◯×一問一答・第9章
G検定 AIに関する法律と契約 一問一答(135問)
個人情報保護法・著作権法などの法律と、AI開発・サービス提供の契約を扱います。説明文が正しいか誤りかを、◯か×で答えます。
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個人情報保護法
要点を読む委託先は、委託に伴って受け取った個人データを、自社が独自に集めた顧客データと本人ごとに突き合わせることができる。
× 誤り 個人情報保護委員会のQ&A(Q7-41)は、委託先が、提供された個人データを独自に取得した個人データ等と本人ごとに突合することはできないとしています。 委託(個人データの取扱いの委託)
クラウドサービスの事業者が、契約上サーバに保存された個人データを取り扱わないこととされ、アクセス制御も適切に行っている場合、そのサービスの利用は個人データの取扱いの委託に当たらない。
◯ 正しい この場合は個人データの提供に当たらず、委託にもならないため、25条の監督義務もかかりません(Q&A Q7-53、Q7-54)。安全管理措置は、利用する事業者が自ら講じます。 委託(個人データの取扱いの委託)
委託先で個人データの漏えいが起き、委託先が規則に従ってその旨を委託元に通知した場合、委託先は個人情報保護委員会への報告義務を負わない。
◯ 正しい 26条1項ただし書の定めです。報告の対象となる事態であれば、委員会への報告と本人への通知は、通知を受けた委託元が行います(26条1項・2項)。 委託(個人データの取扱いの委託)
仮名加工情報に含まれる電話番号やメールアドレスを使って、本人に新商品の案内を送ってよい。
× 誤り 仮名加工情報を取り扱うときは、電話、郵便、電子メールの送信、住居の訪問などのために、含まれる連絡先その他の情報を使うことが禁止されています(法41条8項)。 仮名加工情報
個人情報である仮名加工情報については、本人からの開示や利用停止などの請求に関する規定は適用されない。
◯ 正しい 法41条9項により、利用目的の変更の制限(17条2項)、漏えい等の報告(26条)、保有個人データに関する公表や開示等の請求(32条〜39条)の規定は適用されません。 仮名加工情報
仮名加工情報である個人データは、データ分析を委託する場合であっても、委託先に渡すことはできない。
× 誤り 第三者提供は原則禁止ですが、委託、事業の承継、共同利用の場合は提供先が「第三者」に当たらないため、これらの形で渡すことはできます(法41条6項)。 仮名加工情報
メールアドレスは、本人の氏名を含んでいて特定の個人を識別できる場合には、個人識別符号に当たる。
× 誤り 個人識別符号は政令と規則に列挙されたものに限られ、メールアドレスは含まれません。氏名を含むなどして特定の個人を識別できるメールアドレスは、2条1項1号の個人情報に当たります。 個人識別符号
個人識別符号が含まれる情報は、本人の氏名が含まれていなくても個人情報に当たる。
◯ 正しい 個人情報保護法2条1項2号により、個人識別符号を含む情報は、それだけで個人情報です。他の情報と照合できるかを検討する必要はありません。 個人識別符号
個人識別符号は要配慮個人情報の一種であり、取得するときには原則として本人の同意が必要である。
× 誤り 両者は別の概念です。要配慮個人情報は、人種、病歴、犯罪の経歴などを含む個人情報で、取得に原則として本人の同意が必要です。 個人識別符号
すでに亡くなった人だけに関する情報は、個人情報保護法の個人情報に当たらない。
◯ 正しい 個人情報は「生存する個人に関する情報」と定義されています。ただし、その情報が生存する遺族などに関する情報でもある場合は、その遺族の個人情報になります。 個人情報
本人がSNSで公開している氏名や経歴は、誰でも見られる状態にあるため、個人情報に当たらない。
× 誤り 公開されているかどうかは、個人情報に当たるかの判断に関係しません。特定の個人を識別できれば個人情報です。 個人情報
会員番号だけでは誰のものかわからなくても、社内の会員名簿と容易に照合して特定の個人を識別できるなら、その事業者にとって会員番号を含む情報は個人情報に当たる。
◯ 正しい 他の情報と容易に照合でき、それにより特定の個人を識別できるものも個人情報に含まれます(容易照合性)。 個人情報
従業者が受け取った名刺の氏名やメールアドレスを、業務用パソコンの表計算ソフトに入力して整理している場合、その情報は個人データに当たる。
◯ 正しい 表計算ソフトで検索できるように整理すれば、個人情報データベース等になります。それを構成する個人情報は個人データです。 個人データ
記入済みの申込用紙に書かれた氏名や住所は、顧客データベースに入力する予定であれば、入力する前の時点ですでに個人データに当たる。
× 誤り ガイドライン(通則編)は、データベース等を構成する前の入力用の帳票等に記載された個人情報を、個人データに当たらない例に挙げています。なお、不正アクセスなどによる漏えい等の報告に限っては、個人データとして扱う予定の個人情報も対象に含まれます(施行規則7条3号)。 個人データ
市販の電話帳を、何も書き加えずに本来の用途で使っている場合、そこに載っている個人情報は個人データに当たらない。
◯ 正しい 適法に発行され、誰でも購入でき、他の情報を加えずに本来の用途で使うものは、施行令4条1項により個人情報データベース等から除かれます。それを構成する個人情報も個人データではありません。 個人データ
GDPRは、各EU加盟国が国内法を制定して初めて効力を持つ「指令」として定められている。
× 誤り GDPRは「規則(Regulation)」で、加盟国に直接適用されます。前身の1995年のデータ保護指令は、各国が国内法を整える「指令」でした。 GDPR
GDPRは、本人が自分の個人データを構造化された機械可読な形式で受け取り、別の管理者に移す権利を定めている。
◯ 正しい 第20条のデータポータビリティ権です。同意や契約に基づき、自動化された手段で取り扱われている個人データが対象です。 GDPR
GDPRでは、個人データ侵害に気づいた管理者は、個人の権利と自由へのリスクが生じるおそれがない場合を除き、遅滞なく、可能であれば72時間以内に監督機関へ通知する。
◯ 正しい 第33条の規定です。72時間以内に通知できない場合は、遅れた理由を添えて通知します。 GDPR
十分性認定にもとづいてEUから移転を受けた個人データに、性的指向や労働組合に関する情報が含まれる場合、日本の事業者はそれを要配慮個人情報と同様に扱う。
◯ 正しい 個人情報保護委員会の補完的ルールの定めです。GDPRで特別な種類の個人データとされる性生活、性的指向、労働組合に関する情報について、移転を受けたデータに限って要配慮個人情報の範囲を広げる趣旨です。 十分性認定
十分性認定にもとづいてEUから受け取った個人データは、日本の事業者の判断で、本人の同意なく第三国の企業へ自由に提供できる。
× 誤り 補完的ルールにより、提供先が日本と同等の水準と認められた国にある場合や、契約などで同等の保護措置を講じている場合などを除き、あらかじめ本人の同意が必要です。 十分性認定
欧州委員会の十分性認定は、一度採択されると、その後見直されることはない。
× 誤り GDPR第45条3項は、少なくとも4年ごとに定期的に見直す仕組みを求めています。日本についての最初の見直しは2023年に終わり、認定は継続されました。 十分性認定
合併によって事業が承継され、それに伴って個人データが承継先の会社に移る場合、承継先は第三者に当たらない。
◯ 正しい 個人情報保護法27条5項2号は、合併その他の事由による事業の承継に伴う提供では、受け取る者を第三者に当たらないとしています。 第三者提供
オプトアウトによる第三者提供は、提供する項目などを本人に通知すれば足り、個人情報保護委員会への届出は必要ない。
× 誤り 本人への通知または本人が容易に知り得る状態に置くことに加え、個人情報保護委員会への届出が必要です(27条2項)。委員会は届出の内容を公表します(27条4項)。 第三者提供
急病で意識を失った顧客を救命するため、医療機関に持病などの個人データを伝える場合は、本人の同意がなくても提供できる。
◯ 正しい 人の生命・身体・財産の保護に必要で、本人の同意を得ることが難しい場合に当たります(27条1項2号)。 第三者提供
氏名を削除しただけで、社内の会員台帳と照合すれば本人が分かる状態のデータは、匿名加工情報に当たらない。
◯ 正しい 匿名加工情報は、特定の個人を識別できず、復元もできない水準まで加工したものです。照合で本人が分かるなら、個人情報として扱います。 匿名加工情報
匿名加工情報の提供を受けた事業者は、作成元の事業者が了解していれば、本人を識別するために加工の方法に関する情報を取得してもよい。
× 誤り 提供を受けた事業者は、本人を識別するために、削除された記述等や加工方法の情報を取得することも、他の情報と照合することも禁止されています(法45条)。作成元の了解があっても例外にはなりません。 匿名加工情報
匿名加工情報を作成した事業者は、その情報に含まれる個人に関する情報の項目を公表しなければならない。
◯ 正しい 作成時に項目を公表します(法43条3項)。第三者に提供するときは、項目と提供方法を公表し、提供先に匿名加工情報である旨を明示します(同条4項)。 匿名加工情報
データ入力の処理だけを任されて個人データを預かり、開示や消去を決める権限をもたない委託先にとって、そのデータは保有個人データに当たらない。
◯ 正しい 保有個人データは、開示等のすべてに応じる権限をもつ個人データです。委託が絡む場合は、契約などの実態から、どの事業者が権限をもつかを判断します(ガイドライン通則編2-7)。 保有個人データ
本人が保有個人データの訂正を請求できるのは、事業者がそのデータを違法に取り扱っている場合に限られる。
× 誤り 訂正等の請求は、保有個人データの内容が事実でないときにできます(34条1項)。違法な取扱いは、利用停止等を請求できる場合の1つです。 保有個人データ
反社会的勢力による不当要求の被害を防ぐために事業者が保有している、その人物を本人とする個人データは、保有個人データに当たらない。
◯ 正しい 存否が明らかになると、違法または不当な行為を助長し、または誘発するおそれがあるものとして、施行令5条2号で除かれます。 保有個人データ
単に国籍が外国であるという情報は、それだけで要配慮個人情報の「人種」に当たる。
× 誤り 個人情報保護委員会のガイドラインでは、単純な国籍や「外国人」という情報は法的地位であり、それだけでは人種に含まないとされています。 要配慮個人情報
医師等が行った健康診断の結果は、要配慮個人情報に当たる。
◯ 正しい 政令(個人情報保護法施行令2条2号)が、医師等による健康診断その他の検査の結果を要配慮個人情報に含めています。 要配慮個人情報
宗教に関する書籍を購入したという履歴は、本人の信条を推測させるため、それだけで要配慮個人情報に当たる。
× 誤り ガイドラインは、要配慮個人情報を推知させるにとどまる情報(宗教書の購買や貸出しの履歴など)は要配慮個人情報に含まないとしています。 要配慮個人情報
利用目的を変更した事業者は、原則として、変更後の利用目的を本人に通知するか、公表しなければならない。
◯ 正しい 21条3項の義務です。変更できるのは、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲に限られます(17条2項)。 利用目的
商品を配送するためだけに住所や電話番号を受け取る場合のように、取得の状況からみて利用目的が明らかなときは、利用目的を本人に通知したり公表したりしなくてもよい。
◯ 正しい 21条4項4号の例外です。ガイドライン(通則編)3-3-5も、商品の販売・提供のみを確実に行うために住所などを取得する場合を例に挙げています。 利用目的
当初の利用目的にない使い方について本人の同意を得るために、登録済みのメールアドレスへ確認のメールを送ることは、それ自体が目的外利用に当たる。
× 誤り ガイドライン(通則編)3-1-3は、同意を得るために個人情報を利用すること(メールの送信や電話)は、目的外利用に当たらないとしています。 利用目的
日本の個人情報保護法は、日本国内に拠点のない外国の事業者には、日本にいる利用者向けにサービスを提供していても適用されない。
× 誤り 171条により、国内にある者への物品や役務の提供に関連して、国内にある者の個人情報などを外国で取り扱う場合にも適用されます。GDPRと同じく、拠点の所在地だけでは決まりません。 GDPRと個人情報保護法の違い
日本の個人情報保護法にも、GDPRのデータポータビリティ権のように、保有個人データを他の事業者へ直接移すよう求める権利が定められている。
× 誤り 日本法では、保有個人データの開示を電磁的記録の提供による方法で求めることはできます(33条1項)。しかし、他の事業者へ直接移すよう求める権利の規定はありません。GDPRは20条でこの権利を定めています。 GDPRと個人情報保護法の違い
日本の個人情報保護法も、GDPRと同じく、個人情報を取り扱うには本人の同意や契約の履行などの法的根拠のいずれかが必要だと定めている。
× 誤り 日本法は、取扱い全般に法的根拠を求めていません。利用目的を特定してその範囲で取り扱い、目的外利用、要配慮個人情報の取得、第三者提供などの場面で、原則として本人の同意を求めます(18条、20条2項、27条)。 GDPRと個人情報保護法の違い
国内の事業者への委託や共同利用に伴って個人データを渡すときも、第三者提供と同じく、提供した年月日や相手の名称などの記録を作成しなければならない。
× 誤り 提供の記録の義務(29条)と、受け手の確認・記録の義務(30条)は、27条5項各号に当たる提供には適用されません。委託先や共同利用者は第三者に当たらないためです。 委託・第三者提供と共同利用の違い
共同利用では、個人データの管理について責任を有する者の氏名または名称などを、あらかじめ本人に通知するか、本人が容易に知り得る状態に置く必要がある。
◯ 正しい 27条5項3号が求める事項の1つです。ガイドライン(通則編)は、この者が開示等の請求や苦情を受け付け、安全管理などの責任を負う者だと説明しています。 委託・第三者提供と共同利用の違い
すでに取得している個人データを新たにグループ会社と共同利用する場合、共同利用の利用目的は、そのデータを取得した事業者が特定した利用目的の範囲内でなければならない。
◯ 正しい ガイドライン(通則編)は、すでに取得した個人データを共同利用するときは、取得した事業者が特定した利用目的の範囲で共同して利用するよう求めています。共同利用者の範囲や利用目的も、本人が通常予期し得る範囲内である必要があります。 委託・第三者提供と共同利用の違い
顧客管理システムから紙に印刷した顧客一覧表に記載された氏名や住所は、紙に出力した時点で個人データではなくなる。
× 誤り 個人情報データベース等から紙に出力した帳票に印字された個人情報も、個人データに当たります。紙になっても、安全管理措置や第三者提供の制限などの義務はかかります。 個人情報・個人データと保有個人データの違い
個人情報保護委員会への漏えい等の報告義務は、漏えいしたデータが保有個人データに当たる場合に限って生じる。
× 誤り 漏えい等の報告(26条)は、個人データが対象で、保有個人データに限られません。要配慮個人情報が含まれる場合や、本人の数が1,000人を超える場合など、規則で定める事態が起きたときに報告します。 個人情報・個人データと保有個人データの違い
存在が明らかになると本人や第三者の生命、身体または財産に危害が及ぶおそれがある個人データは、保有個人データから除かれる。
◯ 正しい 施行令5条が定める除外の1つです。ガイドラインは、家庭内暴力や児童虐待の被害者を支援する団体がもつ、加害者と被害者のデータを例に挙げています。 個人情報・個人データと保有個人データの違い
本人と判別できる顔写真の画像データは、個人識別符号には当たらないが、個人情報には当たる。
◯ 正しい 個人識別符号になるのは、顔の特徴を本人の認証などに使えるよう符号に変換したデータです。顔写真そのものは、特定の個人を識別できるので、2条1項1号の個人情報に当たります。 個人情報と個人識別符号の違い
ある番号が個人識別符号に当たるかどうかは、その事業者が番号を他の情報と容易に照合して本人を特定できるかによって決まる。
× 誤り 個人識別符号は、政令と規則で定められたものに限られます。他の情報との容易な照合(容易照合性)は、2条1項1号の個人情報に当たるかを判断するときの考え方です。 個人情報と個人識別符号の違い
指紋の特徴データのように個人識別符号に当たる符号を含む情報でも、亡くなった人だけに関するものであれば、個人情報には当たらない。
◯ 正しい 個人情報は「生存する個人に関する情報」に限られ、個人識別符号を含む2号の型にもこの前提がかかります。ただし、遺族など生存する人に関する情報でもある場合は、その人の個人情報になります。 個人情報と個人識別符号の違い
仮名加工情報は、本人の同意を得れば第三者に提供できる。
× 誤り 仮名加工情報である個人データは、法令に基づく場合を除き、本人の同意があっても第三者に提供できません(法41条6項)。委託や共同利用に伴う提供は、第三者提供に当たりません。 匿名加工情報と仮名加工情報の違い
匿名加工情報を作るときは、氏名と個人識別符号を削除すれば足り、極端に高い年齢のような特異な記述まで手を加える必要はない。
× 誤り 特異な記述は、それだけで本人の特定につながるおそれがあります。規則34条は特異な記述等の削除も基準に含めており、ガイドラインは「116歳」を「90歳以上」に置き換える例を示しています。 匿名加工情報と仮名加工情報の違い
仮名加工情報を作るときは、クレジットカード番号のように不正に使われると財産的被害が生じるおそれのある記述も削除する。
◯ 正しい 規則31条3号の基準です。氏名などを削っても、カード番号が残っていると、漏えいしたときに不正利用による被害が生じるおそれがあるためです。 匿名加工情報と仮名加工情報の違い
著作権法
要点を読むAI生成物に著作物性が認められた場合、生成したAI自身がその著作者となる。
× 誤り AIは法的な人格を持たないため著作者になれません。著作物性が認められる場合は、AIを道具として使って創作した人が著作者になります。 AI生成物
著作物性が認められないAI生成物であっても、その利用が他人の著作権を侵害することはありうる。
◯ 正しい 保護されるか(著作物性)と、他人の権利を侵すか(著作権侵害)は別の問題です。既存の著作物との類似性と依拠性があれば侵害になりえます。 AI生成物
日本の特許法のもとでは、AIが自律的に生み出した発明について、AIを発明者として特許を受けることはできない。
◯ 正しい 知財高裁は2025年1月、特許法上の発明者は自然人に限られると判断しました。2026年3月に最高裁が上告を退け、この判断が確定しています。 AI生成物
著作権法上の創作性が認められるには、特許の要件と同じく、それまで世の中になかった新しい表現であること(新規性)が必要である。
× 誤り 創作性は、作者の個性が表れていれば足ります。既存のものより新しいかどうかを問う新規性は、特許法の要件です。 創作性
幼い子どもが描いた絵であっても、描き方に描いた子の個性が表れていれば、創作性が認められうる。
◯ 正しい 創作性に高い芸術性や技術は要りません。文化庁の著作権テキストも、上手か下手か、芸術的な価値があるかは関係ないとしています。 創作性
スマートフォンで撮った写真は機械が自動的に写したものなので、構図やシャッターを切る瞬間を工夫していても、創作性が認められることはない。
× 誤り 写真は著作物の例に挙げられています(10条1項8号)。構図や光の具合、シャッターを切る瞬間などの選び方に撮影者の個性が表れていれば、創作性が認められます。 創作性
著作権侵害に対する差止請求は、侵害した者に故意や過失がなくても認められる。
◯ 正しい 差止請求に故意・過失は要りません。一方、損害賠償請求には故意または過失が、刑事罰には故意が必要です。 著作権侵害
人が既存の作品を知らずに独自に創作した作品が、たまたまその作品と似ていた場合でも、類似性があれば著作権侵害になる。
× 誤り 既存の作品に依拠していないため、侵害になりません。著作権は、独自に創作されたよく似た作品にまでは及ばないとされています。 著作権侵害
既存の著作物との類似性と依拠性がある画像を生成AIで作った場合、私的使用の範囲の生成は許されても、その画像をSNSで公開すれば著作権侵害になりうる。
◯ 正しい 私的使用のための複製(30条1項)は認められますが、SNSへの投稿は公衆送信に当たり、その範囲を超えます。生成と利用は場面ごとに判断されます。 著作権侵害
30条の4は主にAIの開発・学習段階に関わる規定であり、生成した画像を公開・販売する段階で著作権侵害に当たるかは、類似性と依拠性によって判断される。
◯ 正しい 文化庁の考え方は、開発・学習段階と生成・利用段階を分けて整理しています。学習が適法でも、生成物の利用が侵害になることはあります。 著作権法30条の4
30条の4で許諾なく行えるのは著作物の複製だけであり、それ以外の方法による利用は対象にならない。
× 誤り 条文は「いずれの方法によるかを問わず、利用することができる」と定めています。必要と認められる限度で、複製以外の利用も対象になります。 著作権法30条の4
RAG用のデータベースを作るために記事を複製する場合でも、回答の生成時にその記事の創作的表現を出力させる目的があれば、30条の4は適用されないと整理されている。
◯ 正しい 文化庁の考え方は、この場合の複製を非享受目的の利用とはいえないとしています。回答での利用は、軽微利用を認める47条の5で許されるかが問題になります。 著作権法30条の4
著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生し、登録などの手続は必要ない。
◯ 正しい 著作権法17条2項は、著作権の享有にいかなる方式の履行も要しないと定めています。無方式主義と呼ばれます。 著作物
特定の画家の画風をまねた絵を描くと、その画風が著作物として保護されているため、それだけで著作権侵害になる。
× 誤り 著作権法が保護するのは具体的な創作的表現です。作風や画風はアイデアにとどまり、それだけでは保護されません。 著作物
プログラムの著作物の保護は、そのプログラムで使われているアルゴリズム(解法)にも及ぶ。
× 誤り 著作権法10条3項は、プログラムの著作物の保護は、プログラム言語、規約及び解法には及ばないと定めています。 著作物
利用規約が定型約款に当たる場合、提供者は、変更が利用者の一般の利益に適合するときなどの条件を満たせば、利用者と個別に合意しなくても規約を変更できる。
◯ 正しい 民法548条の4の定めです。変更する旨、変更後の内容、効力発生時期をインターネットなどで周知する必要があり、合理性を理由とする変更は、効力発生時期までに周知しないと効力が生じません。 利用規約
生成AIサービスの利用規約で、生成物の権利をすべて利用者に帰属させると定めていれば、その生成物は必ず著作物として保護される。
× 誤り 著作物に当たるかどうかは著作権法で決まります。規約は当事者間の権利関係を定めるだけで、人の創作的な寄与がない生成物を著作物にすることはできません。 利用規約
定型約款を用意した提供者は、取引の前に利用者から請求があれば、原則として遅滞なく相当な方法でその内容を示さなければならない。
◯ 正しい 民法548条の3の定めです。取引の前に正当な理由なく表示を拒むと、個別の条項に合意したとみなす規定が適用されなくなります。 利用規約
特許法
要点を読む職務発明の制度は、従業員だけでなく、法人の役員がした発明にも適用されうる。
◯ 正しい 特許法35条1項は、従業者等に「法人の役員」や国家公務員・地方公務員も含めています。 職務発明
職務発明について従業者が受ける相当の利益は、金銭で支払われるものに限られる。
× 誤り 2015年の改正で「相当の対価」が「相当の金銭その他の経済上の利益」に改められました。指針は、留学の機会やストックオプションの付与なども例に挙げています。 職務発明
同じ会社で以前に担当していた職務にもとづいてした発明も、職務発明に当たりうる。
◯ 正しい 特許法35条1項は「現在又は過去の職務」と定めています。今の担当業務と関係がなくても、同じ使用者等での過去の職務に属すれば職務発明になりえます。 職務発明
特許出願をした後に、その発明を論文で発表しても、その出願の新規性の判断には影響しない。
◯ 正しい 新規性は特許出願の時を基準に判断します。そのため、出願を済ませてから発表するのが原則です。 新規性
発明が本人の意に反して第三者に公開された場合も、新規性喪失の例外規定の対象になりうる。
◯ 正しい 特許法30条1項の定めです。盗用などで公開された場合も、その日から1年以内に出願すれば、その公開で新規性を失わなかったものとみなされます。 新規性
新規性喪失の例外の適用を受けると、特許出願の日が、発明を公開した日までさかのぼったものとして扱われる。
× 誤り 出願日はさかのぼりません。自分の公開が新規性を失わせる理由にならないだけです。その間に他人が同じ発明を公開したり出願したりすると、特許を受けられないおそれがあります。 新規性
進歩性の有無は、出願した本人の技術水準ではなく、その技術分野の通常の知識をもつ者(当業者)を基準に判断される。
◯ 正しい 特許法29条2項は「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者」を基準にしています。特別に優れた研究者や素人は基準になりません。 進歩性
進歩性は、出願の後に公開された論文も含めて、審査をする時点の技術水準と比べて判断される。
× 誤り 判断の基準は特許出願の時です。出願の後に公開された技術をもとに、進歩性を否定することはできません。 進歩性
特許庁の審査では、出願前の公知の発明から1つを主引用発明として選び、出願された発明との相違点に当業者が容易に到達できたといえるか(論理付けできるか)を検討する。
◯ 正しい 審査基準が示す判断の手順です。ほかの公知技術(副引用発明)や技術常識を使って、主引用発明から出願された発明に至る筋道を説明できるかを確かめます。 進歩性
知的財産基本法が定める「知的財産」には、発明や著作物だけでなく、営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報も含まれる。
◯ 正しい 知的財産基本法2条1項の定義です。営業秘密は、登録の制度ではなく、不正競争防止法によって保護されます。 知的財産権
商標権は、特許権と同じく出願の日から20年で終了し、更新することはできない。
× 誤り 商標権の存続期間は設定の登録の日から10年で、更新登録の申請によって更新できます(商標法19条)。使い続けることで積み重なる目印の信用を守る権利だからです。 知的財産権
特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つは産業財産権と呼ばれ、特許庁が所管している。
◯ 正しい 4つとも、特許庁への出願を経て設定の登録を受けることで発生します。著作権は文化庁の所管で、創作した時点で手続なしに発生します。 知的財産権
特許権者は、実際に侵害が起きる前であっても、特許権を侵害するおそれがある者に対して、侵害の予防を請求できる。
◯ 正しい 特許法100条1項は、侵害する者への停止の請求と、侵害するおそれがある者への予防の請求を定めています。 特許権
日本で特許権を取得していれば、その発明を外国だけで製造・販売している他社に対しても、日本の特許権にもとづいて差止めを請求できる。
× 誤り 特許権の効力は、権利を取得した国の中だけに及びます(属地主義)。外国の市場でも発明を守るには、その国ごとに特許を取得する必要があります。 特許権
特許権を維持するには、原則として、設定登録の後も各年分の特許料を納め続ける必要がある。
◯ 正しい 特許法107条1項は、存続期間の満了までの各年について特許料の納付を求めています。4年目以降の分を納めず、追納できる期間も過ぎると、特許権は消滅したものとみなされます(108条2項、112条4項)。 特許権
特許法上、プログラムは「物」に含まれ、プログラムの発明は物の発明として扱われる。
◯ 正しい 特許法2条3項1号は「物(プログラム等を含む。)」と定めています。そのため、プログラムをネットワーク経由で提供する行為も実施に当たります。 発明
新しい自然法則そのものを発見した場合、その法則自体について特許を受けることができる。
× 誤り 発明は自然法則を「利用した」技術的思想の創作です。自然法則そのものや単なる発見は創作ではないため、発明に当たりません。 発明
特許法の「発明」と異なり、実用新案法の「考案」の定義には「高度のもの」という限定がない。
◯ 正しい 実用新案法2条1項は、考案を「自然法則を利用した技術的思想の創作」と定めています。「高度のもの」は、発明と考案を区別するための要素です。 発明
新規性の判断では、出願された発明を公知の発明と1つずつ対比し、2つ以上の公知の発明を組み合わせて対比することはしない。
◯ 正しい 公知の発明を組み合わせて考えるのは進歩性の判断です。主引用発明に、ほかの公知技術や技術常識を組み合わせて、容易に考えつけたかを検討します。 新規性と進歩性の違い
出願前に論文で公開された手法と同じ発明であっても、従来より優れた効果があることを示せば、新規性は認められる。
× 誤り 新規性は、出願された発明と公知の発明に相違点があるかで決まり、効果の大小では決まりません。有利な効果は、相違点があるときに、進歩性を認める方向の事情として考慮されます。 新規性と進歩性の違い
新規性喪失の例外の適用を受けた自分の論文発表は、進歩性を判断するときにも、特許を拒む根拠となる公知の技術として扱われない。
◯ 正しい 特許法30条は、例外の対象となる公開について、29条1項(新規性)と2項(進歩性)の両方の適用で、公知にならなかったものとみなすと定めています。ただし、出願日がさかのぼるわけではありません。 新規性と進歩性の違い
職務著作が成立すると会社が著作者になるのと同じく、職務発明でも、勤務規則などであらかじめ定めておけば会社が発明者になる。
× 誤り 発明者は、実際に発明をした従業者のままです。勤務規則などで会社に帰属させられるのは、特許を受ける権利です(特許法35条3項)。職務著作では、要件を満たせば会社が著作者そのものになります(著作権法15条)。 特許権と著作権の違い
著作権法30条の4にもとづけば、AIの学習(情報解析)のためであれば、他社の特許発明を業として実施することも、特許権者の許諾なく行える。
× 誤り 30条の4は著作権を制限する規定で、特許権の効力には関係しません。特許権の効力が及ばない場面は特許法が定めており、試験・研究のための実施(69条1項)などがあります。 特許権と著作権の違い
誰の特許権の対象にもなっていない公知の手法でも、その手法を実装した他社のソースコードを無断で複製して自社製品に組み込めば、著作権侵害になりうる。
◯ 正しい 手法そのものはアイデアなので、特許権がなければ誰でも使えます。一方、それを実装したソースコードの表現は、特許権とは別にプログラムの著作物として守られます。他社のコードに依拠せず自社で実装すれば、この問題は生じません。 特許権と著作権の違い
不正競争防止法
要点を読む社内の共有フォルダに誰でも閲覧できる状態で置かれ、秘密である旨の表示もない顧客リストは、秘密管理性が認められにくい。
◯ 正しい 秘密管理性は、アクセス制限や「秘」の表示などの措置によって、秘密として扱う意思が従業員等に明確に示されているかで判断されます。 営業秘密
失敗に終わった実験のデータは、直接利益を生まないため、有用性がなく営業秘密になりえない。
× 誤り 営業秘密管理指針では、失敗した実験データのようなネガティブ・インフォメーションも、無駄な開発投資を避けられる点で有用性が認められうるとされています。 営業秘密
営業秘密を不正に取得・使用する行為には、差止請求や損害賠償請求に加えて、刑事罰が科される場合がある。
◯ 正しい 不正競争防止法21条が営業秘密侵害罪を定めています。限定提供データの不正取得等には刑事罰がなく、民事上の措置に限られる点が異なります。 営業秘密
限定提供データを不正に取得・使用する行為には、営業秘密と同じく刑事罰が定められている。
× 誤り 限定提供データの不正取得等に対する救済は、差止請求や損害賠償請求などの民事上の措置です。刑事罰は定められていません。 限定提供データ
誰でも無償で利用できるオープンデータと同一の情報は、相手を限定して提供していても、その取得や使用に差止請求などの規定は適用されない。
◯ 正しい 不正競争防止法19条1項9号ロにより、無償で公衆に利用可能となっている情報と同一の限定提供データの取得・使用・開示には、差止請求や損害賠償などの規定が適用されません。 限定提供データ
会員企業だけにIDとパスワードを発行し、蓄積した大量の車両走行データを有償で継続的に提供している場合、そのデータは限定提供データに当たりうる。
◯ 正しい 業として特定の者に提供(限定提供性)、相当量の蓄積(相当蓄積性)、IDとパスワードによる管理(電磁的管理性)という3要件にあてはまる例です。 限定提供データ
紙の台帳だけで管理している取引先データでも、特定の相手に提供していれば限定提供データとして保護される。
× 誤り 限定提供データは、電磁的方法で相当量蓄積され、管理されている情報に限られます(2条7項)。紙の台帳は対象外です。秘密として管理していれば、営業秘密として保護される余地はあります。 営業秘密と限定提供データの違い
会員企業にIDとパスワードを発行して有償で提供している工作機械の稼働データは、複数の会員に共有されているため、不正競争防止法では保護されない。
× 誤り 特定の者に提供し、電磁的に管理された相当量のデータは、限定提供データとして保護される可能性があります。限定提供データには非公知性が求められないため、共有されていることは妨げになりません。 営業秘密と限定提供データの違い
営業秘密の不正な取得や使用は一定の場合に刑事罰の対象となるが、限定提供データの不正な取得や使用には刑事罰が設けられていない。
◯ 正しい 営業秘密の侵害には営業秘密侵害罪があります(21条)。限定提供データは、差止請求や損害賠償請求などの民事上の措置で保護されます。 営業秘密と限定提供データの違い
独占禁止法
要点を読む独占禁止法の私的独占には、他の事業者を市場から締め出す行為だけでなく、他の事業者の事業活動を支配する行為も含まれる。
◯ 正しい 独占禁止法2条5項は、他の事業者の事業活動を「排除し、又は支配する」ことによる競争の実質的制限を私的独占としています。 競争制限
企業の合併や株式の取得は、市場の競争にどのような影響を与えるかにかかわらず、独占禁止法の規制の対象にならない。
× 誤り 独占禁止法は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる株式の取得や合併などを禁止しています(10条1項、15条1項など)。 競争制限
競争の実質的制限に当たるといえるには、市場シェアが100%の完全な独占状態になっている必要がある。
× 誤り 裁判例は、競争自体が減って、特定の事業者などがある程度自由に価格や品質などを左右し、市場を支配できる状態をもたらすことをいうとしています。完全な独占までは必要ありません。 競争制限
独占禁止法の不公正な取引方法には、法律で直接定められた行為のほか、公正取引委員会が指定する行為も含まれる。
◯ 正しい 2条9項1号〜5号が法律で定める行為で、6号にもとづき公正取引委員会が指定する行為もあります。抱き合わせ販売や排他条件付取引は、この指定(一般指定)に含まれます。 公正競争阻害性
公正競争阻害性の有無は、行為者の市場での地位にかかわらず、行為の形式だけで一律に判断される。
× 誤り 同じ行為でも、行為者の市場シェアや行為の広がりによって判断が変わります。流通・取引慣行ガイドラインは、市場シェアが20%を超えることを「市場における有力な事業者」の一応の目安としています。 公正競争阻害性
優越的地位の濫用が規制されるのは、取引の相手方が自由かつ自主的に判断して取引できる基盤を損なうためと考えられている。
◯ 正しい 公正競争阻害性の3つの側面のうち、自由競争基盤の侵害に当たります。価格や品質で競争するための前提を守る規制です。 公正競争阻害性
AI開発委託契約
要点を読む請負契約では、仕事が完成する前であれば、注文者はいつでも損害を賠償して契約を解除できる。
◯ 正しい 民法641条の定めです。不要になった仕事を続けさせる意味はないため注文者に解除を認め、請負人の損害は賠償で補います。 請負契約
請負契約で仕事を完成できないまま契約が終わった場合、すでにした仕事で注文者が利益を受けていても、請負人は報酬を一切請求できない。
× 誤り 2020年施行の改正民法で、可分な部分の給付で注文者が利益を受けるときは、その部分を完成とみなし、利益の割合に応じて報酬を請求できると定められました(634条)。 請負契約
注文者が提供した材料や注文者の指図が原因で生じた契約不適合については、請負人がその不適当さを知りながら告げなかった場合を除き、注文者は請負人の責任を追及できない。
◯ 正しい 民法636条の定めです。AI開発では性能が提供データに左右されるため、データに起因する問題の扱いを契約で明確にしておくことが大切です。 請負契約
AI・データの利用に関する契約ガイドラインは、データの取引を扱うデータ編と、AIを使ったソフトウェアの開発・利用を扱うAI編の2つで構成されている。
◯ 正しい データ編はデータの提供や共用の契約を、AI編は学習済みモデルの開発や利用の契約を扱います。同じ名前のもとに2つの文書があると押さえておきます。 AI・データの利用に関する契約ガイドライン
このガイドラインと異なる内容の契約を結ぶと、その契約は無効になる。
× 誤り ガイドラインは契約の考え方やひな形を示す参考資料で、法的拘束力はありません。当事者が合意すれば、ガイドラインと異なる条件でも契約できます。 AI・データの利用に関する契約ガイドライン
AI編が開発を段階に分けて進める方式を示した理由の1つは、学習済みモデルの性能が学習用のデータに左右され、契約を結ぶ時点では成果を見通しにくいことにある。
◯ 正しい そのためAI編は、アセスメント、PoC、開発、追加学習の各段階で結果を確かめ、次に進むかを当事者が判断する探索的段階型を示しています。 AI・データの利用に関する契約ガイドライン
NDAを結んでおけば、契約の当事者でない第三者が秘密情報を不正に入手した場合にも、そのNDAにもとづいて第三者に使用の差止めを求められる。
× 誤り 契約が拘束するのは原則として当事者だけです。第三者に対しては、情報が営業秘密に当たる場合の不正競争防止法など、法律による保護を使います。 NDA(秘密保持契約)
NDAでは一般に、開示を受けた時点ですでに公知だった情報や、受領者が独自に開発した情報を、秘密情報から除く規定を置く。
◯ 正しい 受領者が本来自由に使える情報まで縛らないための例外です。開示前から持っていた情報や、第三者から正当に入手した情報も除くのが一般的です。 NDA(秘密保持契約)
取引先とNDAを結んだうえで情報を開示することは、その情報を営業秘密として保護するために必要な秘密管理性を示す手段の1つになる。
◯ 正しい 営業秘密と認められるには、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件が必要です。秘密保持の約束は、秘密として扱う意思を相手に示す措置になります。 NDA(秘密保持契約)
準委任契約の受託者は、委託された事務を、善良な管理者の注意をもって処理する義務を負う。
◯ 正しい 民法656条で準用される644条の善管注意義務です。仕事の完成は約束しませんが、その立場の専門家に通常求められる注意を尽くす必要があります。 準委任契約
準委任契約では、成果物の引渡しに対して報酬を支払うという定め方はできない。
× 誤り 2020年施行の改正民法で、成果に対して報酬を支払う成果完成型(648条の2)が明文化されました。作業量や期間に応じて支払う履行割合型もあります。 準委任契約
準委任契約は、民法上、各当事者がいつでも解除できる。
◯ 正しい 委任の規定(651条1項)が準用されます。ただし、相手方に不利な時期に解除した場合などは、やむを得ない事由がない限り損害賠償が必要です。 準委任契約
テストデータで正解率95%を達成したモデルは、本番の環境で入力されるどのようなデータに対しても、正解率95%を出せる。
× 誤り テストデータでの値は、そのデータでの成績にすぎません。本番では学習時と傾向の違う未知のデータが入ってくるため、同じ精度が出るとは限りません。 精度保証
精度に関する契約の条項には、一定の精度を約束するものだけでなく、出力の正確さを保証しないと明記するものもある。
◯ 正しい 多数の利用者向けのAIサービスの利用規約では、出力の正確さを保証しない旨を定める例がよくあります。保証の有無も、契約前の確認点です。 精度保証
精度保証で約束する指標は正解率に限られず、適合率や再現率など、用途に合った指標を選んで定めることができる。
◯ 正しい たとえば不良品の見逃しを減らしたい検査では、再現率が重要になります。何を「精度」とするかを用途に合わせて決めておくことが、紛争の予防につながります。 精度保証
保守契約は、作業の内容によって、準委任契約として結ぶことも、請負契約として結ぶこともある。
◯ 正しい 一定期間の監視や問い合わせ対応のように作業そのものを約束するなら準委任、特定の改修を仕上げて納めるなら請負の性質をもちます。契約の名前ではなく内容で判断されます。 保守契約
保守契約を準委任契約として結んだ場合、受託者は、善良な管理者の注意をもって保守の作業を行う義務を負う。
◯ 正しい 準委任には委任の規定が準用され、受託者は善管注意義務を負います(民法644条、656条)。 保守契約
経済産業省の契約ガイドライン(AI編)が示す探索的段階型は、開発段階でモデルを納めた時点で終わり、その後の段階は想定していない。
× 誤り 開発段階の後に、追加のデータで学習済みモデルを学習し直す追加学習段階が置かれています。この段階のモデル契約は示されていないため、内容は当事者が契約で決めます。 保守契約
準委任契約の受託者は、仕事を完成させる義務は負わないが、善良な管理者の注意をもって事務を処理する義務を負う。
◯ 正しい 準委任には委任の規定が準用され、受任者は善管注意義務を負います(民法644条、656条)。注意を尽くしていれば、期待した成果が出なくても直ちに責任を負うわけではありません。 請負契約と準委任契約の違い
成果物の引渡しに対して報酬を支払うと定めた契約は、必ず請負契約になる。
× 誤り 2020年施行の改正民法で、成果に対して報酬を支払う成果完成型の準委任が明文化されました(648条の2)。請負かどうかは、仕事の完成義務を負うかで決まります。 請負契約と準委任契約の違い
請負契約で引き渡されたシステムに契約の内容に合わない不具合があっても、注文者は修補を求めることはできず、損害賠償を請求できるだけである。
× 誤り 請負には売買の契約不適合責任の規定が準用されます(民法559条)。注文者は、修補などの追完、報酬の減額、損害賠償、解除を求められます。 請負契約と準委任契約の違い
AIサービス提供契約
要点を読むSaaSの利用規約が民法の定型約款に当たる場合、利用者は、その規約を契約の内容とすることに合意していれば、個別の条項を読んでいなくても、原則としてそれらの条項に合意したものとみなされる。
◯ 正しい 民法548条の2第1項の定めです。提供者があらかじめ、定型約款を契約の内容とする旨を表示していた場合も同じです。ただし、相手方の利益を一方的に害する条項は、同条2項により合意しなかったものとみなされます。 SaaS
NISTによるクラウドの定義では、SaaSは、パブリッククラウドやプライベートクラウドと同じく、配置モデルの1つに分類されている。
× 誤り SaaSは、IaaS、PaaSと並ぶサービスモデルの1つです。パブリッククラウドやプライベートクラウドは、誰が使うかで分ける配置モデルで、別の分類の軸です。 SaaS
SaaSの料金は、ソフトウェアを買い取る形ではなく、月額・年額の定額や、利用量に応じて支払う形が一般的である。
◯ 正しい 利用者はソフトウェアを所有せず、使う権利に対して継続して支払います。初期費用を抑えて始めやすい反面、使い続ける限り費用がかかります。 SaaS
契約で定めたデータの利用条件は、原則として契約の当事者の間でだけ効力をもち、契約を結んでいない第三者を直接には拘束しない。
◯ 正しい データには所有権が及ばず、契約による取り決めは、原則として契約の相手方にしか主張できません。第三者に渡った場合に備えるには、不正競争防止法の営業秘密や限定提供データとして保護される管理をしておくことも大切です。 データ利用権
経済産業省の契約チェックリスト(2025年2月)は、入力したデータについて、汎用的なAIの学習に使われる場合、サービス提供に必要な範囲でのみ学習に使われる場合、学習に使われない場合を分けて整理している。
◯ 正しい どの場合に当たるかで、情報が漏れたり、ほかの利用者向けの改善に使われたりするリスクが変わります。利用規約を確かめるときの基本的な区分です。 データ利用権
経済産業省の契約ガイドライン(データ編)は、データの利用権限を、データを最初に取得した当事者にすべて帰属させるという一律のルールを示している。
× 誤り 一律のルールは示していません。各当事者がデータの生成にどう関わったか(寄与の程度)などを考えて、利用権限を契約で調整する考え方をとっています。 データ利用権