1行定義
知的財産権とは、発明、著作物、商標などの知的財産について、法令で定められた権利や、法律上保護される利益に係る権利をまとめた呼び名のことです。
くわしく
知的財産権は、人の知的な創作の成果や、商品・サービスの目印などを守る権利をまとめた呼び名です。知的財産基本法2条2項は、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利、または法律上保護される利益に係る権利と定めています。
2つのグループ
特許庁は、知的財産権を大きく2つに分けて説明しています。
- 知的創造物についての権利:特許権(発明)、実用新案権(考案)、意匠権(デザイン)、著作権(著作物)、育成者権(植物の新品種)、営業秘密の保護などです。創作する意欲を促すことが目的です。
- 営業上の標識についての権利:商標権、商号などです。目印を使う人の信用を守ることが目的です。
このうち特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つを産業財産権といい、特許庁が所管しています。
権利の発生と存続期間
産業財産権は、特許庁に出願し、設定の登録を受けることで発生します。著作権は、創作した時点で手続なしに発生します(無方式主義)。
- 特許権:出願の日から20年(特許法67条、延長の制度あり)
- 実用新案権:出願の日から10年(実用新案法15条)
- 意匠権:出願の日から25年(意匠法21条)
- 商標権:設定の登録の日から10年。更新できます(商標法19条)。
- 著作権:原則として著作者の死後70年(著作権法51条)
AI開発との関係
AIを使った新しい処理の方法やその応用は、発明の要件を満たせば、特許の対象になりえます。ソースコードは、プログラムの著作物として保護されえます。一方、学習用データや学習済みモデルのパラメータは、これらの権利では守りにくい場合があります。そのため、営業秘密や限定提供データとして不正競争防止法で守ったり、契約で利用の条件を定めたりします。
覚え方
「作ったものを守る権利」と「目印を守る権利」の2つに分けて覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
特許権・著作権・商標権などの種類と保護する対象、権利の発生に登録が要るか、存続期間の違いを比べる形や、AIの手法・プログラム・データをどの権利で守れるかを事例で問う形で出題されます。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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知的財産基本法が定める「知的財産」には、発明や著作物だけでなく、営業秘密その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報も含まれる。
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答え ◯ 正しい
知的財産基本法2条1項の定義です。営業秘密は、登録の制度ではなく、不正競争防止法によって保護されます。
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商標権は、特許権と同じく出願の日から20年で終了し、更新することはできない。
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答え × 誤り
商標権の存続期間は設定の登録の日から10年で、更新登録の申請によって更新できます(商標法19条)。使い続けることで積み重なる目印の信用を守る権利だからです。
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特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つは産業財産権と呼ばれ、特許庁が所管している。
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答え ◯ 正しい
4つとも、特許庁への出願を経て設定の登録を受けることで発生します。著作権は文化庁の所管で、創作した時点で手続なしに発生します。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目3 特許法)
- 知的財産基本法(e-Gov法令検索) (2条1項・2項)
- 特許法(e-Gov法令検索) (66条1項、67条)
- 実用新案法(e-Gov法令検索) (15条)
- 意匠法(e-Gov法令検索) (21条)
- 商標法(e-Gov法令検索) (19条)
- 著作権法(e-Gov法令検索) (17条2項、51条)
- 特許庁「知的財産権について」
- 文化庁著作権課「著作権テキスト -令和8年度版-」 (2.知的財産権について)