1行定義
創作性とは、表現に作者の何らかの個性が表れていることを求める、著作物として著作権法で保護されるための要件のことです。
くわしく
創作性は、ある表現が著作物として保護されるかを分ける要件です。著作権法2条1項1号は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定めています。この「創作的に」の部分が創作性です。
求められるのは個性の表れ
創作性は、高い芸術性や学術的な価値を意味しません。表現に作者の何らかの個性が表れていれば足りるとされています。子どもの絵や日常のスナップ写真でも、描き方や構図に個性が表れていれば、著作物になりえます。
特許法の新規性とも違います。特許は、すでに知られた発明と同じなら認められません。著作権では、既存の作品と似ていても、それを知らずに独自に創作したものであれば、その人の著作物として保護されえます。
創作性が認められないもの
他人の作品をそのまま写しただけのものや、誰が書いても同じようになるありふれた表現には、創作性がありません。短い定型のあいさつ文や、ごく一般的な言い回しなどです。なお、単なる事実やデータ、表現に至らないアイデアや作風は、創作性とは別の要件を欠くため、著作物に当たりません。
選び方や並べ方の創作性
個々の素材が著作物でなくても、素材の選択や配列に創作性があれば、編集著作物として保護されます(12条)。情報の選択や体系的な構成に創作性があるデータベースは、データベースの著作物です(12条の2)。
AI生成物と創作的寄与
AIは法的な人格をもたないため、著作者にはなりません。AI生成物が著作物になるかは、利用した人に創作的寄与があるかで判断されます。文化審議会著作権分科会法制度小委員会の「AIと著作権に関する考え方について」(2024年)は、指示が表現に至らないアイデアにとどまる場合、著作物性は認められないとしています。判断の要素には、指示・入力の分量と内容、生成の試行回数、複数の生成物からの選択を挙げます。ただし、試行回数の多さや単なる選択だけでは、創作的寄与にならないとしています。
覚え方
「上手さや新しさではなく、その人らしさ」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
高い芸術性や新規性は要らず個性が表れていれば足りる点、ありふれた表現には認められない点、AI生成物で人の創作的寄与があるかが問われる場面を、具体例で判断させる形で出題されます。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 創作性このページの用語 | 表現に作者の何らかの個性が表れていることを求める、著作物として著作権法で保護されるための要件 |
| 新規性 | 発明が特許出願の前に公然知られたり、公然実施されたり、刊行物やインターネットで公開されたりしていないことを求める特許の要件 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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著作権法上の創作性が認められるには、特許の要件と同じく、それまで世の中になかった新しい表現であること(新規性)が必要である。
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答え × 誤り
創作性は、作者の個性が表れていれば足ります。既存のものより新しいかどうかを問う新規性は、特許法の要件です。
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幼い子どもが描いた絵であっても、描き方に描いた子の個性が表れていれば、創作性が認められうる。
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答え ◯ 正しい
創作性に高い芸術性や技術は要りません。文化庁の著作権テキストも、上手か下手か、芸術的な価値があるかは関係ないとしています。
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スマートフォンで撮った写真は機械が自動的に写したものなので、構図やシャッターを切る瞬間を工夫していても、創作性が認められることはない。
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答え × 誤り
写真は著作物の例に挙げられています(10条1項8号)。構図や光の具合、シャッターを切る瞬間などの選び方に撮影者の個性が表れていれば、創作性が認められます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目2 著作権法)
- 著作権法(e-Gov法令検索) (2条1項1号・2号、10条、12条、12条の2)
- 文化庁著作権課「著作権テキスト -令和8年度版-」 (5.「著作物」とはなにか、6.だれが著作者となるのか)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日) (2.(1)ア 著作権法で保護される著作物の範囲、5.(3)生成物の著作物性について)