1行定義
ベイズ情報量規準(BIC)とは、モデルの当てはまりの良さに、パラメータ数とデータ数に応じた罰則を加えて、候補のモデルを比べるための指標のことです。
くわしく
ベイズ情報量規準(BIC)は、AICと同じく、候補のモデルから1つを選ぶための物差しです。1978年にSchwarz(シュワルツ)が発表したことから、シュワルツ情報量規準(SIC)とも呼ばれます。
式
BIC = −2 × 最大対数尤度 + パラメータ数 × log(データ数)
logは自然対数です。第1項はAICと同じで、当てはまりが良いほど小さくなります。違うのは第2項の罰則で、パラメータ数にデータ数の対数を掛けます。AICと同じく、値が最も小さいモデルを選びます。
AICとの違い
AICの罰則は2 × パラメータ数で、データ数によりません。BICでは、データ数をnとしてlog nが2を超えると、罰則がAICより重くなります。log 7≒1.95、log 8≒2.08なので、nが8以上ならBICの罰則のほうが重く、データが増えるほど差は開きます。
データ数1,000で、モデルAは最大対数尤度−500でパラメータ3個、モデルBは−494で6個だとします。AICはAが1000+6=1006、Bが988+12=1000で、Bが選ばれます。BICはlog 1000≒6.908なので、Aが約1020.7、Bが約1029.4となり、Aが選ばれます。このように、2つの規準で選ばれるモデルが食い違うことがあります。
Schwarzは論文の中で、どちらの規準も「モデル作りにおける節約の原理」を数式にしたものだと述べています。そのうえで、BICのほうがパラメータの少ないモデルに傾くとしています。
名前の「ベイズ」
名前は導き方に由来します。Schwarzは、ベイズの考え方で最も確からしいモデルを選ぶ手順を、データ数が大きいときの近似として求めました。近似の主要な項は事前分布によらないため、ベイズ統計を使わない場面でもそのまま使えます。
覚え方
「BICの罰則はlog(データ数)倍。データが多いほど単純なモデルを好む」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
「−2×最大対数尤度+パラメータ数×log(データ数)」という式と、AICとの罰則の大きさの違い、どちらがより単純なモデルを選びやすいかが、正誤の判断や計算の形で問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ベイズ情報量規準(BIC)このページの用語 | モデルの当てはまりの良さに、パラメータ数とデータ数に応じた罰則を加えて、候補のモデルを比べるための指標 |
| 赤池情報量規準(AIC) | モデルのデータへの当てはまりの良さとパラメータ数の多さを1つの値にまとめ、候補のモデルを比べて選ぶための指標 |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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BICは名前に「ベイズ」とつくが、計算するときに事前分布を具体的に決める必要はない。
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答え ◯ 正しい
Schwarzは、ベイズの考え方でモデルを選ぶ手順を、データが多いときの近似として導きました。近似の主要な項は事前分布によらないため、事前分布を決めずに計算できます。
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データ数が100、パラメータ数が3のモデルでは、BICの罰則項を自然対数で計算すると約13.8になる。
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答え ◯ 正しい
罰則項はパラメータ数×log(データ数)です。log 100≒4.61なので、3×4.61≒13.8になります。
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BICは、学習に使わなかった検証用データでの誤差を測って計算する指標である。
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答え × 誤り
BICはAICと同じく、学習に使ったデータでの最大対数尤度と、パラメータ数、データ数から計算します。検証用データを別に用意するホールドアウト検証や交差検証とは、この点が異なります。