1行定義
Pix2Pixとは、変換前の画像を条件として与える条件付きGANを使い、対応するペア画像から、画像を別の見た目の画像へ変換する方法を学習するモデルのことです。
くわしく
Pix2Pixは、2016年にカリフォルニア大学バークレー校のPhillip Isolaらが発表した、画像から画像への変換を学習するモデルです。論文の題名にある「画像から画像への変換(Image-to-Image Translation)」を扱い、ある画像を別の見た目の画像に変換します。
条件付きGANで変換を学ぶ
通常のGANは、ランダムなノイズから画像を作ります。Pix2Pixは、変換前の画像を条件として生成器に与え、変換後の画像を出力させる条件付きGANです。識別器には「変換前の画像と変換後の画像の組」を見せ、本物の組か、生成器が作った組かを判定させます。
学習には、変換前と変換後が1対1で対応したペア画像が必要です。たとえば、白黒写真とそのカラー写真、領域ごとに色分けしたラベル画像と実際の写真、航空写真と地図などです。
3つの工夫
- U-Net型の生成器:エンコーダとデコーダの対応する層をスキップ結合でつなぎます。輪郭の位置など、入力と出力で共通する細かい情報をそのまま受け渡せます。
- PatchGAN:識別器は、画像全体ではなく、小さな領域(パッチ)ごとに本物らしさを判定します。細部の質感を重視でき、計算も軽くなります。
- L1損失との併用:出力と正解画像の差(L1損失)を、敵対的な損失に加えます。L1損失だけでは画像がぼやけますが、敵対的な損失と組み合わせることで、全体の形が正しく、細部も鮮明な画像になります。
CycleGANとの違い
Pix2Pixの弱点は、ペア画像をそろえる手間です。同じ研究グループが翌年に発表したCycleGANは、ペアのない2つの画像の集合から変換を学べるようにしました。正確なペアが手に入るならPix2Pix、手に入らないならCycleGAN、と使い分けます。
覚え方
「ペアで学ぶPix2Pix、ペアなしで回るCycleGAN」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
ペア画像で学習する条件付きGANである点、U-Net型の生成器とPatchGANの識別器、L1損失との組み合わせ、ペア画像が不要なCycleGANとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Pix2Pixこのページの用語 | 変換前の画像を条件として与える条件付きGANを使い、対応するペア画像から、画像を別の見た目の画像へ変換する方法を学習するモデル |
| CycleGAN | 対応するペア画像を使わずに、2つの画像の集合の間で行きと帰りの変換を同時に学習し、画像を別の領域の見た目へ変換するGAN |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Pix2Pixの識別器は、画像全体を1つの単位として判定するのではなく、画像を小さな領域(パッチ)ごとに本物らしいかどうか判定する。
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答え ◯ 正しい
PatchGANと呼ばれる識別器です。局所的な質感の本物らしさを見るので細部のぼやけを抑えやすく、パラメータも少なくて済みます。
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Pix2Pixで敵対的な損失にL1損失を加えるのは、同じ入力から毎回まったく異なる画像を作り、出力の多様性を高めるためである。
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答え × 誤り
L1損失は、出力を正解画像に近づけ、大まかな形や色を合わせるために加えます。細部の鮮明さは敵対的な損失が担います。
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Pix2Pixは、白黒写真のカラー化や、線画から写真風の画像を作る変換など、入力と出力の組が明確な複数のタスクに、同じ枠組みで対応できる。
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答え ◯ 正しい
タスクごとに損失関数を設計し直さなくても、ペアのデータを替えるだけで学習できる汎用性が特徴です。