要点まとめ・第6章 ディープラーニングの応用例
マルチモーダル(シラバス 技術32)
学習目標
画像と文章など、種類の異なるデータを組み合わせて扱うマルチモーダルの課題と代表的なモデルを理解し、基盤モデル、マルチタスク学習、Zero-shotといった考え方とあわせて、モデルごとに何を入力して何を出力するのかを説明できるようにします。
要点
マルチモーダルとは
画像、文章、音声、動画といったデータの種類をモダリティと呼びます。マルチモーダルは、複数のモダリティを組み合わせて扱うことです。写真を見て説明する、説明を読んで絵を描く、といったことをAIで行うには、種類の違うデータの意味を対応づける必要があります。
代表的なタスク
モデル名より先に、タスクを入力と出力の組で区別しておくと、問題文を読み解きやすくなります。
| タスク | 入力 | 出力 |
|---|---|---|
| Image Captioning | 画像 | 画像を説明する文章 |
| Visual Question Answering | 画像と質問文 | 質問への答え |
| Text-To-Image | 文章 | 画像 |
代表的なモデル
- CLIP:インターネットから集めた画像と説明文の組、約4億組で学習しました。組になる画像と文章は近く、組にならない画像と文章は遠くなるように学ぶことで、画像と文章を同じベクトル空間で比べられます。
- DALL-E:文章から画像を生成するText-To-Imageのモデルです。初代はTransformerで画像を表すトークンを順に生成しました。後継のDALL-E 2は、CLIPの表現と拡散モデルを組み合わせています。
- Flamingo:学習済みの画像エンコーダと大規模言語モデルを、新たに学習する層でつなぎ、画像や動画と文章が混ざった入力から文章を出力します。例を数個示すだけで、新しい課題に対応できます。
- Unified-IO:画像、文章、物体の位置など、課題ごとに形の違う入力と出力を、すべて共通のトークンの列に置き換えます。そのうえで1つのTransformerに、物体検出、深度推定、画像の質問応答、文章の質問応答など、多くの課題を学ばせました。
Zero-shot
解きたい課題の例を1つも見せずに解くことをZero-shotといいます。CLIPでは、「〇〇の写真」という文をクラスの数だけ用意し、画像と最も近い文を選べば、その分類のための追加の学習なしに画像を分類できます。例を1つ見せるOne-shot、数個見せるFew-shot(転移学習の項目)と並べて覚えます。
基盤モデルとマルチタスク学習
基盤モデルは、大量で幅広いデータで事前学習し、さまざまな課題に合わせて使えるモデルを指す呼び名です。2021年にスタンフォード大学の研究者らが提唱し、BERT、GPT-3、CLIPなどが例に挙がります。
マルチタスク学習は、1つのモデルに複数の課題を同時に学習させる方法です。課題どうしで共通の表現を学べるため、課題ごとに別々に学習するより汎化性能が上がることがあります。Unified-IOは、マルチタスク学習を大規模に進めた例です。
つまずきやすい点
- CLIPは画像と文章の近さを測るモデルでそれ自体は画像を生成せず、文章から画像を作るText-To-ImageのモデルにはDALL-Eなどがある点
- Image Captioningは画像だけを入力して説明文を出し、Visual Question Answeringは画像と質問文を入力して答えを出す、という入力の違い
- Zero-shotは解きたい課題の例を1つも見せずに解くことで、例を1つ見せるOne-shot、数個見せるFew-shotと区別する点
- マルチタスク学習は複数の課題を同時に学習して表現を共有する方法で、学習済みのモデルをあとから別の課題に使い回す転移学習とは学ぶ順序が違う点
シラバスのキーワード
シラバス第1.4版に載っている語をすべて並べています。色のついた語は用語集で解説しています。「2問」などの数字は、その語を扱う練習問題の数です。
練習問題
- #0079 CLIPによる画像分類の方法 難易度 標準・単一選択 未回答 付箋
- #0080 マルチモーダルのタスクとモデル 難易度 基礎・単一選択 未回答 付箋
- #0237 Unified-IOの入出力の統一 難易度 応用・単一選択 未回答 付箋
- #0238 活用案に合うマルチモーダルタスク 難易度 基礎・単一選択 未回答 付箋
- #0431 CLIPの対照学習の正例と負例 難易度 標準・組合せ 未回答 付箋
- #0432 マルチタスク学習の利点と注意点 難易度 標準・単一選択 未回答 付箋
復習の時期が来た問題と、まだ解いていない問題から順に出題します。
混同しやすい用語
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前後の項目
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目32 マルチモーダル)
- Alec Radford et al., Learning Transferable Visual Models From Natural Language Supervision (2021)
- Aditya Ramesh et al., Zero-Shot Text-to-Image Generation (2021)
- Aditya Ramesh et al., Hierarchical Text-Conditional Image Generation with CLIP Latents (2022)
- Jean-Baptiste Alayrac et al., Flamingo: a Visual Language Model for Few-Shot Learning (2022)
- Jiasen Lu et al., Unified-IO: A Unified Model for Vision, Language, and Multi-Modal Tasks (2022)
- Rishi Bommasani et al., On the Opportunities and Risks of Foundation Models (2021)
- Sebastian Ruder, An Overview of Multi-Task Learning in Deep Neural Networks (2017)