◯×一問一答・第2章

G検定 人工知能をめぐる動向 一問一答(111問)

探索・推論からエキスパートシステム、ディープラーニングに至る研究の流れをたどります。説明文が正しいか誤りかを、◯か×で答えます。

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全分野から出題する人工知能をめぐる動向の要点と練習問題

収録している問題

111問

答えは問題を開くと表示されます。くわしい解説は各用語のページにあります。

探索・推論

35問 要点を読む
  1. αβ法のαは自分の側がすでに確保できている評価値の下限を、βは相手の側が許す評価値の上限を表す。

    ◯ 正しい 探索しながらαとβを更新し、αがβ以上になった時点で、その先の枝は結果に影響しないので調べるのをやめます。 αβ法

  2. αβ法は、Mini-Max法と異なり、末端の局面の評価値を使わずに勝敗を予測する方法である。

    × 誤り αβ法はMini-Max法の計算を省く工夫です。末端の局面の評価には、Mini-Max法と同じ評価値(評価関数)を使います。 αβ法

  3. 自分の手番で、1つ目の候補手の価値が5と確定した後、2つ目の候補手に対する相手の最初の応手が評価値7だった場合も、2つ目の候補手への残りの応手は調べずに省いてよい。

    × 誤り 2つ目の手の価値は7以下と分かるだけで、5より大きい可能性が残ります。残りの応手に5以下の値がないかを調べるまで、枝刈りはできません。 αβ法

  4. 毎回10通りの選択肢がある探索で、コンピュータの計算速度が10倍になれば、同じ時間で先読みできる手数もおよそ10倍に増える。

    × 誤り 候補の数は10の手数乗で増えるため、計算速度が10倍になっても、同じ時間で読める手数は1手増えるだけです。速度の向上だけでは組合せ爆発を乗り越えられません。 組合せ爆発

  5. 囲碁の19路盤で、ルール上ありうる局面の数は、約2.1×10の170乗と計算されている。

    ◯ 正しい John Trompらが2016年に正確な値を求めました。局面の数だけでこの規模になるため、すべてを調べ尽くすことはできません。 組合せ爆発

  6. 1973年に英国で公表されたライトヒル報告は、AI研究が期待どおりに進まなかった一般的な原因として、組合せ爆発の影響を十分に認識していなかったことを挙げた。

    ◯ 正しい 小さな問題で通用した方法が、現実の規模では候補の急増に阻まれると指摘しました。経験則を使う方法への転換が必要だとも述べています。 組合せ爆発

  7. SHRDLUは、会話の中で利用者が定義した新しい言葉を覚え、その後の質問や指示でその言葉を使うことができた。

    ◯ 正しい たとえば、緑の立方体2つとピラミッド1つを積んだものを「steeple」と呼ぶと教えると、その言葉を使った質問に答えたり、同じものを組み立てたりできました。 SHRDLU

  8. SHRDLUは、大量の会話の記録から単語の出現確率を学習することで、英語の文を理解していた。

    × 誤り SHRDLUは、文法や単語の意味、積み木の世界の知識を、人がプログラムとして書き込んで動いていました。データから統計的に学ぶ方式ではありません。 SHRDLU

  9. SHRDLUは、なぜその積み木を動かしたのかを問われると、受けた指示や途中の目的をたどって答えることができた。

    ◯ 正しい 自分の行動の履歴と目的を記憶していたためです。たとえば、ある積み木を動かした理由として、別の積み木の上を空けるためだったと答えられました。 SHRDLU

  10. STRIPSでは、行動の記述で追加も削除もされない事実は、その行動を実行したあとも変わらず成り立つものとして扱う。

    ◯ 正しい 変わる事実だけを書けばよいので、記述と推論の手間を大きく減らせます。行動で変わらない事柄をどう扱うかは、フレーム問題として議論されてきた論点です。 STRIPS

  11. STRIPSは、行動の結果として得られる報酬をもとに、試行錯誤を通じて行動の選び方を学習する手法である。

    × 誤り STRIPSは、人が記述した行動の定義を使い、目標に至る手順を探索で求めるプランニングの手法です。報酬から行動の選び方を学ぶのは強化学習です。 STRIPS

  12. 探索木では、出発点の状態を根とし、ある状態から1回の操作で移れる状態を、その子ノードとして表す。

    ◯ 正しい 根から枝をたどる経路が操作の手順にあたります。ゴールの状態に着く経路が見つかれば、それが問題の解です。 探索木

  13. 探索木は、探索を始める前に、すべてのノードをあらかじめメモリ上に作っておく必要がある。

    × 誤り 探索木は、探索を進めながら、調べる部分だけを順に展開していきます。すべてを先に作ろうとすると、組合せ爆発でノードが膨大になり、メモリが足りなくなります。 探索木

  14. 決定木と探索木はどちらも木の形をしているが、決定木は特徴量の条件でデータを分けて予測するモデルであり、解の手順を探す探索木とは目的が異なる。

    ◯ 正しい 決定木は教師あり学習の手法です。探索木は、第1次AIブームの探索・推論で使われた問題の表し方です。 探索木

  15. ハノイの塔で円盤を1枚増やすと、最短手数は、増やす前の最短手数の2倍に1を足した数になる。

    ◯ 正しい 上の円盤をすべて移し、いちばん下の円盤を1手で動かし、上の円盤をその上へ移し直すためです。たとえば4枚の15手から、5枚では15×2+1=31手になります。 ハノイの塔

  16. ハノイの塔を深さ優先探索で解くと、最初に見つかる解は必ず最短手数の解になる。

    × 誤り 深さ優先探索は1つの道筋を深くたどるため、遠回りの手順を先に見つけることがあります。最初に見つかる解が最短になるのは、浅い順に調べる幅優先探索です。 ハノイの塔

  17. ハノイの塔は、2人のプレイヤーが交互に円盤を動かして勝ち負けを競うゲームであり、Mini-Max法で手を選ぶのが一般的である。

    × 誤り ハノイの塔は1人で解くパズルで、相手はいません。初期状態からゴールまでの手順を探す問題なので、幅優先探索などの探索の方法で解きます。 ハノイの塔

  18. 幅優先探索では、これから調べるノードを、先に入れたものから先に取り出す待ち行列(キュー)で管理する。

    ◯ 正しい 先入れ先出しで取り出すので、浅いノードから順に調べられます。深さ優先探索では後入れ先出しのスタックを使います。 幅優先探索

  19. 移動ごとにかかるコストが異なる問題では、幅優先探索で最初に見つかる解が、合計コストの最も小さい解とは限らない。

    ◯ 正しい 幅優先探索が保証するのは、手数(段数)が最も少ない解です。コストの違いを考えるには、均一コスト探索など別の方法が必要です。 幅優先探索

  20. 幅優先探索は、ゴールに近そうなノードを評価関数で見積もり、見込みの良い順に調べる探索である。

    × 誤り 見込みの良さで順番を決めるのはヒューリスティック探索(最良優先探索など)です。幅優先探索は深さの順に機械的に調べます。 幅優先探索

  21. 深さ優先探索で、行き止まりに着いたときに1つ前の分かれ道まで戻り、まだ調べていない枝に進む動きをバックトラックという。

    ◯ 正しい バックトラック(後戻り)をくり返すことで、1本ずつ順にすべての枝を調べられます。 深さ優先探索

  22. 深さ優先探索は、探索木が無限に深い場合や同じ状態を何度も訪れる場合に、解があっても見つけられないことがある。

    ◯ 正しい 1本の枝をたどり続けるおそれがあるため、深さに上限を設ける深さ制限探索などの工夫が使われます。 深さ優先探索

  23. 深さ優先探索で最初に見つかった解は、出発点からの手数が最も少ない解であることが保証される。

    × 誤り 手数最小の解が保証されるのは幅優先探索です。深さ優先探索は、先に選んだ枝の奥で遠回りの解を見つけることがあります。 深さ優先探索

  24. 1997年にチェスの世界チャンピオンに勝ったディープブルーは、初期局面から終局までのすべての手順を調べ尽くして指し手を決めていた。

    × 誤り チェスの手順は10の120乗程度と見積もられ、調べ尽くせません。ディープブルーは膨大な局面を調べましたが、枝刈りと評価関数で探索を打ち切っていました。 ブルートフォース

  25. 1つの局面で選べる手が30通りあるゲームで、10手先まですべての手順を調べる場合、調べる手順の数は30×10=300通りである。

    × 誤り 手順の数は掛け算で増え、30の10乗、約5.9×10の14乗通りになります。深さとともに指数関数的に増えるのが組合せ爆発です。 ブルートフォース

  26. αβ法は、Mini-Max法と同じ手を選びながら、結果に影響しない枝の探索を省くため、すべての局面を調べるより計算量を減らせる。

    ◯ 正しい 評価する必要のない枝を刈り込む(枝刈り)ことで、総当たりより少ない計算で同じ結論に達します。 ブルートフォース

  27. Mini-Max法で使う評価値は局面の有利さを表す数値で、終局まで読み切れない場合は途中の局面の値を評価関数で見積もる。

    ◯ 正しい チェスなどは終局まで読み切れないため、途中の局面の有利さを評価関数で数値にします。シャノンが1950年の論文でこの考え方を示しました。 Mini-Max法

  28. Mini-Max法は、相手が悪い手を選ぶことを前提に、その失敗から得られる利益が最も大きくなる手を選ぶ方法である。

    × 誤り 逆です。相手は常に自分にとって最も不利な手を選ぶと仮定し、最悪の場合でも得られる評価値が最大になる手を選びます。 Mini-Max法

  29. 自分の候補手がAとBで、Aに対する相手の応手の評価値が3と9、Bに対する応手の評価値が5と6のとき、Mini-Max法で選ばれるのはBである。

    ◯ 正しい 相手は最小を選ぶので、Aの価値はmin(3, 9)=3、Bの価値はmin(5, 6)=5です。自分は大きいほうのBを選びます。 Mini-Max法

  30. 1辺1の正方形の中にランダムに点を打ち、半径1の四分円に入った点の割合からπを推定する方法は、モンテカルロ法の一例である。

    ◯ 正しい 正方形に対する四分円の面積の比はπ/4です。点の数を増やすほど、割合を4倍した値はπに近づきます。 モンテカルロ法

  31. モンテカルロ法という名前は、この方法を最初に考案した研究者の名前に由来する。

    × 誤り カジノで知られるモナコのモンテカルロ地区にちなむ名前で、偶然(乱数)を使う方法であることを表しています。 モンテカルロ法

  32. モンテカルロ木探索は、有望そうな手ほど多くの試行を割り当てながら探索木を少しずつ広げる方法で、囲碁AIの性能を大きく高めた。

    ◯ 正しい すべての候補手に均等に試行を配る方法を改良したものです。2000年代後半から囲碁AIで使われ、アルファ碁も採用しました。 モンテカルロ法

  33. これから調べるノードを後入れ先出しのスタックで管理すると深さ優先探索に、先入れ先出しのキューで管理すると幅優先探索になる。

    ◯ 正しい スタックでは直前に展開したノードの子から調べるので、奥へ奥へと進みます。キューでは先に加えた浅いノードから順に調べるので、1段ずつ広がります。 深さ優先探索と幅優先探索の違い

  34. 枝分かれの数が有限な問題でも、同じ状態に戻るループがあると、幅優先探索は解があっても見つけられなくなる。

    × 誤り 幅優先探索は浅い順に調べるため、ループで同じ状態が重複しても、解のある深さまでいずれ到達します。ループで解に届かなくなるおそれがあるのは、1本の枝をたどり続ける深さ優先探索です。 深さ優先探索と幅優先探索の違い

  35. 深さの上限を1つずつ広げながら深さ優先探索をくり返す反復深化深さ優先探索は、少ないメモリのまま、幅優先探索と同じく手数が最小の解を見つけられる。

    ◯ 正しい 上限の深さまでは深さ優先で調べるので、保持するノードは少なく済みます。浅い上限から順に試すため、最初に見つかる解は手数が最小です。Korfの1985年の論文が、この方法の効率を分析しています。 深さ優先探索と幅優先探索の違い

知識表現とエキスパートシステム

43問 要点を読む
  1. 意味ネットワークでは、リンクに「is-a」「part-of」などのラベルを付けて、概念どうしの関係の種類を区別する。

    ◯ 正しい 関係の種類によって成り立つ推論が変わるため、リンクの意味をラベルで明示します。 意味ネットワーク

  2. 意味ネットワークでは、上位概念に書いた性質を、is-aの関係をたどって下位概念に引き継がせることができる。

    ◯ 正しい 「鳥は飛べる」を鳥に書けば、「スズメは鳥の一種」から「スズメは飛べる」を導けます。これを性質の継承と呼びます。 意味ネットワーク

  3. 意味ネットワークは、大量の文章から統計的に学習した数値のベクトルで、単語の意味を表す方法である。

    × 誤り それは分散表現(単語埋め込み)の説明です。意味ネットワークは、人が概念と関係を記号で書き表す知識表現です。 意味ネットワーク

  4. イライザ(ELIZA)のよく知られた使い方は、相手の発言を受けて問い返す心理療法のカウンセラー役を演じさせるものだった。

    ◯ 正しい DOCTORと呼ばれる台本(スクリプト)です。カウンセラーは自分の知識を示さずに質問を返しても不自然ではないため、単純な仕組みでも会話が成り立ちました。 イライザ(ELIZA)

  5. イライザ(ELIZA)は、大量の会話データから応答のしかたを統計的に学習する仕組みで動いていた。

    × 誤り 応答は、キーワードと文型に対応づけた規則を人間があらかじめ書いたものです。データから学習する仕組みはもっていません。 イライザ(ELIZA)

  6. 単純な仕組みで応答しているだけのプログラムに対しても、人がそこに理解や感情があると感じてしまう傾向は、イライザ効果と呼ばれる。

    ◯ 正しい ELIZAと話した人の中に、相手が自分を理解していると感じて打ち明け話をする人がいたことにちなむ呼び名です。 イライザ(ELIZA)

  7. 知識表現の分野でいうインタビューシステムとは、企業の採用面接で応募者の受け答えを評価するAIのことである。

    × 誤り ここでのインタビューシステムは、エキスパートシステムを作るために、専門家から知識を聞き出す作業を支援する仕組みです。 インタビューシステム

  8. TEIRESIASは、マイシン(MYCIN)の推論が誤ったとき、専門家が対話を通じて原因のルールを探し、直したり新しいルールを加えたりできるよう支援した。

    ◯ 正しい 1970年代にデイビスが開発しました。推論の過程を示して誤りの箇所を絞り込み、専門家の知識を知識ベースに取り込む手助けをしました。 インタビューシステム

  9. インタビューシステムを使えば、専門家が言葉にしにくい経験的な知識も含めて、必要な知識をすべて知識ベースに取り込める。

    × 誤り 質問を工夫すれば聞き出せる知識は増えますが、言葉にしにくい知識をすべて取り出すことはできません。この限界は、データから学ぶ機械学習が重視されるようになった一因です。 インタビューシステム

  10. PageRankは、リンクの数だけでなく、リンク元のページの重要度も考慮して、各ページの重要度を計算する。

    ◯ 正しい 重要なページからリンクされるほど、そのページの評価も高くなります。ブリンとペイジが1998年の論文で示し、検索エンジンの順位付けに使われました。 ウェブマイニング

  11. Web上のデータは形式のそろった表がほとんどなので、ウェブマイニングでは自然言語処理の技術は使われない。

    × 誤り Web上のデータは、書き方のばらばらな文章が多くを占めます。内容を分析するには、形態素解析などの自然言語処理が欠かせません。 ウェブマイニング

  12. エキスパートシステムが盛んに開発・導入されたのは、1980年代を中心とする第2次AIブームの時期である。

    ◯ 正しい 知識をコンピュータに与えて問題を解かせる考え方が中心となった時期です。第1次AIブームは探索・推論、第3次AIブームは機械学習が中心です。 エキスパートシステム

  13. 前向き推論では、すでにわかっている事実から出発し、条件が合うルールを次々にあてはめて結論を導く。

    ◯ 正しい 結論の候補から出発し、それを支える条件をさかのぼって確かめるのが後ろ向き推論です。 エキスパートシステム

  14. エキスパートシステムは研究段階にとどまり、企業の業務で実際に使われた例はなかった。

    × 誤り DEC社のXCON(R1)は、コンピュータの構成を決める作業を支援するシステムとして、1980年ごろから実務で使われました。 エキスパートシステム

  15. オントロジーという言葉は、もともと哲学で「存在とは何か」を扱う存在論を指し、それが知識表現の分野に取り入れられた。

    ◯ 正しい 情報科学では、グルーバーが1993年の論文で示した「概念化の明示的な仕様」という定義がよく引用されます。 オントロジー

  16. ライトウェイトオントロジーとは、概念の定義や関係を人が時間をかけて厳密に検討して作るオントロジーのことである。

    × 誤り それはヘビーウェイトオントロジーの説明です。ライトウェイトオントロジーは厳密さよりも実用性を重視し、データから自動で関係を取り出すことも許します。 オントロジー

  17. 部署によって「顧客」という言葉が指す範囲が違うと、データを統合したときに食い違いが起こる。オントロジーは、こうした用語の意味をそろえるのに役立つ。

    ◯ 正しい 用語が指す概念の範囲や、上位・下位の関係を明確に定義しておくと、異なる組織やシステムの間で知識を正しく共有できます。 オントロジー

  18. 質問応答システムが返す答えは、参照した文書から抜き出した語句に限られる。

    × 誤り 文章から答えの部分を抜き出す抽出型のほかに、答えの文を新たに作る生成型もあります。大規模言語モデルを使う質問応答の多くは生成型です。 Question-Answering(質問応答)

  19. オープンドメインの質問応答は、話題を特定の分野に限らず、幅広い質問に答えることを目指す。

    ◯ 正しい 分野を限るものはクローズドドメインと呼ばれます。クイズ番組で幅広い分野の問題に答えたワトソンは、オープンドメインの例です。 Question-Answering(質問応答)

  20. RAG(検索拡張生成)を使う質問応答では、質問に関連する文書を検索で集め、その内容を大規模言語モデルに参照させて回答を生成する。

    ◯ 正しい モデルが学習していない社内文書や新しい情報も、回答に反映できます。ただし誤りがなくなるわけではないため、根拠の文書を確かめる運用が必要です。 Question-Answering(質問応答)

  21. Cycプロジェクトは、特定の専門分野に限らず、人間なら誰でも知っている一般常識を記述しようとした点で、MYCINのような初期のエキスパートシステムと異なる。

    ◯ 正しい MYCINは感染症の診断という狭い分野の専門知識を扱いました。Cycは分野を問わない常識を対象にしたため、書くべき知識の量が桁違いに多くなりました。 Cycプロジェクト

  22. Cycプロジェクトは、開始から数年で一般常識の記述を終え、1990年ごろに完了した。

    × 誤り 1984年に始まり、1995年からはCycorp社が開発を引き継いで、数十年にわたって続けられました。常識を書き尽くすことの難しさを示す例です。 Cycプロジェクト

  23. Cycプロジェクトで記述された知識は、述語論理を拡張した専用の言語で表され、推論エンジンが書かれていない事実を導くのに使われる。

    ◯ 正しい 記述言語はCycLと呼ばれます。「すべての鳥は動物である」「動物は呼吸する」という知識から「鳥は呼吸する」を導くように、知識を組み合わせて推論します。 Cycプロジェクト

  24. RDFでは、情報を「主語・述語・目的語」の3つ組で表し、その組をつなげてデータどうしの関係を表現する。

    ◯ 正しい この3つ組をトリプルと呼びます。主語や述語をURI(IRI)というWeb上の識別子で表すため、別々のサイトにあるデータどうしを結びつけられます。 セマンティックWeb

  25. セマンティックWebは、現在のWebとは別の新しいネットワークを作り、既存のWebを置き換えることを目指した構想である。

    × 誤り 2001年の記事でも、セマンティックWebは別のWebではなく、現在のWebを拡張するものだと説明されています。既存のページやデータに意味の情報を付け加えます。 セマンティックWeb

  26. SPARQLは、RDFで表したデータに問い合わせを行い、条件に合うデータを取り出すための言語である。

    ◯ 正しい W3Cが標準として定めた問い合わせ言語です。関係データベースにおけるSQLに近い役割を、RDFのデータに対して果たします。 セマンティックWeb

  27. あらかじめ用意したシナリオに沿って応答するルールベース型のチャットボットは、想定していない言い回しの質問には適切に答えられないことが多い。

    ◯ 正しい 用意した規則に当てはまらない入力には対応できません。その反面、返す内容を事前にすべて確認しておけるため、手続きの案内など答えが決まっている用途に向きます。 チャットボット

  28. 大規模言語モデルを使ったチャットボットは、学習したデータにもとづいて文章を作るため、事実と異なる内容を答えることはない。

    × 誤り もっともらしい文章を生成する仕組みなので、事実と異なる内容を答えることがあります(ハルシネーション)。回答の正確性は、生成AIの課題としてよく指摘されます。 チャットボット

  29. 人と文章で対話するプログラムは、2022年のChatGPTの公開によって初めて実現した。

    × 誤り 1966年に論文で発表されたイライザ(ELIZA)をはじめ、文章で対話するプログラムは古くから作られてきました。ChatGPTは、大規模言語モデルによる対話を広く普及させたサービスです。 チャットボット

  30. KDD(データベースからの知識発見)の過程では、データマイニングは、データの選択や前処理などのあとに置かれ、パターンを取り出す段階を指す。

    ◯ 正しい ファイヤドらは、選択、前処理、変換、データマイニング、解釈・評価という流れで整理しました。前処理の質が結果を大きく左右します。 データマイニング

  31. データマイニングで見つかった規則は項目どうしの相関を示すもので、それだけで因果関係が確かめられたことにはならない。

    ◯ 正しい 季節など共通の要因による見かけの相関(擬似相関)や、偶然の一致の可能性があります。施策に使う前に、実験などの別の方法で確かめます。 データマイニング

  32. データマイニングの手法は、正解のラベルを使う分類や回帰に限られ、クラスタリングのように正解を使わない手法は含まれない。

    × 誤り 似たもの同士をグループにまとめるクラスタリングも、データマイニングの代表的な手法です。正解のない大量のデータから傾向を探す場面でよく使われます。 データマイニング

  33. DENDRALは、感染症の患者の検査結果から原因となる細菌を推定し、適した抗生物質を提案するシステムである。

    × 誤り これはMYCINの説明です。DENDRALは、質量分析のデータなどから有機化合物の分子構造を推定する、化学の分野のシステムです。 DENDRAL

  34. DENDRALは、条件を満たす分子構造の候補を生成し、それぞれから予想される測定データを実際のデータと比べて、候補を評価した。

    ◯ 正しい 計画・生成・テストの3段階で推論しました。専門家の知識で候補を絞り込むことで、膨大な組合せをすべて調べずに済むようにしました。 DENDRAL

  35. Meta-DENDRALは、構造がわかっている分子とその質量スペクトルの組から、分子が質量分析計の中で壊れるときの規則を推定しようとした。

    ◯ 正しい 知識を人から聞き取る代わりに、データから規則を自動で導く試みでした。知識の獲得がシステムづくりのボトルネックになるという問題意識から生まれました。 DENDRAL

  36. 「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトは、2021年度に東京大学の入試を突破することを目標の1つに掲げていた。

    ◯ 正しい あわせて、2016年度までに大学入試センター試験で高得点をとることも目標としていました。 東ロボくん

  37. 2016年度の東大入試を想定した論述式の模試では、数学の日本語の問題文を、人があらかじめ数式に書き直してから東ロボくんに解かせていた。

    × 誤り 国立情報学研究所の発表によると、問題文を計算できる形に変換し、数式処理で解くまでを人手を介さずに行いました。数学(理系)の偏差値は76.2でした。 東ロボくん

  38. マイシン(MYCIN)は、結論がどれくらい確からしいかを確信度という数値で表し、不確かな知識を扱えるようにしていた。

    ◯ 正しい 確信度(certainty factor)は-1から1の範囲の値です。医療の判断にともなうあいまいさに対応するための工夫でした。 マイシン(MYCIN)

  39. マイシン(MYCIN)は、専門医と比べた評価研究で良好な結果を示したため、病院の診療で日常的に広く使われた。

    × 誤り 評価研究では専門医と同等以上の評価を得ましたが、日常の診療では使われませんでした。誤った場合の責任や、診療の流れへの組み込みの難しさが壁になりました。 マイシン(MYCIN)

  40. マイシン(MYCIN)では、推論を行う部分と医学知識のルールの集まりが分けて作られていたため、推論の部分を他の分野のシステムづくりに流用できた。

    ◯ 正しい 医学知識を除いた推論の部分はEMYCINとして、他分野のエキスパートシステムを作るための道具(シェル)に使われました。 マイシン(MYCIN)

  41. ワトソンは、クイズ番組の対戦中もインターネットに接続し、その場でWebを検索して答えを探していた。

    × 誤り IBMによると、ワトソンはインターネットに接続せずに質問に答えました。答えの根拠となる大量の文書を、あらかじめ取り込んでいました。 ワトソン

  42. ワトソンは、ディープラーニングと強化学習による自己対戦を繰り返して能力を高め、クイズ番組で人間のチャンピオンに勝った。

    × 誤り 自己対戦による強化学習で強くなったのは、囲碁のアルファ碁です。ワトソンは、大量の文書から答えの候補と根拠を集め、多数のアルゴリズムの評価を統合して答えを選びました。 ワトソン

  43. ワトソンの技術は、クイズ番組での対戦のあと、コールセンターでの顧客対応の支援など、企業の業務にも使われた。

    ◯ 正しい IBMは、この質問応答の技術を企業向けのサービスとして提供しました。問い合わせへの回答の候補をオペレーターに示す使い方などが広がりました。 ワトソン

機械学習

15問 要点を読む
  1. 次元の呪いという言葉は、数学者リチャード・ベルマンが動的計画法の研究の中で用いたことで知られる。

    ◯ 正しい 状態を表す変数が増えると、計算すべき組合せが指数的に増えることを指して使われました。のちに機械学習でも広く使われるようになりました。 次元の呪い

  2. 高次元の空間では、データ点どうしの距離の差が小さくなりやすく、最も近い点と最も遠い点の区別がつきにくくなる。

    ◯ 正しい 距離にもとづいて似たデータを探すk近傍法などが、高次元で性能を落としやすい理由の1つです。 次元の呪い

  3. 各特徴量の範囲を10個の区間に分けるとき、特徴量が3個なら、区間の組合せは30通りである。

    × 誤り 組合せは10×10×10=1,000通りです。特徴量が1つ増えるごとに10倍になり、空間を埋めるのに必要なデータ量も急激に増えます。 次元の呪い

  4. スパムフィルタのように、データをあらかじめ決めたクラスに振り分ける問題は、機械学習では回帰問題に分類される。

    × 誤り 決められたクラスに振り分けるのは分類問題です。回帰問題は、売上や気温のように連続した数値を予測する問題を指します。 スパムフィルタ

  5. ナイーブベイズ分類器を使ったスパムフィルタは、迷惑メールと通常のメールとで、各単語がどれくらいの確率で現れるかの違いを手がかりに判定する。

    ◯ 正しい 単語ごとの出現確率を学習データから求め、ベイズの定理で迷惑メールである確率を計算します。単語どうしを互いに独立とみなして、計算を簡単にしています。 スパムフィルタ

  6. スパムフィルタが判定の手がかりに使えるのは、メール本文に含まれる単語に限られる。

    × 誤り 送信元のドメイン、添付ファイルの有無、件名に含まれる記号の割合なども手がかりになります。1998年のナイーブベイズの研究でも、こうした特徴を単語に加えると精度が上がることが示されました。 スパムフィルタ

  7. 統計的自然言語処理の代表的な言語モデルであるn-gramモデルは、コーパスで語の並びを数え、直前の数語から次の語が現れる確率を見積もる。

    ◯ 正しい たとえばbi-gram(2-gram)では、直前の1語だけを手がかりにします。数えた頻度から確率を求めるため、規則を人が書く必要がありません。 統計的自然言語処理

  8. 統計的自然言語処理は、2018年のBERTの登場をきっかけに始まった研究の流れである。

    × 誤り 統計的な方法は1990年代に主流になりました。BERTは、それよりずっと後の2018年に発表された、ニューラルネットワークによる事前学習済みモデルです。 統計的自然言語処理

  9. 統計的自然言語処理では、1つの文に複数の解釈が成り立つとき、コーパスでの現れ方をもとに、もっともらしい解釈を確率で選ぶ。

    ◯ 正しい 規則だけでは決めきれない曖昧さを、実際の文章での頻度にもとづいて解消します。解釈ごとの確率を比べ、最も高いものを選ぶのが基本です。 統計的自然言語処理

  10. センサーやSNSから絶えず生まれるデータを、ためてからまとめて処理するのではなく、届いたそばから処理する必要があることは、ビッグデータの特徴のうち速度(Velocity)に当たる。

    ◯ 正しい ビッグデータは、量(Volume)、多様性(Variety)、速度(Velocity)の3つのVで説明されることが多くあります。速度は、データが生まれ、処理される速さを指します。 ビッグデータ

  11. 学習に使うデータの量が十分に多ければ、集め方に偏りがあっても、機械学習で得られるモデルは偏らない。

    × 誤り データが多くても、特定の地域や年代に偏って集めていれば、モデルも偏ります。量だけでなく、データの質や代表性の確認が欠かせません。 ビッグデータ

  12. 2010年代にディープラーニングが急速に成果を上げた背景には、大量の学習データが手に入るようになったことと、GPUなどの計算資源の性能向上がある。

    ◯ 正しい ImageNetのような大規模な画像データセットと、並列計算が得意なGPUの組み合わせが、深いネットワークの学習を現実的にしました。 ビッグデータ

  13. Amazon.comの研究者らが2003年に紹介した推薦の方式は、好みの似た利用者を探すのではなく、同じ顧客に一緒に買われる傾向から商品どうしの類似度を求める協調フィルタリングである。

    ◯ 正しい 論文の題名にもあるとおり、商品と商品を結びつけるアイテムベースの方式です。顧客や商品の数が非常に多くても、推薦をすばやく計算できる点が利点とされました。 レコメンデーションエンジン

  14. レコメンデーションエンジンは、利用者が星の数などで明示的に付けた評価がなければ使えず、購買や閲覧の履歴だけでは推薦できない。

    × 誤り 購買、閲覧、視聴などの行動の履歴も、好みを表すデータとして使えます。明示的な評価よりも手に入りやすいため、実際のサービスで広く使われています。 レコメンデーションエンジン

  15. 協調フィルタリングで使う利用者と商品の評価の表は、多くの利用者がごく一部の商品にしか評価や購買の記録を残さないため、大半が空欄になりやすい。

    ◯ 正しい この性質をスパース性(疎であること)といいます。空欄の多い表から好みを推定するために、行列分解などの手法が工夫されてきました。 レコメンデーションエンジン

ディープラーニング

18問 要点を読む
  1. ILSVRCの画像分類部門では、モデルが出した上位5つの候補に正解が含まれない割合(top-5誤り率)が主な評価指標として使われた。

    ◯ 正しい 1枚の画像に複数の物体が写っていることがあるため、上位5候補のどれかが正解なら正しいとみなしました。 ILSVRC

  2. 2015年には、残差学習を用いたResNetが、人間の誤り率の推定値(約5%)を下回るtop-5誤り率を記録した。

    ◯ 正しい ResNetのアンサンブルは3.57%でした。人間の値(5.1%)は、訓練を積んだ注釈者が実際に分類して得た推定です。 ILSVRC

  3. ILSVRCは、ImageNetに含まれる2万種類を超えるカテゴリすべてを対象に、画像を分類させるコンテストであった。

    × 誤り 画像分類部門で使われたのは、ImageNetから選んだ1,000カテゴリ、約120万枚の学習画像です。 ILSVRC

  4. アルファ碁(AlphaGo)は2015年、欧州王者の樊麾(ファン・フイ)との対局に5戦全勝し、19路盤でハンディキャップなしにプロ棋士に勝った初めてのコンピュータ囲碁プログラムとなった。

    ◯ 正しい この結果は2016年1月にNature誌で発表されました。李世乭(イ・セドル)に勝ったのは、その後の2016年3月です。 アルファ碁(AlphaGo)

  5. アルファ碁(AlphaGo)は、すべての手順を終局まで調べ尽くす全数探索によって最善手を求めた。

    × 誤り 囲碁は手順の数が膨大で、全数探索はできません。ニューラルネットワークで候補手を絞り、局面を評価しながら、モンテカルロ木探索で先を読みました。 アルファ碁(AlphaGo)

  6. チェスでは1997年にコンピュータが世界王者に勝ったが、囲碁でコンピュータがトップ棋士に勝つまでには、それから約20年かかった。

    ◯ 正しい IBMのディープ・ブルーがカスパロフに勝ったのが1997年、AlphaGoが李世乭に勝ったのが2016年です。囲碁は探索すべき手の数がチェスよりはるかに多いためです。 アルファ碁(AlphaGo)

  7. ImageNetの画像へのラベル付けでは、インターネットを通じて多数の作業者に作業を依頼するクラウドソーシングが使われた。

    ◯ 正しい Amazon Mechanical Turkを使い、多くの作業者が画像とカテゴリの対応を確認しました。 ImageNet

  8. ImageNetのカテゴリは、英語の語彙データベースであるWordNetの名詞の階層に沿って構成されている。

    ◯ 正しい 上位と下位の関係で整理されたWordNetの名詞を使うため、カテゴリも木のような階層構造になっています。 ImageNet

  9. ImageNetの画像は、研究グループが自ら撮影した写真を中心に集められた。

    × 誤り 画像検索などでウェブから集めた候補の画像を、人手で確認して選んでいます。自ら撮影したものではありません。 ImageNet

  10. 生成AIには、文章を作るものだけでなく、画像・音声・動画やプログラムのコードを作るものも含まれる。

    ◯ 正しい AI事業者ガイドラインも、生成AIを文章、画像、プログラム等を生成できるAIモデルにもとづくAIの総称としています。文章を作るLLMは、その一部です。 生成AI

  11. 多くの生成AIの土台となっているTransformerは、2022年のChatGPTの公開と同時に初めて発表された。

    × 誤り Transformerは2017年の論文「Attention Is All You Need」で提案されました。ChatGPTは、その後のGPTなどの研究の積み重ねの上に公開されたサービスです。 生成AI

  12. 生成AIで作られた画像や音声は本物と見分けにくいことがあり、ディープフェイクとして詐欺や偽情報に悪用されるおそれがある。

    ◯ 正しい 実在の人物の顔や声をまねた偽の映像や音声は、なりすましの詐欺や世論の誘導に使われる危険があります。技術だけでなく、確認の手順や制度での対策も必要です。 生成AI

  13. ネオコグニトロンのS細胞層はCNNの畳み込み層に、C細胞層はプーリング層に、おおむね対応する役割をもつ。

    ◯ 正しい S細胞は入力の狭い範囲から特徴を取り出し、C細胞は近くのS細胞の出力をまとめて、位置の小さなずれを吸収します。 ネオコグニトロン

  14. ネオコグニトロンは、2012年のILSVRCでAlexNetが優勝したことを受けて、その構造を簡略化したモデルとして提案された。

    × 誤り ネオコグニトロンの論文は1980年に発表されており、AlexNetより30年以上前です。CNNの研究は、この頃から積み重ねられてきました。 ネオコグニトロン

  15. ネオコグニトロンは、入力された図形の位置が少しずれたり、形が多少ゆがんだりしても、同じ図形として認識できることを目指したモデルである。

    ◯ 正しい 1980年の論文の題名にも、位置のずれに影響されないパターン認識の仕組みであることが示されています。 ネオコグニトロン

  16. LeNetは、2012年のILSVRCで優勝したAlexNetよりも前に発表されたCNNである。

    ◯ 正しい LeNetの論文は1989年と1998年に発表されています。AlexNetは、LeNetの考え方を、より深いネットワークと大規模なデータに広げたモデルです。 LeNet

  17. LeNetは、活性化関数にReLU関数を採用し、GPUで学習することで、深いネットワークの学習を可能にした。

    × 誤り ReLU関数とGPUによる学習を組み合わせて注目されたのは、2012年のAlexNetです。LeNet-5は、tanh関数を拡大・縮小した、S字形の関数を使っていました。 LeNet

  18. LeNetの技術を使った小切手の読み取りシステムは商用化され、実際の業務で使われた。

    ◯ 正しい 1998年の論文によると、このシステムは商用で運用され、1日に数百万枚の小切手を読み取っていました。CNNが研究室の外で使われた早い例です。 LeNet

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