1行定義
匿名加工情報とは、特定の個人を識別できず、元の個人情報に復元することもできないように個人情報を加工した情報のことです。
くわしく
匿名加工情報は、個人情報を「誰のものか分からず、元にも戻せないデータ」に作り替え、本人の同意なしに活用できるようにする仕組みです。2015年の個人情報保護法改正で設けられ、2017年5月に施行されました。購買履歴や移動履歴を他社と共有したり販売したりして、統計分析やAIの学習に使う場面を想定しています。
加工の基準
作成する事業者は、個人情報保護委員会規則の基準に従って加工します。主な内容は次のとおりです。
- 氏名など、特定の個人を識別できる記述の削除
- 個人識別符号(指紋データ、マイナンバーなど)の全部の削除
- 元の個人情報と結び付けるIDの削除
- 極端に珍しい値など、特異な記述の削除
- データの性質に応じたそのほかの措置
年齢を「30代」にまとめる、住所を市区町村までにするといった一般化もよく使われます。
作成後と提供時のルール
作成した事業者は、含まれる情報の項目を公表します。第三者に提供するときは、項目と提供方法を公表し、提供先に匿名加工情報であることを明示します。本人の同意は要りません。
その代わり、本人を特定する行為は禁じられています。作成した事業者は、本人を識別するために他の情報と照合してはいけません。受け取った事業者も、照合することや、削除された情報・加工方法を手に入れることが禁止されています。
仮名加工情報との違い
2022年4月に始まった仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り個人を識別できない程度の加工で足ります。ただし、第三者への提供は原則としてできず、社内での分析に向いた制度です。匿名加工情報は、復元できない水準まで加工する代わりに、外部への提供が認められます。
覚え方
「匿名は名前も戻り道も消すから外に出せる。仮名は対応表が残るから社内専用」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
仮名加工情報と対比させ、復元できるかどうか、第三者提供の可否、本人同意の要否を問う形がよく見られます。作成時・提供時の公表義務や識別行為の禁止も問われます。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 匿名加工情報このページの用語 | 特定の個人を識別できず、元の個人情報に復元することもできないように個人情報を加工した情報 |
| 仮名加工情報 | 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように、氏名などを削除・置換して個人情報を加工した情報 |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
氏名を削除しただけで、社内の会員台帳と照合すれば本人が分かる状態のデータは、匿名加工情報に当たらない。
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答え ◯ 正しい
匿名加工情報は、特定の個人を識別できず、復元もできない水準まで加工したものです。照合で本人が分かるなら、個人情報として扱います。
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匿名加工情報の提供を受けた事業者は、作成元の事業者が了解していれば、本人を識別するために加工の方法に関する情報を取得してもよい。
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答え × 誤り
提供を受けた事業者は、本人を識別するために、削除された記述等や加工方法の情報を取得することも、他の情報と照合することも禁止されています(法45条)。作成元の了解があっても例外にはなりません。
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匿名加工情報を作成した事業者は、その情報に含まれる個人に関する情報の項目を公表しなければならない。
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答え ◯ 正しい
作成時に項目を公表します(法43条3項)。第三者に提供するときは、項目と提供方法を公表し、提供先に匿名加工情報である旨を明示します(同条4項)。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目1 個人情報保護法)
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索) (2条6項、43条〜46条)
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(仮名加工情報・匿名加工情報編)」