1行定義
自己教師あり学習とは、データの一部を隠して当てさせるなど、データ自身から自動で作った正解を使って学習し、人手のラベルなしで有用な表現を得る手法のことです。
くわしく
自己教師あり学習(self-supervised learning)は、ラベルの付いていない大量のデータから、データ自身を手がかりに「問題と正解」を自動で作って学習する方法です。人手でラベルを付ける手間をかけずに、大規模な事前学習ができます。
正解をデータから作る
たとえば文章なら、一部の単語を隠し、前後の文脈からその単語を当てさせます。正解は隠す前の文章にあるので、人がラベルを付ける必要はありません。BERTのMasked Language Modelがこの例です。GPT系の言語モデルが行う「次の単語の予測」も、文章そのものが正解になるため、自己教師あり学習に含まれます。
画像では、画像の一部を隠して復元させる方法があります。また、1枚の画像から切り抜きや色の変更で2枚の画像を作り、それらの表現を近づけ、ほかの画像の表現とは遠ざける対照学習もあります。SimCLR(2020年)が代表例です。
目的はその先のタスク
このとき解かせる穴埋めなどの問題を、プレテキストタスク(口実タスク)と呼びます。プレテキストタスクの成績そのものは目的ではありません。解く過程でデータの構造をとらえた表現を身につけさせ、そのモデルを分類などの下流タスクに生かすことが目的です。少量のラベル付きデータでファインチューニングするだけで、高い性能を得やすくなります。
似た用語との違い
正解ラベルを人が用意しない点から、教師なし学習の一種として説明されることもあります。ただし、学習の形は「入力から正解を予測する」教師あり学習と同じです。少量のラベル付きデータと大量のラベルなしデータを組み合わせて学習する半教師あり学習とは区別します。
覚え方
「先生(正解)は、データの中にいる」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
人手のラベルを使わずに正解を自動で作る仕組み、BERTの穴埋めや対照学習などの具体例、事前学習としての位置づけ、教師なし学習や半教師あり学習との違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 自己教師あり学習このページの用語 | データの一部を隠して当てさせるなど、データ自身から自動で作った正解を使って学習し、人手のラベルなしで有用な表現を得る手法 |
| 半教師あり学習 | 少量のラベル付きデータと大量のラベルなしデータを組み合わせて、モデルを学習する手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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BERTが事前学習で行う、文中の一部の単語を隠して元の単語を当てるタスクは、自己教師あり学習の一例である。
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答え ◯ 正しい
正解は隠す前の文章そのものにあるため、人手でラベルを付ける必要がありません。
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自己教師あり学習で解かせる穴埋めなどのプレテキストタスクは、その正答率を高めること自体が最終的な目的である。
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答え × 誤り
プレテキストタスクは表現を学ぶための手段です。得られたモデルを、分類などの下流タスクへファインチューニングなどで生かすことが目的です。
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SimCLRのような対照学習では、同じ画像から別々のデータ拡張で作った2枚の画像の表現を近づけ、ほかの画像の表現とは遠ざけるように学習する。
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答え ◯ 正しい
どの2枚が同じ画像から作られたかは自動でわかるため、ラベルなしで学習できます。どのデータ拡張を組み合わせるかが性能を大きく左右します。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目31 転移学習・ファインチューニング)
- Jacob Devlin, Ming-Wei Chang, Kenton Lee, Kristina Toutanova, BERT: Pre-training of Deep Bidirectional Transformers for Language Understanding (2018)
- Ting Chen, Simon Kornblith, Mohammad Norouzi, Geoffrey Hinton, A Simple Framework for Contrastive Learning of Visual Representations (2020)