1行定義
LIMEとは、説明したい1件の予測の周辺だけで、複雑なモデルの振る舞いを線形モデルなどの単純なモデルで近似し、判断に効いた特徴量を示す手法のことです。
くわしく
LIMEは、2016年にRibeiroらが発表した説明可能AI(XAI)の手法です。名前は「Local Interpretable Model-agnostic Explanations」の頭文字で、「局所的で、解釈しやすく、モデルを問わない説明」を意味します。
考え方
複雑なモデルの判断の境目は、全体としては曲がりくねっています。しかし、ある1点のごく近くだけを見れば、ほぼ直線とみなせます。LIMEはこの性質を利用し、説明したい1件の周辺だけを、人が読み取れる単純なモデルで近似します。
手順
- 説明したい1件の入力を少しずつ変えたデータを多数作ります。表形式のデータなら特徴量の値を変え、文章なら単語を取り除き、画像ならスーパーピクセル(似た色の画素のまとまり)を隠します。
- 作ったデータを説明対象のモデルに入力し、予測を集めます。
- 元の1件に近いデータほど重みを大きくして、線形モデルなどの単純なモデルを当てはめます。
- 単純なモデルの係数を、各特徴量が予測をどちら向きにどれだけ動かしたかの説明として示します。
モデルを外から呼び出すだけなので、ニューラルネットワークにも、決定木を組み合わせたモデルにも使えます。
何に役立つか
論文では、背景に雪があればオオカミ、なければハスキー犬と判定する分類器をわざと作りました。雪が手がかりだと気づいた参加者は、説明を見る前は27人中12人、LIMEの説明を見た後は25人でした。精度だけでは見えない弱点の発見に役立ちます。
他の手法との違い
LIMEの説明は、その1件の周辺でだけ成り立ちます。データ全体での特徴量の重要度を知りたいときは、Permutation Importanceなどの大域的な手法を使います。SHAPも1件ごとの説明を作りますが、シャープレイ値という理論的な裏付けを持つ点が異なります。
覚え方
「足元だけ見れば、曲がった道もまっすぐ」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
1件の予測を説明する局所的な手法であること、入力を少しずつ変えたデータと単純なモデルで近似する仕組み、モデルの種類を問わない点、SHAPやPermutation Importanceとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| LIMEこのページの用語 | 説明したい1件の予測の周辺だけで、複雑なモデルの振る舞いを線形モデルなどの単純なモデルで近似し、判断に効いた特徴量を示す手法 |
| SHAP | 協力ゲーム理論のシャープレイ値を使い、1件の予測値と平均的な予測値との差を、各特徴量の貢献度として公平に分け合う説明手法 |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
LIMEは、モデル内部の勾配を使って説明を作るため、勾配を計算できない決定木やランダムフォレストには使えない。
答えを見る
答え × 誤り
LIMEはモデルを外から何度も呼び出し、入力を変えたときの予測の変化だけを手がかりにします。内部の構造を問わないため、ランダムフォレストなどにも使えます。
-
LIMEで画像の判断根拠を調べるときは、似た色の画素をまとめた小領域(スーパーピクセル)を単位に、一部を隠した画像を多数作って予測の変化を調べることが多い。
答えを見る
答え ◯ 正しい
画素1つずつでは数が多すぎるため、まとまった領域を単位にします。隠すと予測が大きく下がる領域が、判断に効いた部分として示されます。
-
文章を分類するモデルにLIMEを使うと、単語をいくつか取り除いた文を多数作って予測の変化を調べ、判断に効いた単語を示せる。
答えを見る
答え ◯ 正しい
文章では、単語があるかないかを入力の変え方に使います。取り除くと予測が大きく変わる単語ほど、その予測に強く効いていたと読み取れます。