024なら、`N × N`は`1,048,576`、`N × log2 N`は`1,024 × 10 = 10,240`で、約100分の1です。Nが大きいほど差は広がります。 高速フーリエ変換(FFT)

  24. 音声全体にFFTを1回かけるだけで、周波数成分が時間とともにどう変わるかも読み取れる。

    × 誤り 全体に1回かけると、全体を平均した周波数成分しか分かりません。時間の変化を見るには、短い区間ごとにFFTをかける短時間フーリエ変換を使います。 高速フーリエ変換(FFT)

  25. CTCで、フレームごとの出力が「c c - a a - - t」(-はブランク)のとき、最終的な出力は「cat」になる。

    ◯ 正しい まず連続する同じ記号を1つにまとめて「c - a - t」とし、次にブランクを取り除くと「cat」になります。 CTC

  26. CTCでは、各フレームの出力が、入力が与えられたもとで互いに独立であると仮定している。

    ◯ 正しい この仮定により計算は簡単になりますが、前後の文字のつながりはとらえにくくなります。そのため、単語のつながりを補う言語モデルと組み合わせることがよくあります。 CTC

  27. CTCは、出力する文字列が、入力された音声のフレーム数より長い場合にも使える。

    × 誤り CTCは、フレームごとに1つの記号を出力し、それをまとめて文字列を作ります。そのため、出力の長さは入力のフレーム数を超えられません。 CTC

  28. スペクトル包絡とは、母音のスペクトルに一定の間隔で並ぶ細かな山(倍音)の1つ1つのことである。

    × 誤り 等間隔に並ぶ細かな山は、声帯の振動による微細構造です。スペクトル包絡は、それらの山の頂点をなぞるようななめらかな外形を指します。 スペクトル包絡

  29. ケプストラム分析では、低い次数の成分に主にスペクトル包絡の情報が現れ、より高い次数の成分に声帯の振動による周期的な細かな構造の情報が現れる。

    ◯ 正しい 周波数の方向に見ると、包絡はゆっくり変わり、細かな凹凸は速く変わります。ケプストラムではこの違いで両者が分かれるため、低次の成分だけを残すと包絡を取り出せます。 スペクトル包絡

  30. 音声の分析合成システムのWORLDは、音声を基本周波数、スペクトル包絡、非周期性指標の3つに分けて推定し、それらから音声を合成する。

    ◯ 正しい 3つを別々に扱えるため、包絡を保ったまま基本周波数だけを変え、声質を変えずに声の高さを変えるといった加工ができます。 スペクトル包絡

  31. リニアPCMは、人に聞こえにくい成分を削ってデータ量を減らす非可逆圧縮の方式で、MP3と同じ仕組みである。

    × 誤り リニアPCMは、標本化と量子化をした値をそのまま記録する、圧縮していない形式です。聞こえにくい成分を削るのは、MP3やAACなどの非可逆圧縮です。 パルス符号変調器(PCM)

  32. 電話の音声の規格であるITU-T G.711のPCMでは、小さな振幅ほど細かく、大きな振幅ほど粗く量子化するA則やμ則という符号化則が使われる。

    ◯ 正しい 小さな音の誤差を抑えることで、1標本8ビットでも聞き取りやすい音を保ちます。段階を均等に区切るリニアPCMとは、この点が異なります。 パルス符号変調器(PCM)

  33. WaveNetは、μ則で変換した音声の値を256段階に量子化し、次の標本の値を256クラスの分類問題として予測する。

    ◯ 正しい 16ビットの値をそのまま扱うと、1標本ごとに65,536通りの確率を出力する必要があり、扱いにくくなるためです。論文では、μ則による非線形の量子化のほうが、均等な量子化より元の音をよく再現できたと述べています。 パルス符号変調器(PCM)

  34. 舌の位置を低くして口を大きく開ける母音ほど、第1フォルマントの周波数は高くなる傾向がある。

    ◯ 正しい 第1フォルマントは、口の開きの大きさとよく対応します。口を大きく開ける「ア」では高く、口をあまり開けない「イ」や「ウ」では低くなります。 フォルマント

  35. 同じ母音であれば、声道の長さが違う成人男性と子どもでも、フォルマント周波数はほぼ同じ値になる。

    × 誤り 共鳴の周波数は、声道が短いほど高くなります。そのため声道の短い子どもでは、同じ母音でもフォルマントが全体に高い位置に現れます。 フォルマント

  36. フォルマント合成は、フォルマントの周波数や帯域幅を指定し、共鳴の特性を表すフィルタに音源の信号を通して音声を作る方式である。

    ◯ 正しい ニューラルネットワーク以前の代表的な音声合成方式の1つです。計算量が少なくて済む一方、肉声に比べて機械的な音になりやすい方式でした。 フォルマント

  37. メル尺度では、1,000Hzの純音の高さを1,000メルと定め、ほかの音の高さは、人が感じる高さの比にもとづいて目盛っている。

    ◯ 正しい 1937年のスティーブンスらの研究で、1,000Hzの音を1,000メルとする基準が定められました。聞き手に「半分の高さ」に聞こえるよう音を調整させるなどして目盛りを作っています。 メル尺度

  38. メル尺度では、周波数が2倍になると、メルの値も必ずちょうど2倍になる。

    × 誤り よく使われる近似式では、1,000Hzは約1,000メル、2,000Hzは約1,521メルです。高い周波数ほど、同じ周波数の差に対するメルの増え方は小さくなります。 メル尺度

  39. メル尺度は、人が感じる音の大きさ(ラウドネス)を数値で表すための尺度である。

    × 誤り メル尺度が表すのは、音の大きさではなく音の高さの感じ方です。音の大きさの感じ方には、フォン(phon)やソーン(sone)という別の尺度が使われます。 メル尺度

  40. 音声認識では、各フレームのMFCCに加えて、その時間変化を表すΔ(デルタ)やΔΔの係数を特徴量に加えることが多い。

    ◯ 正しい MFCCは1つのフレームの形しか表しません。前後のフレームとの変化量を加えると、音が移り変わる様子もとらえられます。13個の係数にΔとΔΔを加えた39次元が代表的な構成です。 メル周波数ケプストラム係数(MFCC)

  41. ケプストラム(cepstrum)という名前は、スペクトル(spectrum)の綴りの一部を入れ替えて作られた造語である。

    ◯ 正しい 1963年にボガートらが名付けました。spectrumの先頭のspecを逆に並べてcepsとした語で、スペクトルの対数をさらに周波数分析するという処理の性質を表しています。 メル周波数ケプストラム係数(MFCC)

  42. MFCCは声の個人差をまったく含まないため、話者識別の特徴量としては使われない。

    × 誤り MFCCには、声道の長さや形による個人差も表れます。そのため話者識別でも、代表的な特徴量として長く使われてきました。 メル周波数ケプストラム係数(MFCC)

  43. 話者照合は、名乗った本人の声かどうかを登録済みの1人の声と比べて判定し、話者識別は、登録済みの複数の話者の中から該当する人を選ぶ。

    ◯ 正しい 照合は1対1、識別は1対多の判定です。電話窓口での本人確認は照合、会議の発言者の特定は識別の例です。 話者識別

  44. 話者ダイアライゼーションは、録音のどの区間を誰が話したかを推定する処理であり、参加者全員の声を事前に登録していないと使えない。

    × 誤り 声の特徴が似た区間をまとめれば、事前の登録がなくても「話者A」「話者B」のように区別できます。実名を付けたいときは、登録済みの声との照合を別に行います。 話者識別

  45. 録音した本人の声の再生や、音声合成・声質変換で作った声によるなりすましは、話者照合を使う本人確認の課題とされている。

    ◯ 正しい なりすましを見破る技術の研究が進んでいます。ASVspoof 2019では、合成・変換・再生された音声を集めた評価用のデータベースが公開されました。 話者識別

深層強化学習

60問 要点を読む
  1. RLHFでは、1つの入力に対するモデルの複数の応答を人間が比べて順位を付け、そのデータから報酬モデルを学習する。

    ◯ 正しい InstructGPTでは、この報酬モデルの点数が高くなるように、PPOでモデルを更新しました。応答どうしを比べさせると、絶対的な点数を付けさせるより判断をそろえやすくなります。 RLHF

  2. RLHFの強化学習の段階では、報酬モデルの点数を高めることだけが目標であり、元のモデルからどれだけ離れるかには制約をかけない。

    × 誤り 報酬モデルの弱点を突いた不自然な出力を防ぐため、教師ありファインチューニング後のモデルとのKL情報量で罰則をかけます。 RLHF

  3. RLHFは、人間が報酬関数を式として細かく設計し、学習が進みやすいように中間的な報酬を追加する手法である。

    × 誤り それは報酬成形の説明です。RLHFは、報酬を人が式で書くのではなく、人間の比較評価から報酬モデルとして学習します。 RLHF

  4. AlphaStarが対象としたStarCraft IIは、囲碁と同じく、互いの状況がすべて見えている完全情報ゲームである。

    × 誤り StarCraft IIでは、相手の陣地の様子は偵察しないと見えません。見えない部分を推測しながら判断する不完全情報ゲームで、この点が囲碁と大きく異なります。 アルファスター(AlphaStar)

  5. AlphaStarのリーグ学習では、自分の勝率を上げることではなく、主力のエージェントの弱点を見つけることを目的とするエージェントも学習させた。

    ◯ 正しい エクスプロイターと呼ばれます。主力のエージェントは、弱点を突かれるたびにそれを克服するように学ぶため、特定の戦略に偏りにくくなります。 アルファスター(AlphaStar)

  6. 2019年10月にNature誌で報告されたAlphaStarは、StarCraft IIの3つの種族すべてで、グランドマスターの水準に達した。

    ◯ 正しい プロトス、テラン、ザーグの3種族です。オンライン対戦の場であるBattle.netで匿名で対戦し、活動中のプレイヤーの99.8%より上位になりました。 アルファスター(AlphaStar)

  7. APE-Xでは、新しく集めた経験の最初の優先度を、学習器ではなく、その経験を集めたアクターの側で計算する。

    ◯ 正しい 従来の優先度付き経験再生のように新しい経験へ一律に最大の優先度を付けると、アクターが多い場合は直近の経験ばかり学ぶことになります。アクターは行動を選ぶためにQ値を手元で計算しているので、追加の負担なく優先度も求められます。 APE-X

  8. APE-Xでは、すべてのアクターが同じεの値のε-greedy方策で行動し、集める経験の条件をそろえている。

    × 誤り アクターごとにεの値を変えます。慎重に行動するアクターとよく探索するアクターの経験が混ざり、集まる経験が多様になります。 APE-X

  9. APE-Xの論文では、Atariのゲーム向けのDQN系の手法だけでなく、連続値の行動を扱う手法にも同じ枠組みを適用した。

    ◯ 正しい 連続値制御の課題向けに、DDPGをもとにしたApe-X DPGも示しました。行動と学習を分ける枠組みは、さまざまな学習の手法と組み合わせられます。 APE-X

  10. Agent57は、ゲームの得点に対する価値と内発的報酬に対する価値を、同じ構造の別々のネットワークで推定する。

    ◯ 正しい もとにしたNGUは2つを合わせた1つの価値として学習しており、報酬の大きさや頻度が大きく違うと学習が不安定になることがありました。分けて推定することで、学習が安定しました。 Agent57

  11. Agent57は、ゲームの得点だけを報酬として学習し、初めて見る状態に出会うこと自体には報酬を与えない。

    × 誤り もとにしたNGUと同じく、状態の新しさに応じた内発的報酬を得点に加えて学習します。報酬がなかなか得られない、探索の難しいゲームで行動の範囲を広げるためです。 Agent57

  12. Agent57が注目されたのは、57種類のゲームの平均スコアで、初めて人間の基準を上回ったからである。

    × 誤り 平均スコアでは、それ以前のR2D2やMuZeroもすでに人間の基準を大きく上回っており、論文の表ではMuZeroの平均はAgent57より高い値です。一方、両者が人間の基準を上回ったのは52種類と51種類のゲームまででした。57種類すべてで上回った点が新しい成果です。 Agent57

  13. A3Cの論文では、GPUを使わず1台のマルチコアCPUで学習させ、Atariのゲームで当時の最高水準を上回る成績を示した。

    ◯ 正しい 学習時間も、それまでの最高水準の手法の約半分でした。大きな計算資源がなくても、並列化によって効率よく学習できることを示しました。 A3C

  14. A3Cは、行動の種類が限られたゲームにしか適用できず、行動が連続値になる運動制御の課題には使えない。

    × 誤り 論文では、連続値の行動を扱う運動制御の課題や、画面の映像だけを手がかりに3次元の迷路を進む課題でも成果を示しました。方策を直接学ぶActor-Criticの構造なので、連続値の行動も出力できます。 A3C

  15. A3Cで使うアドバンテージは、数ステップ分の報酬とその先の状態価値から求めた収益が、今の状態の状態価値をどれだけ上回ったかを表す。

    ◯ 正しい アドバンテージが正なら、その行動は見込みより良い結果につながったことになります。方策は、その行動を選びやすくなる方向へ更新されます。 A3C

  16. OpenAI Fiveは、ゲーム画面の画素ではなく、ゲームから取り出したユニットの体力や位置などの数値を入力としてプレイした。

    ◯ 正しい 人間のプレイヤーが得られる情報を、1ステップあたり約1万6,000個の数値で表しました。画像の認識より戦略の判断に研究の焦点を絞るためで、すべての試合を画像に描き出すと計算量が膨大になるという事情もありました。 OpenAI Five

  17. OpenAI Fiveでは、5体のヒーローを、それぞれ別々に学習した5種類の異なるネットワークが操作した。

    × 誤り 同じ重みをもつ1つのネットワークの複製が、5体をそれぞれ操作しました。どのヒーローを操作しているかを示す入力があるため、複製ごとに違う行動をとれます。 OpenAI Five

  18. OpenAI Fiveの学習では、試合の勝敗だけを報酬とし、途中の出来事には一切報酬を与えなかった。

    × 誤り キャラクターが倒れたことや資源の獲得なども報酬に加える報酬成形を使いました。論文では、こうした追加の報酬が学習の成功に重要だったと述べています。 OpenAI Five

  19. オフライン強化学習に使う記録データは、学習する方策自身が集めたものである必要はなく、人間の操作や別の制御の仕組みで集めたものでもよい。

    ◯ 正しい データを集めたときの方策(行動方策)と、学習する方策は別のものとして扱います。診療記録や人間の運転ログのように、すでにある記録を生かせる点が利点です。 オフライン強化学習

  20. CQL(Conservative Q-Learning)は、方策の価値を実際より低めに見積もるようにQ関数を学ぶことで、オフライン強化学習で起きやすい価値の過大評価を防ぐ手法である。

    ◯ 正しい Conservativeは「控えめな」という意味です。通常の損失に、Q値を控えめに見積もらせる正則化の項を加えます。既存のQ学習やActor-Criticの実装に組み込みやすい手法です。 オフライン強化学習

  21. オフライン強化学習の「オフライン」は、データを1件ずつではなく、まとめて使って重みを更新するという意味である。

    × 誤り 環境と新たにやり取りせずに学ぶという意味です。データを1件ずつ使って重みを更新する最適化のオンライン学習とは、別の観点の言葉です。 オフライン強化学習

  22. 残差強化学習の「残差」は、ResNetと同じく、ニューラルネットワークの層の入力と出力の差を指す。

    × 誤り ここでの残差は、既存の制御器の出力だけでは足りない分の補正です。ResNetの残差学習はネットワーク構造の工夫で、名前は似ていても指すものが違います。 残差強化学習

  23. 残差強化学習の土台にする既存の制御器は、それだけで作業をほぼ完璧にこなせるものでなければならない。

    × 誤り 想定しているのは、おおむね動くが完全ではない制御器です。Silverらは、モデルの誤りや調整のずれがある制御器でも、学んだ補正で性能が大きく上がることを示しました。 残差強化学習

  24. 残差強化学習を使うと、報酬が疎で手順の長い作業のように、強化学習だけでは解けない課題も解けることがある。

    ◯ 正しい 既存の制御器が作業の大筋を進めるので、報酬にたどり着く機会が増えます。Silverらは、強化学習だけでは解けなかった課題を解けることを示しました。 残差強化学習

  25. OpenAIは2018年、実機では学習を行わず、シミュレータの中だけで学習した方策で、人の手に似たロボットハンドに物体の向きを変えさせた。

    ◯ 正しい 5本指のShadow Dexterous Handを使った研究です。摩擦の大きさや物体の見た目などをシミュレータでランダムに変えながら学習し、その方策を実機に移しました。 sim2real

  26. sim2realでは、シミュレータを現実に近づける工夫と、シミュレータの条件をあえてばらつかせる工夫は両立しないため、どちらか一方だけを使う。

    × 誤り 両方を組み合わせることもよくあります。Tanらの四足歩行ロボットの研究(2018年)では、モーターの特性や遅れをシミュレータで再現したうえで、物理的な条件のランダム化も加えました。 sim2real

  27. sim2realの手法には、シミュレータで作った画像を、GANを使って実際のカメラ画像に近い見た目に変換し、学習に使うものがある。

    ◯ 正しい ドメイン適応と呼ばれる方法です。Bousmalisらは、シミュレータのデータとドメイン適応を組み合わせ、物体をつかむ学習に必要な実機のデータを最大で50分の1に減らしました。 sim2real

  28. 状態表現学習の手法には、連続する2つの時点の観測から、その間にとった行動を推定する課題を解かせて、表現を学ぶものがある。

    ◯ 正しい 逆モデルと呼ばれる学び方です。行動を当てるには、行動によって変わった部分を表現に残す必要があります。そのため、背景の模様のような関係のない情報は落ちやすくなります。 状態表現学習

  29. 状態表現学習では、表現を学ぶときに報酬の情報を使うことはなく、観測の画像だけを手がかりにする。

    × 誤り 観測に加えて、とった行動や得られた報酬も手がかりにできます。報酬を予測させる課題を加えて、課題に関係する情報を表現に残す手法もあります。 状態表現学習

  30. World Modelsでは、画像を圧縮した表現とその時間変化を予測するモデルを学び、そこから得た特徴を入力にして、小さく単純な方策で課題を解いた。

    ◯ 正しい 表現の学習と方策の学習を分けた例です。方策が受け取るのは圧縮された特徴なので、方策そのものはごく小さくて済みます。 状態表現学習

  31. ダブルDQNの元になったダブルQ学習は、もともと表形式のQ学習で起きる過大評価を抑えるために提案された。

    ◯ 正しい 2010年にHado van Hasseltが提案しました。2つの価値の推定を用意し、一方で行動を選び、他方で評価します。ダブルDQNはこれをDQNに応用しました。 ダブルDQN

  32. ダブルDQNは、DQNとは別に新しいネットワークを2つ追加し、合計4つのネットワークを同時に学習する。

    × 誤り DQNがもともともつターゲットネットワークを評価役に使うので、新たなネットワークは不要です。DQNからの主な変更は目標値の計算式だけです。 ダブルDQN

  33. Q値の推定値に含まれる誤差が平均すると0であれば、最大値を選んで目標値を作っても、過大評価は起こらない。

    × 誤り 誤差が平均0でも、誤差で高めに出た値ほど最大値として選ばれやすいため、目標値は高めに偏ります。ダブルDQNはこの偏りを抑えます。 ダブルDQN

  34. 2015年のDQNの論文では、ゲームごとにネットワークの構造やハイパーパラメータを調整して、49種類のAtariのゲームを学習させた。

    × 誤り 49種類すべてで、同じ構造と同じハイパーパラメータを使いました。入力は画面の画素とスコアだけで、1つの方法で多くのゲームに対応できることを示した点が重要です。 DQN

  35. DQNのネットワークは、ゲーム画面を入力すると、取りうる行動ごとのQ値を一度にまとめて出力する。

    ◯ 正しい 1回の計算で全行動のQ値が得られるので、最大のQ値をもつ行動を選ぶだけで行動を決められます。 DQN

  36. DQNのターゲットネットワークは、学習中のネットワークと毎ステップ同じ重みになるように更新される。

    × 誤り 学習中のネットワークの重みを、一定のステップ数ごとにだけコピーします。目標値が更新のたびに動くのを防ぎ、学習を安定させるためです。 DQN

  37. デュエリングネットワークでは、畳み込み層で共通の特徴を取り出したあと、状態価値を出力する流れと、アドバンテージを出力する流れに分かれる。

    ◯ 正しい 2つの流れの出力を最後に組み合わせてQ値にします。出力はDQNと同じく行動ごとのQ値なので、DQNの学習方法をそのまま使えます。 デュエリングネットワーク

  38. デュエリングネットワークは、Q値の過大評価を抑えるために、行動の選択と価値の評価を別々のネットワークで行う手法である。

    × 誤り それはダブルDQNの説明です。デュエリングネットワークはネットワークの構造を変える改良で、ダブルDQNと組み合わせて使うこともできます。 デュエリングネットワーク

  39. 状態価値とアドバンテージを単純に足すだけでは、同じQ値に対する2つへの分け方が1通りに決まらないため、アドバンテージから平均を引くなどの工夫を加える。

    ◯ 正しい 状態価値に定数を足し、アドバンテージから同じ定数を引いても、Q値は変わりません。平均を引くことで分け方を定め、学習を安定させます。 デュエリングネットワーク

  40. Tobinらのドメインランダマイゼーションの研究では、写実的な画像ではなく、現実にはないランダムな模様をつけたシミュレータの画像だけで、物体の位置を推定するモデルを学習した。

    ◯ 正しい 実画像での事前学習も行っていません。見た目を大きくばらつかせたことで、現実の画像も変化の1つとして扱えるようになり、実機でも約1.5cmの精度で位置を推定できました。 ドメインランダマイゼーション

  41. ドメインランダマイゼーションでランダムに変える対象は、照明や色などの画像の見た目に限られ、質量や摩擦などの物理的な条件は変えない。

    × 誤り 物理的な条件も対象です。Pengらは、ロボットの各部の質量や関節の減衰、物体の摩擦、行動の間隔などをランダムに変えて、物を押す方策を学習しました。 ドメインランダマイゼーション

  42. OpenAIがロボットハンドでルービックキューブを操作した研究では、方策の上達に合わせて、ランダムに変える範囲を自動で広げる手法が使われた。

    ◯ 正しい 自動ドメインランダマイゼーション(ADR)と呼ばれます。最初から範囲を広げすぎると学習が難しくなるため、易しい環境から少しずつ難しくしていきます。 ドメインランダマイゼーション

  43. ノイジーネットワークでは、重みに加えるノイズの大きさを決めるパラメータも、ほかの重みと一緒に勾配を使って学習する。

    ◯ 正しい ノイズをどれだけ使うかが、学習を通じて自動的に調整されます。ε-greedy方策のように、εをどう減らしていくかを人が決める必要がありません。 ノイジーネットワーク

  44. ノイジーネットワークの論文では、DQNに組み込む際にもε-greedy方策を残し、2つの探索の仕組みを併用した。

    × 誤り DQNへの適用では、ε-greedy方策は使わず、ノイズの入ったQ値が最大の行動をそのまま選びます。探索は重みのノイズが担います。 ノイジーネットワーク

  45. ノイジーネットワークは、DQN系の手法だけでなく、方策を直接学ぶA3Cにも適用されている。

    ◯ 正しい A3Cでは、探索を促すために損失に加えていたエントロピーの項を外し、その代わりに使いました。方策を表すネットワークの全結合層にノイズを加えます。 ノイジーネットワーク

  46. PPOでは、目的関数の中で、更新後と更新前の方策が同じ行動を選ぶ確率の比を、1を中心とした一定の範囲にクリップする。

    ◯ 正しい 論文のロボット制御の実験では、εを0.1、0.2、0.3で比べ、範囲を0.8〜1.2とするε=0.2が最もよい結果でした。比が範囲の外に出ても目的関数はそれ以上よくならないため、方策を大きく動かす動機がなくなります。 PPO

  47. PPOは、TRPOよりも方策の変化の制約を厳密に計算するため、実装は複雑になるが学習が安定する。

    × 誤り 逆です。PPOは、TRPOに近い安定性を保ちながら、勾配だけを使う簡単な計算で済むように工夫した手法です。実装しやすさが、広く使われる理由の1つです。 PPO

  48. PPOでは、環境から集めた同じデータを使って、ミニバッチによる更新を複数エポック繰り返す。

    ◯ 正しい 通常の方策勾配法では、集めたデータ1つにつき1回しか更新しません。PPOは方策の変化を抑えるので、同じデータで何度も更新でき、データを効率よく使えます。 PPO

  49. 状態ごとに決めた値(ポテンシャル)Φを使い、途中の報酬を「割引率×移動先のΦ − 移動元のΦ」の形で与える報酬成形では、元の課題での最適な方策は変わらない。

    ◯ 正しい Ngらが1999年に示した結果で、ポテンシャルにもとづく報酬成形と呼ばれます。この形に当てはまらない途中の報酬は、課題によっては最適な方策を変えてしまいます。 報酬成形

  50. 報酬成形は、人間がモデルの応答どうしを比べた評価データから報酬モデルを学習し、その点数を報酬として使う手法である。

    × 誤り これはRLHFの説明です。報酬成形は、設計者が課題についての知識をもとに報酬の与え方を工夫する方法で、報酬を人間の比較評価から学ぶものではありません。 報酬成形

  51. 途中の報酬の与え方を誤ると、エージェントが本来の目的の達成よりも、途中の報酬を稼ぐことを優先する行動を学ぶことがある。

    ◯ 正しい 設計者の意図と違う形で報酬を最大化してしまうことを、報酬ハッキングと呼びます。途中の報酬は、本来の目的とずれていないかを確かめながら設計します。 報酬成形

  52. 集中学習・分散実行の考え方では、学習中はほかのエージェントの情報も使えるが、実行時には各エージェントが自分の観測だけをもとに行動を決める。

    ◯ 正しい 学習の段階では追加の情報を使って学習を進めやすくし、実行の段階では各エージェントが自分の観測だけで動けるようにする考え方です。MADDPGなどの手法で使われています。 マルチエージェント強化学習(MARL)

  53. 全エージェントが同じ報酬を共有する協調型の設定であれば、各エージェントが独立に学習しても、ほかのエージェントの方策の変化に影響されることはない。

    × 誤り 協調型でも、味方のエージェントは学習によって方策を変えていきます。そのため、各エージェントから見た環境は変化し続け、非定常性の問題は残ります。 マルチエージェント強化学習(MARL)

  54. マルチエージェント強化学習では、経験再生のために蓄えた過去の経験が、ほかのエージェントの方策が変わった後では、現在の状況を正しく表さなくなることがある。

    ◯ 正しい 同じ状態で同じ行動をとっても、相手の方策が変われば結果が変わるためです。DQNの学習を安定させた経験再生を、そのままでは使いにくい理由になります。 マルチエージェント強化学習(MARL)

  55. Rainbowを構成する改良には、優先度付き経験再生とマルチステップ学習が含まれる。

    ◯ 正しい このほか、ダブルDQN、デュエリングネットワーク、分布型強化学習、ノイジーネットワークがあり、合計6つです。 Rainbow

  56. Rainbowは、多数の環境で並列に経験を集める分散学習の仕組みを中心に据えた手法である。

    × 誤り 並列に経験を集めるのはA3CやAPE-Xなどの特徴です。Rainbowは、1つのエージェントの中でDQNの6つの改良を組み合わせた手法です。 Rainbow

  57. Rainbowの論文で要素を1つずつ取り除いて比べた分析では、優先度付き経験再生とマルチステップ学習を除いたときの性能低下が特に大きかった。

    ◯ 正しい 一方、デュエリングネットワークやダブルDQNを除いたときの差は、全体としては小さいものでした。 Rainbow

  58. 自動運転で、ハンドルを切る角度やアクセルを踏み込む量を決める課題は、連続値制御の例である。

    ◯ 正しい 角度や踏み込み量は、いくらでも細かく選べる実数の値です。ロボットの関節に加える力の大きさも、同じく連続値制御の例です。 連続値制御

  59. Atariのゲームのように、コントローラーの決まった数の操作から1つを選ぶ課題は、連続値制御の代表例である。

    × 誤り 選択肢が有限個の課題は、離散的な行動の課題です。DQNはこの種の課題で成果を上げました。連続値制御は、行動を実数の値で決める課題を指します。 連続値制御

  60. DDPGのActorのネットワークは、状態を受け取ると、行動を確率分布からサンプリングするのではなく、1つの行動を決定的に出力する。

    ◯ 正しい 決定的方策勾配法にもとづく手法だからです。探索のときは、出力した行動に雑音を加えて、少し違う行動を試します。 連続値制御

データ生成

33問 要点を読む
  1. 音声生成には、文章から話し声を作る音声合成のほか、話す内容を保ったまま声を別の人の声に変える声質変換や、音楽の生成も含まれる。

    ◯ 正しい 入力が文章か音声か、出力が話し声か音楽かによって呼び方が変わりますが、どれも新しい音声データを作る技術です。 音声生成

  2. VALL-Eは、音声をニューラル音声コーデックで離散的なトークンに変換し、そのトークン列を言語モデルとして予測することで音声を合成する。

    ◯ 正しい 文章と約3秒の録音を手がかりに、その話者に似た声の音声を作れると報告されました。文章生成と同じ考え方を音声に応用した例です。 音声生成

  3. 現在の音声生成のモデルが作った音声は、人が聞けば必ず合成音声だと判別できる。

    × 誤り 529人が参加した聞き取り実験では、合成音声を正しく見分けられた割合は73%にとどまりました。声のなりすましによる詐欺などへの対策が課題です。 音声生成

  4. 画像生成には、条件を与えずに学習データに似た画像を作る方法と、文章やクラスのラベル、別の画像などを条件として与え、それに合う画像を作る方法がある。

    ◯ 正しい 前者を条件なし生成、後者を条件付き生成と呼びます。Text-To-Imageや、画像から画像への変換は、条件付き生成の例です。 画像生成

  5. Stable Diffusionのもとになった潜在拡散モデルは、画素の空間ではなく、オートエンコーダで圧縮した潜在空間で拡散と復元を行い、計算量を減らしている。

    ◯ 正しい 画素の空間で拡散モデルを学習すると、膨大な計算が必要です。圧縮した潜在空間で処理することで、限られた計算資源でも高解像度の画像を扱えるようにしました。 画像生成

  6. 画像生成モデルの評価に使われるFIDは、値が大きいほど、生成した画像の分布が本物の画像の分布に近いことを示す。

    × 誤り FIDは、本物の画像と生成画像の特徴量の分布の距離を表します。値が小さいほど2つの分布が近く、質の高い生成とみなされます。 画像生成

  7. GANの学習が理論上の最適な状態に達すると、識別器はどの入力に対しても、本物である確率を1/2と出力する。

    ◯ 正しい このとき生成器は訓練データの分布を再現しており、本物と偽物の区別がつきません。元の論文で、ミニマックスゲームの解として示された性質です。 GAN

  8. 学習を終えたGANで新しい画像を作るときは、識別器にランダムなノイズを入力して画像を出力させる。

    × 誤り 画像を作るのは生成器です。ノイズを生成器に入力して画像を得ます。識別器は、主に学習の段階で生成器を鍛えるために使います。 GAN

  9. GANの生成器が、識別器をだましやすい似たようなデータばかり作るようになり、多様性が失われる現象をモード崩壊という。

    ◯ 正しい GANの学習の代表的な課題です。画質が高くても種類が偏ることがあるため、生成データの多様性も確かめる必要があります。 GAN

  10. CycleGANは、領域Xから領域Yへ変換する生成器と、YからXへ戻す生成器の2つを学習し、それぞれの変換先に対応する識別器も用いる。

    ◯ 正しい 生成器2つと識別器2つの、合計4つのネットワークを学習します。戻す方向の生成器は、循環一貫性損失の計算に欠かせません。 CycleGAN

  11. CycleGANの循環一貫性損失は、変換後の画像が変換先の領域の本物らしく見えるかどうかを、識別器の判定によって測る損失である。

    × 誤り それは識別器を使う敵対的な損失の役割です。循環一貫性損失は、変換した画像を元の領域へ戻したとき、入力画像とどれだけ一致するかを測ります。 CycleGAN

  12. CycleGANは色や質感を変える変換は得意だが、犬を猫に変えるような、形を大きく変える変換は苦手である。

    ◯ 正しい 著者らも限界として挙げています。犬から猫への変換では、入力をほとんど変えない結果になりがちだと報告されています。 CycleGAN

  13. DCGANの識別器では、プーリング層の代わりにストライド付きの畳み込みを使い、画像を縮める方法もネットワークに学習させる。

    ◯ 正しい 生成器では逆に、転置畳み込み(論文の表現ではfractional-strided convolution)で画像を広げます。 DCGAN

  14. DCGANの構造の指針では、生成器と識別器のどちらも、隠れ層の活性化関数にシグモイド関数を使う。

    × 誤り 生成器は出力層以外でReLU関数、出力層でtanh関数を使います。識別器はすべての層でLeaky ReLU関数を使います。 DCGAN

  15. DCGANの生成器に入力する潜在ベクトルどうしで足し引きをすると、「眼鏡をかけている」のような画像の特徴を、狙って加えたり除いたりできることが示された。

    ◯ 正しい 単語の分散表現で見られる、ベクトルの足し引きで意味の関係を表せる性質が、画像の潜在空間でも見られることを示しました。 DCGAN

  16. DDPMのネットワークは、ノイズの入った画像と、それが何ステップ目かの情報を受け取り、加えられたノイズを推定するように学習する。

    ◯ 正しい 元の画像を直接当てるのではなく、加わったノイズを推定して差し引きます。ステップの番号も入力するため、1つのネットワークですべての段階のノイズ除去を担えます。 Diffusion Model

  17. Stable Diffusionのもとになった潜在拡散モデルは、画像をオートエンコーダで圧縮した潜在空間で拡散と逆拡散を行い、計算量を減らした。

    ◯ 正しい 高解像度の画素の上で直接ノイズ除去を繰り返すと計算が重くなります。小さな潜在表現の上で処理し、最後にデコーダで画像に戻します。 Diffusion Model

  18. 拡散モデルで文章から画像を作る場合、文章の情報は、ノイズ除去を繰り返す過程の最後の1ステップでだけネットワークに与えられる。

    × 誤り 文章の情報は条件として、ノイズ除去の各ステップでネットワークに与えられます。潜在拡散モデルでは、クロスアテンションで取り込みます。 Diffusion Model

  19. NeRFで1つの場面を表すネットワークは、画像認識で広く使われる畳み込み層を重ねたCNNである。

    × 誤り 畳み込み層を使わない、全結合層だけの多層パーセプトロンです。画像全体ではなく、空間内の1点の座標を入力として受け取るためです。 NeRF

  20. NeRFのネットワークでは、密度は位置だけから求め、色は位置と見る方向の両方から求める。

    ◯ 正しい 色が見る方向で変わるので、光沢や反射を表せます。密度を位置だけで決めるのは、どの角度から見ても形が食い違わないようにするためです。 NeRF

  21. NeRFでは、座標をそのまま入力する代わりに、周波数の異なるsinとcosの値に変換してから入力し、細かな模様を表しやすくしている。

    ◯ 正しい 位置エンコーディングと呼ばれる工夫です。論文の実験では、これを外すと細部の再現が大きく劣りました。 NeRF

  22. Pix2Pixの識別器は、画像全体を1つの単位として判定するのではなく、画像を小さな領域(パッチ)ごとに本物らしいかどうか判定する。

    ◯ 正しい PatchGANと呼ばれる識別器です。局所的な質感の本物らしさを見るので細部のぼやけを抑えやすく、パラメータも少なくて済みます。 Pix2Pix

  23. Pix2Pixで敵対的な損失にL1損失を加えるのは、同じ入力から毎回まったく異なる画像を作り、出力の多様性を高めるためである。

    × 誤り L1損失は、出力を正解画像に近づけ、大まかな形や色を合わせるために加えます。細部の鮮明さは敵対的な損失が担います。 Pix2Pix

  24. Pix2Pixは、白黒写真のカラー化や、線画から写真風の画像を作る変換など、入力と出力の組が明確な複数のタスクに、同じ枠組みで対応できる。

    ◯ 正しい タスクごとに損失関数を設計し直さなくても、ペアのデータを替えるだけで学習できる汎用性が特徴です。 Pix2Pix

  25. 貪欲法は各時点で最も確率の高い単語を選ぶため、文章全体として最も確率の高い文が必ず得られる。

    × 誤り 最初に確率の高い単語を選んでも、その後に続く単語の確率が低ければ、文全体の確率は低くなります。複数の候補を残すビームサーチは、この弱点を和らげる方法です。 文章生成

  26. GPTのような自己回帰型の言語モデルは、それまでに生成したトークンを文脈に加えながら、次のトークンの予測を1つずつ繰り返して文章を作る。

    ◯ 正しい 1つ選ぶたびに文脈が伸び、次の予測に使われます。文の終わりを表す記号が出るか、決めた長さの上限に達するまで繰り返します。 文章生成

  27. top-pサンプリングでは、確率の高い順に単語を並べ、確率の合計が初めてp以上になるまでの単語を候補とし、その中から確率に応じて次の単語を選ぶ。

    ◯ 正しい 候補の数が文脈に応じて変わるのが特徴です。確率の低い単語を候補から外すため、まとまりを保ちながら多様な文章を作れます。 文章生成

  28. 2021年に発表されたDhariwalとNicholの論文は、ImageNetの画像生成で、拡散モデルが当時の最高水準のGANを上回る画質を得たと報告した。

    ◯ 正しい 論文の題名も「Diffusion Models Beat GANs on Image Synthesis」です。比較の相手は当時最高水準のBigGAN-deepで、拡散モデルのほうがデータの分布もよくカバーしたと報告しています。 GANと拡散モデル(Diffusion Model)の違い

  29. 生成されるデータの種類が一部に偏るモード崩壊は、GANよりも拡散モデルで起こりやすい課題として知られている。

    × 誤り モード崩壊は、生成器と識別器を競わせるGANの代表的な課題です。拡散モデルは、データの分布を広くカバーしやすいとされます。 GANと拡散モデル(Diffusion Model)の違い

  30. 元の論文で提案されたPix2PixとCycleGANは、ノイズを段階的に取り除く拡散モデルの仕組みを使って、画像を別の種類の画像に変換する。

    × 誤り どちらもGANの派生モデルです。Pix2Pixは条件付きのGANで、CycleGANは敵対的な損失に循環一貫性損失を加えたGANで、画像を変換します。 GANと拡散モデル(Diffusion Model)の違い

  31. VAEの損失に含まれるKL情報量の項は、エンコーダが出力する分布を標準正規分布に近づけ、潜在空間を整える働きをする。

    ◯ 正しい もう1つの項である再構成誤差が、入力の再現を担います。KL情報量の項があるため、標準正規分布から取り出した値をデコーダに通したときに、意味のあるデータになりやすくなります。 GANとVAEの違い

  32. 2014年に提案された元のGANでは、生成器は訓練データの画像を入力として受け取り、それを少し変形して偽物を作る。

    × 誤り 生成器が受け取るのはランダムなノイズです。訓練データを直接見るのは識別器で、生成器は識別器から返る誤差を通して、間接的に本物らしさを学びます。 GANとVAEの違い

  33. 基本的な構成のVAEとGANは、学習を終えた後に新しいデータを作るとき、ランダムに取り出した値をネットワークに入力して生成する。

    ◯ 正しい VAEは標準正規分布から取り出した潜在変数をデコーダに、GANはノイズを生成器に入力します。どちらも、生成のときに訓練データは必要ありません。 GANとVAEの違い

転移学習・ファインチューニング

30問 要点を読む
  1. BERTが事前学習で行う、文中の一部の単語を隠して元の単語を当てるタスクは、自己教師あり学習の一例である。

    ◯ 正しい 正解は隠す前の文章そのものにあるため、人手でラベルを付ける必要がありません。 自己教師あり学習

  2. 自己教師あり学習で解かせる穴埋めなどのプレテキストタスクは、その正答率を高めること自体が最終的な目的である。

    × 誤り プレテキストタスクは表現を学ぶための手段です。得られたモデルを、分類などの下流タスクへファインチューニングなどで生かすことが目的です。 自己教師あり学習

  3. SimCLRのような対照学習では、同じ画像から別々のデータ拡張で作った2枚の画像の表現を近づけ、ほかの画像の表現とは遠ざけるように学習する。

    ◯ 正しい どの2枚が同じ画像から作られたかは自動でわかるため、ラベルなしで学習できます。どのデータ拡張を組み合わせるかが性能を大きく左右します。 自己教師あり学習

  4. BERTは、大量の文章で事前学習した重みが公開され、利用者がそれを各タスクに合わせて調整して使う、事前学習済みモデルの代表例である。

    ◯ 正しい BERTの論文は、事前学習したモデルに出力層を1つ加えて微調整するだけで、多くの言語タスクの精度を高められることを示しました。 事前学習済みモデル

  5. 自然言語処理の事前学習済みモデルは、人手でラベルを付けた大量の文章がなければ作ることができない。

    × 誤り BERTやGPTは、文中の隠した単語や次の単語を予測する自己教師あり学習で事前学習します。正解は文章自体から作るため、人手のラベルは要りません。 事前学習済みモデル

  6. 公開されている事前学習済みモデルは、ライセンスや学習データの偏りを確認しなくても、どのような用途にも自由に使える。

    × 誤り モデルごとに利用条件が定められ、商用利用を制限するものもあります。学習データの偏りは、そのままモデルに引き継がれることにも注意が必要です。 事前学習済みモデル

  7. 対照学習で負例の表現を遠ざけるのは、すべての入力を同じ表現に写してしまう状態を防ぐためである。

    ◯ 正しい 正例を近づけるだけなら、どの入力にも同じベクトルを出せば損失が小さくなります。この崩壊と呼ばれる状態を、負例を遠ざけることで防ぎます。 対照学習

  8. 対照学習では、正例と負例を決めるために、すべてのデータに人手でクラスラベルを付ける必要がある。

    × 誤り 自己教師ありの対照学習では、同じデータから作った2つの見え方や、対応する画像と文章の組を正例とします。組の関係はデータから自動でわかるため、人手のラベルは要りません。 対照学習

  9. Triplet Lossは、基準となるデータと正例の距離が、基準となるデータと負例の距離よりも一定の幅以上小さくなるように学習する損失関数である。

    ◯ 正しい アンカー(基準)・正例・負例の3つ組で学習するため、この名前があります。顔認証のFaceNetなどで使われ、対照学習と同じく距離の関係を学びます。 対照学習

  10. 狭い意味の転移学習では、事前学習済みモデルの重みを固定し、付け替えた出力層などの新しい部分だけを学習する。

    ◯ 正しい 日本語の解説でよく使われる区別です。事前学習済みの層の重みまで更新する方法は、ファインチューニングと呼んで区別します。 転移学習

  11. 転移学習は、元のタスクと目的のタスクがまったく無関係でも、関係が深い場合と同じように効果が得られる。

    × 誤り 元のタスクと目的のタスクが似ているほど、学習した特徴を生かしやすくなります。かけ離れていると、かえって性能が下がる負の転移が起きることがあります。 転移学習

  12. ImageNetで学習したCNNの入力に近い層は、エッジや色の変化など、多くの画像に共通する特徴をとらえていることが多い。

    ◯ 正しい 入力に近い層ほど汎用的で、出力に近い層ほどタスクに固有の特徴を表します。学習済みの層を別のタスクに流用できるのは、このためです。 転移学習

  13. 破滅的忘却は、学習済みのモデルに新しいタスクを学習させたとき、以前のタスクに重要だった重みが上書きされることで起こる。

    ◯ 正しい 知識は多数の重みに分散して蓄えられています。新しいタスク向けに同じ重みを更新すると、古いタスクの性能が崩れます。 破滅的忘却

  14. EWCは、以前のタスクにとって重要な重みほど変化しにくくなるように罰則を加え、破滅的忘却を抑える手法である。

    ◯ 正しい ネットワークを凍結するのではなく、重みごとに重要度を見積もり、重要な重みの学習だけを選んで遅くします。 破滅的忘却

  15. 新しいデータに古いデータの一部を混ぜて学習するリハーサルは、破滅的忘却をかえって悪化させるため避けるべきである。

    × 誤り リハーサル(リプレイ)は代表的な対策です。古いタスクの例を学習に含め続けることで、古いタスクの性能を保ちやすくなります。 破滅的忘却

  16. 疑似ラベルを使う方法では、ラベル付きデータで学習したモデルの予測のうち確信度の高いものを、ラベルなしデータの仮の正解として学習に加える。

    ◯ 正しい 自己訓練とも呼ばれる代表的な方法です。誤った疑似ラベルを学習すると誤りが強まるため、確信度のしきい値などで選別します。 半教師あり学習

  17. 半教師あり学習では、ラベルなしデータを加えれば、データの分布や性質にかかわらず、必ず精度が向上する。

    × 誤り ラベルなしデータの分布がラベル付きデータと大きく異なる場合や、疑似ラベルの誤りが多い場合は、かえって精度が下がることがあります。 半教師あり学習

  18. 一貫性正則化は、同じラベルなしの入力にノイズやデータ拡張を加えても、モデルの予測が変わらないように学習する考え方である。

    ◯ 正しい 正解ラベルがなくても、予測がぶれないことを手がかりに学習できます。FixMatchは、疑似ラベルとこの考え方を組み合わせた方法です。 半教師あり学習

  19. ファインチューニングでは、事前学習で得た重みを初期値として使い、目的のタスクのデータで重みを更新する。

    ◯ 正しい ランダムな初期値から学習するのではなく、汎用的な特徴をすでに身につけた重みから出発する点が要点です。 ファインチューニング

  20. ファインチューニングは、事前学習に使ったデータと同じ規模のラベル付きデータを、目的のタスクでも用意できる場合にしか効果がない。

    × 誤り 事前学習で汎用的な特徴を獲得済みなので、目的のタスクのデータが少量でも高い精度を得やすくなります。これが最大の利点です。 ファインチューニング

  21. 大規模言語モデルでは、指示と模範的な応答の組を使った教師ありのファインチューニングを、RLHFの前段階として行うことがある。

    ◯ 正しい InstructGPTなどで用いられた流れです。まず模範的な応答をまねるように調整し、その後に人の評価をもとにした強化学習を行います。 ファインチューニング

  22. 画像認識のFew-shot学習の評価で使われる「5-way 5-shot」という課題では、5つのクラスについて、クラスごとに5個の例を与える。

    ◯ 正しい N-way K-shotのNはクラスの数、Kは1クラスあたりの例の数です。「5-way 1-shot」なら、5クラスについて各1個の例だけを与えます。 Few-shot学習

  23. Few-shot学習では、事前学習などで得た知識を使わず、与えられた数個の例だけでモデルをゼロから学習する。

    × 誤り 数個の例だけでゼロから学習しても、過学習してうまく汎化しません。事前学習やメタ学習で得た汎用的な知識があるからこそ、少ない例で対応できます。 Few-shot学習

  24. メタ学習の手法であるMAMLは、新しいタスクの少数の例で数回だけ勾配を更新すれば適応できるような、重みの初期値を学習する。

    ◯ 正しい 多数の小さなタスクで学習を繰り返し、どのタスクにもすばやく合わせられる出発点を探します。学び方そのものを学ぶメタ学習の代表例です。 Few-shot学習

  25. シャムネットワークを使うOne-shot学習では、2枚の画像が同じクラスかどうかを判定する類似度を学習し、新しい画像を各クラス1枚ずつの例と比べて、最も似ているクラスに分類する。

    ◯ 正しい 2015年の研究では、手書き文字の画像で類似度を学習しました。学習時に見ていない文字の種類も、各1枚の例との比較で分類できます。 One-shot学習

  26. One-shot学習では、新しいクラスを追加するたびに、そのクラスの1枚の例を使ってネットワーク全体を学習し直す必要がある。

    × 誤り 類似度や照合の仕方を学習したネットワークなら、新しいクラスの例を1枚登録して比べるだけで済みます。学習し直さずに済む点が利点です。 One-shot学習

  27. シャムネットワークでは、比較する2枚の画像を、重みの異なる2つのCNNでそれぞれベクトルに変換する。

    × 誤り 2つのCNNは重みを共有します。2枚を同じ変換でベクトルにするので、ベクトルどうしの距離を類似度として比べられます。 One-shot学習

  28. 狭い意味の転移学習では事前学習済みの層の重みを更新しないため、目的の課題の正解ラベル付きデータは1件も必要ない。

    × 誤り 重みを固定しても、付け替えた出力層は目的の課題に合わせて学習する必要があり、そのための正解ラベル付きデータが要ります。利点は、必要な量が少なくて済むことです。 転移学習とファインチューニングの違い

  29. ファインチューニングでは事前学習済みの層をすべて更新する必要があり、入力に近い層を固定したまま出力に近い層だけを調整することはできない。

    × 誤り 入力に近い層は多くの課題に共通する特徴を表すため、そこを固定し、課題に固有の特徴を表す出力に近い層だけを調整するやり方もよく使われます。 転移学習とファインチューニングの違い

  30. 目的の課題のデータが極端に少ないときにモデル全体をファインチューニングすると、出力層だけを学習する場合より過学習しやすくなることがある。

    ◯ 正しい 更新するパラメータが多いほど、少ないデータの細かい癖まで覚え込みやすくなります。データが少ないときは、出力層だけを学習する方法と比べて選びます。 転移学習とファインチューニングの違い

マルチモーダル

33問 要点を読む
  1. Show and Tellと呼ばれる初期の代表的なモデルは、CNNで画像を特徴ベクトルに変換し、その特徴をもとにLSTMが単語を1つずつ生成して説明文を作る。

    ◯ 正しい 機械翻訳のエンコーダ・デコーダの考え方を応用し、文を読み取るRNNの代わりに、CNNで画像を読み取ります。 Image Captioning

  2. 注意機構を取り入れたImage Captioningのモデルでは、単語を1つ生成するたびに、画像のどの領域に注目するかを変えられる。

    ◯ 正しい Show, Attend and Tell(2015年)の手法です。単語ごとの注目領域を可視化でき、モデルの振る舞いを確かめる手がかりにもなります。 Image Captioning

  3. Image Captioningの出力は、あらかじめ決めたクラスの中から1つを選んだラベルであり、文章は生成しない。

    × 誤り 決めたクラスから1つを選ぶのは画像分類です。Image Captioningは、単語を並べた自由な文章を生成します。 Image Captioning

  4. 基盤モデルという呼び方は、2021年にスタンフォード大学の研究者らが発表した報告書で提唱された。

    ◯ 正しい 報告書は、BERT、DALL-E、GPT-3などを例に挙げました。多くの応用の土台となる一方で、不完全さも併せもつことを強調するための名前だと説明しています。 基盤モデル

  5. 基盤モデルは、文章だけを扱う大規模言語モデルを指す言葉であり、画像や音声を扱うモデルは含まれない。

    × 誤り 基盤モデルは、扱うデータの種類を限定しない呼び方です。画像と文章を扱うCLIPや、画像を生成するDALL-Eなども例に挙げられます。 基盤モデル

  6. 多くのアプリケーションが同じ基盤モデルを利用すると、その基盤モデルの偏りや欠陥が、派生したモデルやサービスにまとめて引き継がれるおそれがある。

    ◯ 正しい 報告書は、多くのモデルが同じ基盤に集約される均質化の利点と危うさを指摘しています。基盤の欠陥は、適応したすべてのモデルに影響します。 基盤モデル

  7. CLIPは、画像と文章のペアについて、対応する組の埋め込みの類似度を高め、対応しない組の類似度を低くする対照学習で事前学習される。

    ◯ 正しい ミニバッチ内のすべての画像と文章の組み合わせで類似度を計算し、正しい組だけを近づけます。約4億組のペアで学習しました。 CLIP

  8. CLIPの画像エンコーダは、ImageNetの1000クラスの正解ラベルを使った教師あり学習で訓練されている。

    × 誤り CLIPは、クラスラベルではなく、インターネットから集めた画像と文章のペアで学習します。文章が教師の役割を果たします。 CLIP

  9. CLIPは、入力された文章から新しい画像を生成するモデルである。

    × 誤り CLIPは画像と文章がどれだけ対応するかを測るモデルで、画像は生成しません。ただし、DALL-E 2などの画像生成モデルの部品として使われます。 CLIP

  10. Zero-shotでは、解きたいタスクの入力と正解の例を1つだけ示してから、モデルに推論させる。

    × 誤り 例を1つだけ示すのはOne-shotです。Zero-shotでは例を1つも示さず、タスクの説明やクラス名だけを与えます。 Zero-shot

  11. 大規模言語モデルに「次の文を英語に翻訳してください」という指示だけを与え、翻訳の例を示さずに訳させる使い方は、Zero-shotにあたる。

    ◯ 正しい GPT-3の論文でも、タスクの説明だけを与えて例を示さない設定をZero-shotと呼んでいます。モデルの重みは更新しません。 Zero-shot

  12. 属性を使うZero-shot学習では、「縞模様がある」「4本足」のような属性を介して、学習時に画像を見ていないクラスを識別する。

    ◯ 正しい 見たことのある動物の画像で属性の判定を学び、未知のクラスは属性の組み合わせで記述します。初期の代表的な方法です。 Zero-shot

  13. 初代のDALL-Eは、文章のトークンと、画像を離散化したトークンを1つの系列として並べ、Transformerで順に予測して画像を生成する。

    ◯ 正しい 画像はまず離散VAE(dVAE)で32×32個のトークンに圧縮されます。文章に続けて画像のトークンを1つずつ予測する自己回帰型のモデルです。 DALL-E

  14. DALL-E 2は、敵対的生成ネットワーク(GAN)の生成器と識別器を競わせて画像を生成するモデルである。

    × 誤り DALL-E 2は、文章からCLIPの画像埋め込みを予測し、その埋め込みをもとに拡散モデルで画像を生成します。GANの仕組みは使っていません。 DALL-E

  15. DALL-E 3の開発では、学習データの画像に、内容を詳しく説明する文章を自動で付け直すことで、プロンプトへの忠実さを高めた。

    ◯ 正しい プロンプトに従いにくい原因は、学習データの説明文にノイズや不正確さが多いことにあると考え、専用のキャプション生成モデルで説明文を作り直しました。 DALL-E

  16. 2016年に発表された初期のText-To-Imageの研究では、文章の特徴を条件として与えた敵対的生成ネットワーク(GAN)で、鳥や花の画像を生成した。

    ◯ 正しい Reedらの研究です。文章を特徴ベクトルに変換し、生成器と識別器の両方に条件として与えました。鳥や花の詳しい説明文から、それらしい画像を生成できることを示しました。 Text-To-Image

  17. Text-To-Imageのモデルは、同じプロンプトを入力すれば、どの場合でもまったく同じ1枚の画像を出力する。

    × 誤り 多くのモデルは、ランダムなノイズから生成を始めます。乱数の種(シード)を変えると、同じプロンプトでも異なる画像ができます。 Text-To-Image

  18. Text-To-Imageのモデルの学習には、画像と、その内容を説明する文章を組にした大量のデータが使われる。

    ◯ 正しい 文章と画像の対応を学ぶためです。学習データの画像の権利や、説明文の質と偏りが、生成結果や法的な論点に影響します。 Text-To-Image

  19. VQAのデータセットでは、画像を見なくても質問文の言い回しだけで答えを当てられる偏りが問題になり、同じ質問で答えが変わる似た画像を組にして偏りを減らしたデータセットが作られた。

    ◯ 正しい VQA v2.0です。偏りの大きいデータでは、画像を理解していないモデルでも正解率が高く出てしまい、能力を過大に評価するおそれがあります。 Visual Question Answering

  20. VQAで扱う質問は、写っている物の名前を尋ねるものに限られ、数や色、位置関係を尋ねることはできない。

    × 誤り VQAの質問は自由な文章です。「何人いるか」「何色か」「左にあるのは何か」など、さまざまな問いを扱います。 Visual Question Answering

  21. 初期のVQAのモデルには、データセットでよく出る答えを候補として用意し、その中から1つを選ぶ分類問題として解くものが多かった。

    ◯ 正しい 2015年の論文のモデルでは、よく出る1,000個の答えを候補にしました。現在は、答えを文章として生成する視覚言語モデルも使われます。 Visual Question Answering

  22. Flamingoは、文章を入力として、その内容に合う画像を生成するText-To-Imageのモデルである。

    × 誤り Flamingoの出力は文章です。画像や動画は入力として読み取るだけで、生成はしません。文章から画像を作るのはDALL-Eなどです。 Flamingo

  23. Flamingoでは、画像エンコーダが出力する数の定まらない特徴を、Perceiver Resamplerと呼ぶ部品で一定の数のトークンにまとめてから、言語モデル側に渡す。

    ◯ 正しい 画像の大きさや動画のフレーム数によらず、64個のトークンにまとめます。文章側から画像を参照する計算量を抑えるための工夫です。 Flamingo

  24. Flamingoの学習には、Webページから画像と文章をページ内の並び順のまま取り出した、画像と文章が交互に並ぶデータが使われた。

    ◯ 正しい M3Wと呼ぶ、約4,300万ページ分のデータです。論文の実験では、このデータを学習から外すと性能が大きく下がりました。 Flamingo

  25. ハードパラメータ共有と呼ばれる方式では、複数のタスクで入力に近い層を共有し、出力に近い層だけをタスクごとに分ける。

    ◯ 正しい ニューラルネットワークのマルチタスク学習で最もよく使われる方式です。共有した層が、複数のタスクに通じる特徴を学びます。 マルチタスク学習

  26. マルチタスク学習とは、1つのタスクで学習を終えたモデルを、次のタスクのデータで順番に学習し直していく手法である。

    × 誤り 先に学んだ知識を後のタスクに移すのは、転移学習やファインチューニングです。マルチタスク学習は、複数のタスクを同時に学習します。 マルチタスク学習

  27. 性能を高めたいタスクが1つだけの場合でも、関連する別のタスクを補助として一緒に学習させるマルチタスク学習の使い方がある。

    ◯ 正しい 一緒に学ぶ別のタスクを補助タスクと呼びます。補助タスクの教師信号が手がかりとなり、共有部分が主なタスクにも役立つ特徴を学びます。 マルチタスク学習

  28. Unified-IOでは、深度推定のように画像の形で答えるタスクのために、画素ごとの値を出力する専用の層をタスクごとに付けている。

    × 誤り 画像の出力もトークン列として生成します。VQ-GANのコードの列を出力し、それをVQ-GANのデコーダで画像に戻すため、タスク専用の出力層はもちません。 Unified-IO

  29. Unified-IOでは、どのタスクを実行するかを、自然言語で書いた指示を入力に含めることで伝える。

    ◯ 正しい たとえば深度推定では「この画像の深度マップは何か」のような指示を与えます。VQAのように、質問文そのものがタスクを表す場合は指示を省きます。 Unified-IO

  30. Unified-IOが学習するタスクには、画像を使わず、文章だけを入力と出力とする自然言語処理のタスクも含まれる。

    ◯ 正しい GLUEやSuperGLUEに含まれる文章分類などです。文章も画像も同じトークン列で表すため、1つのモデルでまとめて学習できます。 Unified-IO

  31. Zero-shotとは、モデルが事前学習の段階も含めて一度もデータを見ていない状態で、推論させることを指す。

    × 誤り Zero-shotの「ゼロ」は、解きたいタスクの例の数です。モデルは事前学習で幅広い知識を得ており、その知識と指示やクラス名を手がかりに推論します。 Zero-shotとFew-shotの違い

  32. 大規模言語モデルにFew-shotで例を示すとき、同じ例を使っても、並べる順番を変えるだけで精度が大きく変わることがある。

    ◯ 正しい GPT-3などを使った実験で、例の選び方やプロンプトの形式に加え、例の順番によっても、精度が当て推量に近い水準から最高水準に近い水準まで変わりうると報告されています(Zhaoら、2021年)。 Zero-shotとFew-shotの違い

  33. ラベル付きの例をまったく用意できない新しい分類タスクでも、Zero-shotであれば試すことができる。

    ◯ 正しい Zero-shotではクラス名や指示などの説明だけを与えるため、例を集める前でも使えます。精度が足りなければ、数個の例を用意してFew-shotを試します。 Zero-shotとFew-shotの違い

モデルの解釈性

18問 要点を読む
  1. Grad-CAMは、注目するクラスのスコアを最後の畳み込み層の特徴マップで微分した勾配から、各特徴マップの重要度を求める。

    ◯ 正しい 勾配を特徴マップ全体で平均して重要度とし、それで重み付けした特徴マップの和にReLU関数をかけてヒートマップを作ります。 Grad-CAM

  2. Grad-CAMのヒートマップは、最後の畳み込み層の特徴マップから作るため、画素単位の細かい模様までは表しにくい。

    ◯ 正しい 特徴マップは入力画像より小さいため、拡大して重ねると粗い表示になります。細部まで見たいときはGuided Grad-CAMを使います。 Grad-CAM

  3. Grad-CAMは、モデルの種類を問わず、決定木や勾配ブースティングの判断根拠も同じ方法で可視化できる。

    × 誤り Grad-CAMは畳み込み層の特徴マップと勾配を使うため、主にCNNが対象です。モデルの種類を問わない手法には、LIMEやSHAPがあります。 Grad-CAM

  4. ある1件について、全特徴量のSHAP値を合計し、基準値(データ全体での平均的な予測値)に足すと、その1件の予測値に一致する。

    ◯ 正しい SHAPは、予測値と基準値の差を各特徴量に配分します。配分の合計が差にぴったり一致するため、説明に過不足が生じません。 SHAP

  5. SHAPで1件の予測を説明するには、そのデータの正解ラベルが必要である。

    × 誤り SHAPが分け合うのは、モデルの予測値です。正解ラベルは使わないため、結果がまだわからない新しいデータの予測も説明できます。予測の当たり外れを使うPermutation Importanceとの違いです。 SHAP

  6. 多数のデータについてSHAP値の絶対値を平均すると、モデル全体でどの特徴量が予測に大きく効いているかの目安になる。

    ◯ 正しい SHAPは1件ごとの説明が基本ですが、集計すれば大域的な重要度としても使えます。各データのSHAP値を並べた図では、影響の向きも確認できます。 SHAP

  7. 決定木や線形回帰のように、構造そのものから判断の過程を読み取りやすいモデルを選ぶことも、説明可能性を高める方法の1つである。

    ◯ 正しい XAIには、もともと解釈しやすいモデルを選ぶ方法と、複雑なモデルに後から説明を付ける方法があります。精度とのバランスを考えて選びます。 説明可能AI(XAI)

  8. XAIは、モデルの予測精度を高めることを主な目的とした技術であり、説明の分かりやすさは副次的なものである。

    × 誤り XAIの主な目的は、判断の根拠を人が理解し、適切に信頼したり誤りに気づいたりできるようにすることです。説明を付けても精度が上がるとは限りません。 説明可能AI(XAI)

  9. 米国のDARPAは、高い予測性能を保ちながら、人が理解し適切に信頼できるAIを目指して、XAIの研究プログラムを実施した。

    ◯ 正しい XAIという言葉が広まるきっかけの1つとなったプログラムです。説明可能なモデルと、説明を人に伝えるインターフェースの両方を研究しました。 説明可能AI(XAI)

  10. Permutation Importanceは、学習済みモデルに並べ替えたデータを入力して性能を測り直すだけなので、特徴量ごとにモデルを学習し直す必要はない。

    ◯ 正しい 特徴量を1つずつ取り除いて学習し直す方法との違いです。再学習が要らないため、計算の手間を抑えられます。 Permutation Importance

  11. Permutation Importanceで重要度が高く出た特徴量は、目的変数を変化させる原因であると結論づけられる。

    × 誤り わかるのは、そのモデルが予測にその特徴量をどれだけ頼っているかです。原因と結果の関係までは示しません。モデルが疑似相関をとらえている場合もあります。 Permutation Importance

  12. 学習データで重要度を計算すると、過学習したモデルでは、未知のデータの予測には役立たない特徴量の重要度が高く出ることがある。

    ◯ 正しい 学習データの偶然のくせを覚えた特徴量も、学習データの上では性能を支えて見えます。汎化性能への寄与を見るには、検証データやテストデータで計算します。 Permutation Importance

  13. LIMEは、モデル内部の勾配を使って説明を作るため、勾配を計算できない決定木やランダムフォレストには使えない。

    × 誤り LIMEはモデルを外から何度も呼び出し、入力を変えたときの予測の変化だけを手がかりにします。内部の構造を問わないため、ランダムフォレストなどにも使えます。 LIME

  14. LIMEで画像の判断根拠を調べるときは、似た色の画素をまとめた小領域(スーパーピクセル)を単位に、一部を隠した画像を多数作って予測の変化を調べることが多い。

    ◯ 正しい 画素1つずつでは数が多すぎるため、まとまった領域を単位にします。隠すと予測が大きく下がる領域が、判断に効いた部分として示されます。 LIME

  15. 文章を分類するモデルにLIMEを使うと、単語をいくつか取り除いた文を多数作って予測の変化を調べ、判断に効いた単語を示せる。

    ◯ 正しい 文章では、単語があるかないかを入力の変え方に使います。取り除くと予測が大きく変わる単語ほど、その予測に強く効いていたと読み取れます。 LIME

  16. SHAPの論文では、LIMEも、各特徴量の効果を足し合わせて予測を説明する手法の1つとして整理されている。

    ◯ 正しい 論文は、LIMEを含む既存の6つの手法を「特徴量ごとの寄与の足し算で説明する手法」という1つの枠組みにまとめました。そのうえで、望ましい性質を満たす配分はシャープレイ値だけだと示しています。 LIMEとSHAPの違い

  17. LIMEで得た各特徴量の係数を合計すると、必ずその1件の予測値と平均的な予測値の差に一致する。

    × 誤り LIMEは近さの重み付けなどを経験的に決めるため、合計が差に一致する保証はありません。合計が必ず差に一致するのは、シャープレイ値にもとづくSHAPの性質です。 LIMEとSHAPの違い

  18. Kernel SHAPは、LIMEと同じく重み付きの線形回帰で局所的な説明を求める方法で、重み付けなどをシャープレイ値が得られる形に定めている。

    ◯ 正しい SHAPの論文は、LIMEの回帰の枠組みのまま、重み付けのカーネルや損失などを特定の形にすればシャープレイ値を推定できることを示しました。モデルの種類を問わずに使えます。 LIMEとSHAPの違い

モデルの軽量化

21問 要点を読む
  1. エッジAIでは、モデルの学習はクラウドなどの大きな計算資源で行い、学習済みのモデルを端末に配布して、推論を端末で行う構成が多い。

    ◯ 正しい 学習には大量のデータと計算が必要で、端末で行うのは多くの場合困難です。端末では、配布されたモデルで推論だけを行うのが一般的です。 エッジAI

  2. エッジAIの端末は、インターネットにつながっていない間は推論を行えない。

    × 誤り 推論に使うモデルは端末の中にあるため、通信が途切れても動き続けられます。電波の届きにくい設備や、走行中の車などで使える点も利点です。 エッジAI

  3. スマートフォンなどには、ニューラルネットワークの推論を少ない電力で行うための専用の演算回路を搭載したものがある。

    ◯ 正しい NPUなどと呼ばれる回路です。モデル圧縮によるソフトウェア側の工夫に加え、ハードウェア側でもエッジでの推論を支えています。 エッジAI

  4. 蒸留では、教師モデルが出力するクラスごとの確率の分布をソフトターゲットとして使い、生徒モデルに学習させる。

    ◯ 正しい ソフトターゲットには、正解以外のクラスとどれだけ似ているかという情報が含まれます。生徒はこれを手がかりに効率よく学べます。 蒸留

  5. 蒸留でソフトマックス関数の温度Tを大きくすると、出力の確率分布が1つのクラスに集中し、ワンホットベクトルに近づく。

    × 誤り 温度を上げると分布はなめらかになります。Tを小さくするほど1つのクラスに集中します。蒸留ではTを上げて、小さな確率の差を見えやすくします。 蒸留

  6. 蒸留は、学習済みモデルの重みのうち影響の小さいものを取り除き、元のモデルそのものを小さくする手法である。

    × 誤り それはプルーニングの説明です。蒸留は、教師モデルを手本にして、別の小さな生徒モデルを新しく学習させます。 蒸留

  7. 元の論文の方法では、当たりくじを見つけるために、まず大きなネットワークを学習させ、その結果をもとに刈り込む重みを決めていた。

    ◯ 正しい 学習後の重みの絶対値を見て、小さいものを刈り込みます。そのため、当たりくじを探すだけでは、大きなネットワークを学習する手間は省けません。 宝くじ仮説

  8. 宝くじ仮説の当たりくじは、元のネットワークより重みが少ない分、同じ精度に達するまでにより多くの学習回数を必要とすると報告された。

    × 誤り 論文では、当たりくじは元と同程度の学習回数で同程度の精度に達しました。刈り込みすぎなければ、元より速く学習が進むことも報告されています。 宝くじ仮説

  9. 宝くじという名前は、多数の部分ネットワークのうち、たまたま学習に適した初期値を引き当てたものを、当たりくじにたとえたことに由来する。

    ◯ 正しい 大きなネットワークほど多くのくじを持ち、当たりを含みやすくなります。大きなネットワークが学習しやすい理由を説明する見方の1つでもあります。 宝くじ仮説

  10. 重みを1つずつ0にする非構造的なプルーニングでは、パラメータ数が大きく減っても、0の多い行列の計算に向いた仕組みがないと、推論は思ったほど速くならないことがある。

    ◯ 正しい 0が飛び飛びに残るだけでは、行列の形は変わりません。通常の計算では0との掛け算も行うため、速くするには疎な行列に向いたライブラリやハードウェアが必要です。 プルーニング

  11. ニューラルネットワークのプルーニングは、ゲーム木の探索で調べる必要のない手を省くαβ法の枝刈りと同じ手法であり、元の結果を変えずに計算だけを減らす。

    × 誤り どちらも枝刈りと呼ばれますが、別物です。αβ法は結果を変えずに探索を省きます。プルーニングはモデルの重みを削るため出力がわずかに変わることがあり、再学習で補います。 プルーニング

  12. どの重みを取り除くかの基準として、学習後の重みの絶対値が小さいものから取り除く方法が広く使われている。

    ◯ 正しい 絶対値が小さい重みは、出力への影響が小さいとみなせるためです。初期の研究では、誤差の2階微分を使って影響を見積もる方法も提案されました。 プルーニング

  13. モデル圧縮の手法は、どれか1つを選んで使うものであり、プルーニングと量子化を同じモデルに組み合わせることはできない。

    × 誤り 組み合わせて使えます。たとえばDeep Compressionは、プルーニング、量子化、ハフマン符号化を順に組み合わせ、精度を落とさずにデータ量を大きく減らしました。 モデル圧縮

  14. モデル圧縮は、エッジ端末に載せるためだけでなく、クラウドで多数の利用者に推論結果を返すときの計算コストや電力を減らす目的でも使われる。

    ◯ 正しい 推論は利用のたびに発生します。そのため、1回あたりの計算を減らす効果は、利用者が多いほど大きくなります。 モデル圧縮

  15. モデル圧縮で精度がどの程度変わるかは、手法や圧縮の度合いによって異なるため、圧縮後のモデルも改めて評価する必要がある。

    ◯ 正しい ほとんど変わらない場合もあれば、大きく下がる場合もあります。用途で許される精度を満たすかを、圧縮後のモデルで確かめます。 モデル圧縮

  16. 量子化には、学習を終えたモデルをそのまま変換する方法のほかに、量子化による誤差を見込んで学習の段階から調整する方法がある。

    ◯ 正しい 前者を学習後量子化、後者を量子化を考慮した学習と呼びます。後者は手間がかかる分、少ないビット数でも精度を保ちやすくなります。 量子化

  17. 量子化は、層やニューロンの数を減らすことで、モデルのパラメータ数を少なくする手法である。

    × 誤り 量子化では、パラメータの数は変わりません。1つ1つの値を表すビット数を減らします。重みや結合そのものを取り除くのはプルーニングです。 量子化

  18. A-D変換の量子化も、モデル圧縮の量子化も、細かな値を、あらかじめ決めた限られた段階のうち近い値に丸めるという点では共通している。

    ◯ 正しい A-D変換では音の振幅を、モデル圧縮では重みなどの値を丸めます。どちらも段階を粗くするほどデータ量は減り、誤差は大きくなります。 量子化

  19. 蒸留では、生徒モデルの構造を教師モデルと同じにする必要はなく、層の数を減らした小さなモデルを生徒にできる。

    ◯ 正しい 生徒は教師の出力を手本に新しく学習するため、構造を自由に決められます。BERTを蒸留したDistilBERTも、層の数を減らした生徒モデルです。 プルーニング・量子化と蒸留の違い

  20. プルーニングで重みの一部を取り除いたモデルは、構造が変わっているため、続けて量子化することはできない。

    × 誤り 2015年に発表されたDeep Compressionは、プルーニングの後に量子化とハフマン符号化を行い、AlexNetの保存容量を約35分の1にしました。手法は組み合わせられます。 プルーニング・量子化と蒸留の違い

  21. 蒸留で得た生徒モデルは、教師モデルと同じ数のパラメータを持ち、1つ1つの値を表すビット数だけが少なくなっている。

    × 誤り パラメータの数を変えずにビット数を減らすのは量子化です。蒸留の生徒モデルは、教師の出力を手本に新しく学習させた別のモデルで、層の数を減らすなどして教師より小さく設計するのが普通です。 プルーニング・量子化と蒸留の違い

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