1行定義
線形回帰とは、目的変数を、説明変数に係数を掛けて足し合わせた1次式で表し、売上や価格などの数値を予測する回帰のモデルのことです。
くわしく
線形回帰は、「部屋の広さが1平方メートル増えると家賃が何円上がるか」のように、入力と出力の関係を掛け算と足し算だけで表すモデルです。機械学習で最も基本的な手法の1つで、多くの手法の出発点になります。
式と係数の意味
説明変数がx1, x2, …, xnのとき、予測値をy = w0 + w1·x1 + w2·x2 + … + wn·xnで表します。w1〜wnは係数(重み)、w0は切片です。係数は、ほかの変数を変えずにその変数だけを1増やしたとき、予測値がどれだけ変わるかを表します。どの要因がどれだけ効いているかを読み取りやすく、結果を説明しやすいモデルです。
「駅から近いかどうか」のような区分の情報も、1と0で表すダミー変数にすれば説明変数に使えます。説明変数が1つなら単回帰分析、2つ以上なら重回帰分析と呼びます。
係数の求め方
係数は、実測値と予測値の差(残差)の2乗の和が最小になるように決めるのが基本です(最小二乗法)。データが大量にある場合は、勾配降下法で少しずつ求めることもあります。係数の大きさに罰則を加えて過学習を抑えたものが、リッジ回帰とラッソ回帰です。
「線形」の意味
「線形」は、係数について1次式であることを指します。y = w0 + w1·x + w2·x^2のように説明変数の2乗を加えても、係数については1次式なので、線形回帰と同じ方法で係数を求められます。グラフは曲線になり、これを多項式回帰と呼びます。
注意点
予測値には上限も下限もないため、確率の予測には向きません。分類には、重み付きの和をシグモイド関数で0から1の値に変換するロジスティック回帰を使います。また、残差を2乗するため外れ値の影響を受けやすく、説明変数どうしの相関が強い(多重共線性)と係数が不安定になります。
G検定での出題
出題のされ方
説明変数の重み付きの和で数値を予測するモデルであることや、単回帰分析と重回帰分析の区別、分類に使うロジスティック回帰との違い、正則化を加えたリッジ回帰・ラッソ回帰との関係が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 線形回帰このページの用語 | 目的変数を、説明変数に係数を掛けて足し合わせた1次式で表し、売上や価格などの数値を予測する回帰のモデル |
| ロジスティック回帰 | 入力の重み付き和をシグモイド関数に通して0から1の確率を出力し、主に2値分類に使う教師あり学習のモデル |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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最小二乗法で係数を求める線形回帰では、大きく外れた値が1つ含まれるだけで、係数が大きく変わることがある。
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答え ◯ 正しい
残差を2乗して足し合わせるため、ずれの大きい点ほど影響が強くなります。散布図などで外れ値を確かめてから当てはめます。
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y = w0 + w1·x1 + w2·x2の線形回帰で、w1が負のとき、x2を変えずにx1だけを大きくすると、予測値yは小さくなる。
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答え ◯ 正しい
w1は、x1が1増えたときの予測値の変化量です。負であれば、x1が増えるほど予測値は下がります。
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線形回帰の説明変数には連続した数値しか使えないため、「駅から徒歩5分以内かどうか」のような区分の情報はモデルに入れられない。
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答え × 誤り
当てはまれば1、当てはまらなければ0とするダミー変数にすれば、区分の情報も使えます。その係数は、当てはまる場合に予測値がどれだけ変わるかを表します。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目7 教師あり学習)
- NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods (4.1.4.1 Linear Least Squares Regression)
- scikit-learn User Guide, Linear Models (1.1.1 Ordinary Least Squares)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (5.1.4 Example: Linear Regression)