1行定義
事前学習済みモデルとは、大規模なデータで汎用的な特徴をあらかじめ学習させ、別のタスクの出発点として再利用できるようにしたモデルのことです。
くわしく
事前学習済みモデルは、大量のデータであらかじめ学習を済ませたモデルです。画像ならImageNetで学習したResNetやVision Transformer、言語ならBERTやGPTが代表例です。学習済みの重みが公開されているものも多く、自分のタスクの出発点として使えます。
なぜ使うのか
大規模なモデルをゼロから学習するには、大量のデータと膨大な計算が必要です。事前学習済みモデルは、画像のエッジや形、文章の語の意味や文法といった、多くのタスクに共通する特徴をすでに身につけています。これを出発点にすれば、少ないデータと計算で、目的のタスクの精度を高めやすくなります。
使い方
- 特徴を取り出す道具として使う:重みを固定し、付け替えた出力層などだけを学習します(狭い意味の転移学習)。
- ファインチューニング:事前学習済みの重みを初期値にして、目的のデータでモデルの全体または一部を追加で学習します。
- そのまま使う:大規模言語モデルのように、追加の学習をせず、プロンプトの工夫だけで使うこともあります。
事前学習の方法
画像では、ラベル付きデータによる教師あり学習が多く使われてきました。言語では、隠した単語や次の単語を予測する自己教師あり学習が主流です。なお、シラバスの項目24では、積層オートエンコーダを1層ずつ学習してから全体を調整する、古い意味の「事前学習」も扱われています。
利用時の注意
モデルごとにライセンスがあり、商用利用を制限するものもあります。また、学習データに含まれる偏りや誤りは、そのままモデルに引き継がれます。
覚え方
「基礎研修を終えた新人に、職場の仕事だけを教える」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
ゼロから学習する場合と比べた利点、転移学習やファインチューニングでの使い方、BERTなどの代表例、ライセンスや学習データの偏りといった利用時の注意点が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 事前学習済みモデルこのページの用語 | 大規模なデータで汎用的な特徴をあらかじめ学習させ、別のタスクの出発点として再利用できるようにしたモデル |
| 基盤モデル | 大規模で幅広いデータで事前学習され、ファインチューニングなどによって多様な下流タスクに適応できるモデル |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
BERTは、大量の文章で事前学習した重みが公開され、利用者がそれを各タスクに合わせて調整して使う、事前学習済みモデルの代表例である。
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答え ◯ 正しい
BERTの論文は、事前学習したモデルに出力層を1つ加えて微調整するだけで、多くの言語タスクの精度を高められることを示しました。
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自然言語処理の事前学習済みモデルは、人手でラベルを付けた大量の文章がなければ作ることができない。
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答え × 誤り
BERTやGPTは、文中の隠した単語や次の単語を予測する自己教師あり学習で事前学習します。正解は文章自体から作るため、人手のラベルは要りません。
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公開されている事前学習済みモデルは、ライセンスや学習データの偏りを確認しなくても、どのような用途にも自由に使える。
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答え × 誤り
モデルごとに利用条件が定められ、商用利用を制限するものもあります。学習データの偏りは、そのままモデルに引き継がれることにも注意が必要です。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目31 転移学習・ファインチューニング)
- Jacob Devlin, Ming-Wei Chang, Kenton Lee, Kristina Toutanova, BERT: Pre-training of Deep Bidirectional Transformers for Language Understanding (2018)
- Jason Yosinski, Jeff Clune, Yoshua Bengio, Hod Lipson, How transferable are features in deep neural networks? (2014)