1行定義
要配慮個人情報とは、人種、信条、病歴、犯罪の経歴など、不当な差別や偏見につながらないよう取扱いに特に配慮を要する個人情報のことです。
くわしく
要配慮個人情報は、他人に知られると差別や偏見などの不利益を受けるおそれが大きい情報を、通常の個人情報より厳しく扱うための区分です。2015年の個人情報保護法改正で設けられ、2017年5月に施行されました。
何が当たるか
法律は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実を挙げています。政令で次のものが加わります。
- 心身の機能の障害があること
- 医師等による健康診断その他の検査の結果
- 医師等による指導・診療・調剤が行われたこと
- 被疑者・被告人として刑事事件の手続が行われたこと
- 少年の保護事件の手続が行われたこと
一方、国籍だけの情報や、宗教書の購入履歴のように要配慮個人情報を推測させるにとどまる情報は含まれません。
通常の個人情報との違い
1つ目は取得です。法令に基づく場合、人の生命・身体・財産を守るために必要で本人の同意を得ることが難しい場合、本人や報道機関などが公開している場合などの例外を除き、あらかじめ本人の同意が必要です。通常の個人情報は、利用目的を通知・公表すれば同意なく取得できます。
2つ目は第三者提供です。本人が求めれば提供を止める前提で同意なく提供できるオプトアウト方式は、要配慮個人情報には使えません。
3つ目は漏えい時の対応です。要配慮個人情報を含む個人データが漏えいした場合は、高度な暗号化などの措置がない限り、1件でも個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要です。
AIとの関係
医療AIの開発や、SNSの投稿を集めて学習させる場面では、要配慮個人情報が混ざりやすくなります。2026年7月に公布された改正法では、統計作成等(統計作成等と整理できるAI開発等を含む)にのみ利用する場合に限り、公開されている要配慮個人情報を本人の同意なく取得できる特例が設けられました。施行は原則として公布から2年以内とされ、2026年10月30日時点ではまだ施行されていません。
G検定での出題
出題のされ方
病歴や健康診断の結果、国籍などが該当するかを判断させる形や、取得時の本人同意、オプトアウトによる第三者提供の禁止を通常の個人情報と比べて問う形で出題されます。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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単に国籍が外国であるという情報は、それだけで要配慮個人情報の「人種」に当たる。
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答え × 誤り
個人情報保護委員会のガイドラインでは、単純な国籍や「外国人」という情報は法的地位であり、それだけでは人種に含まないとされています。
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医師等が行った健康診断の結果は、要配慮個人情報に当たる。
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答え ◯ 正しい
政令(個人情報保護法施行令2条2号)が、医師等による健康診断その他の検査の結果を要配慮個人情報に含めています。
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宗教に関する書籍を購入したという履歴は、本人の信条を推測させるため、それだけで要配慮個人情報に当たる。
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答え × 誤り
ガイドラインは、要配慮個人情報を推知させるにとどまる情報(宗教書の購買や貸出しの履歴など)は要配慮個人情報に含まないとしています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目1 個人情報保護法)
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索) (2条3項、20条2項、26条1項、27条2項)
- 個人情報の保護に関する法律施行令(e-Gov法令検索) (2条)
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 (2-3 要配慮個人情報)
- 個人情報保護委員会「令和8年 改正個人情報保護法について」