◯×一問一答・第1章
G検定「人工知能とは」一問一答(58問)
AIの定義やAI効果、フレーム問題・中国語の部屋といった基本の論点を扱います。説明文が正しいか誤りかを、◯か×で答えます。
- 58問
- 用語20語から
- 間違えた問題だけ解き直し
収録している問題
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人工知能の定義
要点を読むAI効果により、実用化されて広く使われるようになった技術ほど、AIと呼ばれにくくなる傾向がある。
◯ 正しい 仕組みがわかって身近になると「決まった計算をしているだけ」とみなされ、AIの例として挙げられにくくなります。 AI効果
AI効果とは、企業がAIを導入したことで生産性が導入前より向上する経済的な効果のことである。
× 誤り AI効果は経済効果ではありません。実現した技術を知能とみなさなくなる、人々の受け止め方の変化を指します。 AI効果
強化学習では、エージェントが環境の状態を観測して行動を選び、その結果として環境から報酬と次の状態を受け取る。
◯ 正しい この繰り返しの中で、将来にわたる報酬の合計が大きくなる行動の選び方(方策)を学ぶのが強化学習です。 エージェント
強化学習のエージェントは、行動の直後に得られる報酬だけを最大にするように学習する。
× 誤り 目先の報酬ではなく、割引率で重み付けした将来の報酬の合計を最大にするよう学びます。直後の報酬が小さくても、後で大きな報酬につながる行動を選べます。 エージェント
AI事業者ガイドライン(第1.2版)は、AIエージェントを、特定の目標を達成するために環境を感知し自律的に行動するAIシステムとしている。
◯ 正しい 高度な自律性をもつものだけでなく、ある程度の自律性をもつものも含むとしています。知覚と行動に注目する古典的なエージェントの考え方と共通しています。 エージェント
強化学習では、正解のラベルの代わりに、行動の結果として得られる報酬を手がかりに、よい行動の選び方を学ぶ。
◯ 正しい 教師あり学習は正解付きのデータから、教師なし学習は正解のないデータの構造から学びます。強化学習は、試行錯誤で得る報酬を使う点が異なります。 機械学習
機械学習のモデルは、学習に使ったデータに対する精度が高いほど、未知のデータに対しても必ず高い精度を示す。
× 誤り 学習データに合わせすぎると、未知のデータで精度が落ちる過学習が起きます。未知のデータでの性能(汎化性能)は、学習に使っていないデータで確かめます。 機械学習
迷惑メールかどうかの正解が付いた過去のメールから、新しいメールが迷惑メールかを判定するモデルを作るのは、教師あり学習の分類問題に当たる。
◯ 正しい 正解のラベルを予測するのが教師あり学習です。予測する値がカテゴリなら分類問題、数値なら回帰問題と呼びます。 機械学習
第1次AIブームでは探索・推論、第2次AIブームでは知識表現とエキスパートシステム、第3次AIブームでは機械学習とディープラーニングが、それぞれ研究の中心になった。
◯ 正しい 第1次は1950年代後半から1960年代、第2次は1980年代、第3次は2000年代以降です。時期と中心の技術を組にして押さえます。 人工知能
人工知能の研究では、1956年のダートマス会議以降、研究への期待と資金が途切れることなく増え続けてきた。
× 誤り 第1次・第2次のブームのあとには、期待した成果が出ずに研究が停滞する冬の時代が訪れました。ブームと冬の時代を繰り返してきたのが実際の歴史です。 人工知能
人工知能は、モーターやセンサーなどの物理的な身体をもつ機械を指す言葉であり、身体をもたないソフトウェアは人工知能に含まれない。
× 誤り 身体をもって物理的な世界で動く機械はロボットです。人工知能は判断を担う部分を指し、翻訳ソフトやチャットボットのように、身体のないソフトウェアとしても働きます。 人工知能
2012年のILSVRCでは、ディープラーニングを使ったチームが、従来の手法を使ったチームに比べて誤り率を大きく下げて優勝した。
◯ 正しい トロント大学のチームのAlexNetが、上位5位までに正解が入らない誤り率で約15%を記録し、2位の約26%を大きく引き離しました。 ディープラーニング
ディープラーニングは、層の数が多いほど、少ないデータでも過学習を起こさずに高い精度が得られる。
× 誤り 層を深くするとパラメータが増え、データが少ないと過学習しやすくなります。大量のデータに加え、正則化やデータ拡張、事前学習済みモデルの利用が重要です。 ディープラーニング
ディープラーニングのモデルは内部の計算が複雑なため、なぜその予測になったのかを人が理解しにくいという課題がある。
◯ 正しい ブラックボックス問題と呼ばれます。Grad-CAMやSHAPなど、判断の根拠を可視化・説明する説明可能AI(XAI)の手法が研究されています。 ディープラーニング
機械学習のうち、ニューラルネットワークを使う手法は、層の数にかかわらずすべてディープラーニングに当たる。
× 誤り 隠れ層をもたない単純パーセプトロンもニューラルネットワークですが、層を深く重ねていないため、ディープラーニングとは呼びません。ディープラーニングは、多層のニューラルネットワークを使う手法です。 機械学習とディープラーニングの違い
表形式の構造化データでは、勾配ブースティングなどディープラーニング以外の手法のほうが、ディープラーニングより高い精度を示すことがある。
◯ 正しい 45種の表形式データで比べた2022年の研究では、学習データが約1万件の中規模の設定で、XGBoostやランダムフォレストなど決定木を基にした手法がニューラルネットワークを上回りました。ディープラーニングが常に上位互換というわけではありません。 機械学習とディープラーニングの違い
ディープラーニングは特徴量を学習の中で獲得できるため、どのようなデータを集め、どう前処理するかを人が考える必要はない。
× 誤り 自動で獲得できるのは、入力から予測に役立つ特徴を取り出す部分です。どのデータを集め、正解ラベルをどう付け、入力の形をどう整えるかは人が決め、その良しあしが精度を大きく左右します。 機械学習とディープラーニングの違い
人工知能分野で議論される問題
要点を読むカーツワイルは、技術の進歩は指数関数的に加速するという収穫加速の法則をもとに、シンギュラリティの到来を予測した。
◯ 正しい 2005年の著書で、この考え方をもとにシンギュラリティが2045年ごろに訪れると予測しました。 シンギュラリティ
シンギュラリティが訪れる時期については、AI研究者の間でおおむね合意ができている。
× 誤り シンギュラリティは予測であり、確かめられた法則ではありません。時期や、そもそも起きるかについて、見方は大きく分かれています。 シンギュラリティ
I・J・グッドは1965年に、人間より賢い機械ができれば、その機械がさらに賢い機械を設計し、知能の爆発が起きうると論じた。
◯ 正しい この「知能の爆発」の考え方が、後のシンギュラリティの議論の土台になりました。 シンギュラリティ
身体性を重視する立場では、知能は頭脳にあたる計算の部分だけで決まるのではなく、身体の形や動き方、環境とのやり取りからも生まれると考える。
◯ 正しい たとえば、モーターや制御装置をもたずに、緩い坂を安定して歩き下りる受動歩行ロボットがあります。体のつくりそのものが、ふるまいの一部を担う例です。 身体性
ロドニー・ブルックスは、外界を詳しく表す内部モデルを先に作り、そのモデルの上で計画を立ててから動くロボットこそが、身体性を生かした設計だと主張した。
× 誤り ブルックスは逆に、詳しい内部モデルに頼る方法を批判しました。センサーの入力に直接反応する単純な行動を層のように重ねる、サブサンプション・アーキテクチャを提案しました。 身体性
身体性は、記号を実世界の対象や経験とどう結び付けるかというシンボルグラウンディング問題に対する、答え方の1つとして論じられている。
◯ 正しい 身体で外界を感じ、働きかける経験があってはじめて記号が意味をもつ、と考えるためです。身体性そのものは問題の名前ではなく、考え方の名前です。 身体性
シンボルグラウンディング問題は、スティーブン・ハルナッドが1990年の論文で名付けて論じた。
◯ 正しい 論文「The Symbol Grounding Problem」で、記号の意味をどう記号の外に結び付けるかを論じました。 シンボルグラウンディング問題
ハルナッドは、記号の意味をほかの記号だけでたどる状況を、中国語の辞書だけで中国語を学ぼうとすることにたとえた。
◯ 正しい 定義をたどっても知らない記号が続くだけで、意味にたどり着けないことを表したたとえです。 シンボルグラウンディング問題
シンボルグラウンディング問題とは、AIが作業と関係のない事柄まで考慮してしまい、動けなくなる問題である。
× 誤り それはフレーム問題の説明です。シンボルグラウンディング問題は、記号と実世界の対象との結び付きを問います。 シンボルグラウンディング問題
ダートマス会議の開催を提案した文書には、マッカーシー、ミンスキー、シャノンらが名を連ねていた。
◯ 正しい 提案者はジョン・マッカーシー、マービン・ミンスキー、ナサニエル・ロチェスター、クロード・シャノンの4人です。 ダートマス会議
「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉は、チューリングが1950年の論文で初めて用いたものである。
× 誤り この言葉が初めて使われたのは、1955年にマッカーシーらがまとめたダートマス会議の提案書です。チューリングの1950年の論文は「機械は考えられるか」を論じたものです。 ダートマス会議
ダートマス会議では、ニューウェルとサイモンが数学の定理を自動で証明するプログラムを紹介した。
◯ 正しい ロジック・セオリストと呼ばれるプログラムで、最初期の人工知能プログラムとして知られます。 ダートマス会議
知識獲得のボトルネックが大きな課題として認識されたのは、主に第2次AIブームのエキスパートシステムの開発においてである。
◯ 正しい 1980年代、専門家の知識をルールとして蓄えるエキスパートシステムが盛んに作られ、知識を集める工程の重さが表面化しました。 知識獲得のボトルネック
専門家が開発に協力的で、インタビューに十分な時間を割いてくれれば、知識獲得のボトルネックは生じない。
× 誤り 専門家の判断には経験に根ざした暗黙的な知識が多く、本人もうまく言葉にできません。協力があっても、聞き出してルールに直す工程そのものが難しいのです。 知識獲得のボトルネック
人間なら誰でも知っている常識は量が膨大なため、エキスパートシステムに一般常識まで持たせようとすると、知識獲得の負担はいっそう大きくなる。
◯ 正しい 専門知識は狭い分野に限られますが、常識には範囲の切れ目がありません。常識を書き出そうとしたCycプロジェクトは、1984年に始まり、数十年にわたって続けられてきました。 知識獲得のボトルネック
中国語の部屋の思考実験では、部屋の中の人物は中国語をまったく理解していない設定になっている。
◯ 正しい 中国語を知らない人物が、英語で書かれた規則書に従って記号を組み合わせるだけ、という設定です。 中国語の部屋
「中の人は理解していなくても、部屋全体としては中国語を理解している」という反論は、システム応答と呼ばれる。
◯ 正しい 規則書や紙を含むシステム全体に理解を認める立場で、代表的な反論の1つです。 中国語の部屋
中国語の部屋は、チューリングテストに合格するほど自然に応答できる機械は、意味も理解していると主張するための思考実験である。
× 誤り 主張は逆です。振る舞いが人間並みでも、記号を規則どおりに操作しているだけなら意味を理解しているとはいえない、と論じました。 中国語の部屋
チューリングテストは、アラン・チューリングが1950年の論文で「模倣ゲーム」として提案したものである。
◯ 正しい 論文「Computing Machinery and Intelligence」で、「機械は考えられるか」という問いを置き換える方法として示されました。 チューリングテスト
チューリングテストでは、判定者が相手の声の調子や外見も手がかりにして、機械か人間かを見分ける。
× 誤り 声や外見で区別できないよう、やり取りは端末を使った文字だけで行います。 チューリングテスト
チューリングテストは、機械が人間の脳と同じ仕組みで情報を処理しているかを調べて、知能の有無を判定する。
× 誤り 内部の仕組みは問わず、会話という外から見た振る舞いだけで判定します。この点が、中国語の部屋による批判の出発点になりました。 チューリングテスト
強いAIと弱いAIという区別は、哲学者ジョン・サールが1980年の論文で示したものである。
◯ 正しい 論文「Minds, Brains, and Programs」で、中国語の部屋の思考実験とともに示されました。 強いAIと弱いAI
人間のようにさまざまな課題をこなせる汎用的なAIが実現すれば、サールの区別でいう強いAIが実現したことになる。
× 誤り 汎用か特化型かは、扱える課題の幅による区別です。サールの区別は心や理解を本当にもつかどうかを問うもので、何でもこなせるAIでも心をもつかは別の問題として残ります。 強いAIと弱いAI
サールは、中国語の部屋の思考実験によって、強いAIだけでなく弱いAIの主張も誤りであると批判した。
× 誤り 中国語の部屋が批判の対象としたのは強いAIです。サールは同じ論文で、少なくともこの論文の範囲では、弱いAIの主張に異論はないと述べています。 強いAIと弱いAI
ハノイの塔は、状態と操作とゴールを正確に書き表せるため、トイ・プロブレムの典型例とされる。
◯ 正しい 円盤の配置が状態、円盤の移動が操作にあたり、ルールにあいまいさがありません。探索木をたどれば機械的に解けます。 トイ・プロブレム
トイ・プロブレムと現実の問題の違いは規模だけなので、コンピュータの計算速度さえ十分に上がれば、第1次AIブームの探索の手法で現実の問題も同じように解ける。
× 誤り 現実の問題では、状態・操作・ゴールそのものを正確に書き表せず、何を考慮すべきかも決められません。計算が速くなるだけでは、この定式化の難しさは解消しません。 トイ・プロブレム
トイ・プロブレムは、同じ条件で手法どうしの性能を比べやすいため、現在もアルゴリズムの評価や説明に使われている。
◯ 正しい 問題が正確に定義されているので、別の研究者も同じ条件で試せます。単純であること自体が、比較や教育の場面では利点になります。 トイ・プロブレム
統計的機械翻訳は、ディープラーニングが注目を集めた2010年代になって初めて提案された方式である。
× 誤り IBMの研究者らが1990年前後に提案し、2000年代に主流となりました。2010年代半ばからは、ニューラル機械翻訳への置き換えが進みました。 統計的機械翻訳
Google翻訳は2016年に、日本語と英語の組を含む一部の言語で、統計的機械翻訳からニューラル機械翻訳への切り替えを行った。
◯ 正しい 2016年11月に、日本語を含む8つの言語と英語の間でニューラル機械翻訳が使われ始めました。文全体をまとめて訳すことで、より自然な訳を出せるようになりました。 統計的機械翻訳
フレーム問題は、1969年にマッカーシーとヘイズが、論理を使って行動とその結果を記述する研究の中で提起した。
◯ 正しい 論文「Some Philosophical Problems from the Standpoint of Artificial Intelligence」で論じられました。 フレーム問題
フレーム問題とは、画像の中から物体を囲む枠(フレーム)を検出する物体検出の課題のことである。
× 誤り ここでいうフレームは、考慮すべき事柄の範囲(枠)のことです。画像処理の物体検出とは関係ありません。 フレーム問題
フレーム問題は、ロボットのように身体をもつAIでだけ起こり、ソフトウェアだけで動くAIでは起こらない。
× 誤り もともとは論理で行動を記述する推論の問題として提起されました。ロボットの例は説明のためのたとえです。 フレーム問題
ルールベース機械翻訳のトランスファー方式では、原文を解析して得た文の構造を、目的言語の構造に変換してから訳文を生成する。
◯ 正しい 解析・変換・生成の3段階で訳します。変換の規則は、言語の組ごとに用意する必要があります。 ルールベース機械翻訳
1966年のALPAC報告書は、機械翻訳がまもなく人間の翻訳者に取って代わると評価し、機械翻訳の研究予算を大きく増やすよう勧告した。
× 誤り 報告書は、実用的な機械翻訳がすぐに実現する見通しは立たないと結論づけました。その後、米国では機械翻訳の研究への資金が大きく減りました。 ルールベース機械翻訳
中間言語方式では、原文を特定の言語に依存しない意味の表現に変換し、その表現から目的言語の訳文を生成する。
◯ 正しい 意味の表現を共通にするため、言語の組ごとの変換規則は要りません。ただし、どの言語にも通じる意味の表現を作ることは難しく、実用は限られました。 ルールベース機械翻訳
1991年の第1回ローブナーコンテストは、会話の話題を限定した形でチューリングテストを行った。
◯ 正しい プログラムごとに話題が決められ、優勝したプログラムは「気まぐれな会話」を話題にしていました。自由な会話よりも機械に有利な条件です。 ローブナーコンテスト
ローブナーコンテストでは、判定者を完全にだましたプログラムだけに賞が贈られ、該当がない年は表彰が行われなかった。
× 誤り 大会では、最も人間らしいと評価されたプログラムに銅メダルと賞金が贈られました。人間と区別できないプログラムに贈る大賞は、獲得されませんでした。 ローブナーコンテスト
第1回ローブナーコンテストでは、人間の参加者を機械だと判定した判定者もいた。
◯ 正しい 判定者が機械と人間の両方と会話して見分ける形式のため、誤りは両方向に起こります。人間らしさの判断が、判定者の受け止め方に左右されることを示しています。 ローブナーコンテスト
弱いAIの立場では、コンピュータは心をもたないので、人間の心の働きを調べる研究には役立たないと考える。
× 誤り 弱いAIは、コンピュータを心の研究に役立つ強力な道具とみなす立場です。コンピュータが本当に心をもつかどうかは問いませんが、研究の道具としての価値は認めています。 強いAIと弱いAIの違い
強いAIの立場では、適切なプログラムそのものが、人間の認知についての説明になると考える。
◯ 正しい 強いAIは、プログラムを心理学の仮説を確かめる道具ではなく、それ自体が認知の説明だとみなします。弱いAIは、コンピュータを仮説を確かめる道具として使う立場です。 強いAIと弱いAIの違い
特定の課題しか扱えないプログラムについて、それが本当に意味を理解していると主張する立場も、サールの区別では強いAIに当たる。
◯ 正しい サールが論文で取り上げたのは、物語について質問に答えるシャンクらのプログラムでした。課題の幅は関係なく、理解や心をもつと主張するかどうかが基準です。 強いAIと弱いAIの違い