農機メーカーのW社は、AIベンダのX社に、作物の画像から病害を判定するAIの開発を委託した。次の(ア)〜(ウ)は、この開発で扱われるものである。経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」の用語との組合せとして、最も適切なものを1つ選べ。(ア)W社が農場で撮影し、そのままX社に渡した画像 (イ)X社が(ア)から不鮮明なものを除き、病害の種類を示すラベルを付けた画像の集まり (ウ)(イ)を使った学習の結果得られた係数を組み込み、新しい画像の病害を判定するプログラム
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解説
正解 A
この問題の論点:生データから学習済みモデルまで
ポイント
ガイドラインは、学習済みパラメータを組み込んだ推論プログラムを学習済みモデルと呼び、生データや学習用データセットと区別しています。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
(ア)は取得したままの生データです。(イ)は前処理やラベル付けによって解析しやすくした二次的な加工データで、学習用データセットに当たります。(ウ)は学習済みパラメータを組み込んだ推論プログラムで、ガイドラインはこれを学習済みモデルと呼びます。
- B
不適切
(ア)と(イ)が逆です。不鮮明な画像を除き、ラベルを付けるといった前処理や加工を施して、学習に使いやすくしたものが学習用データセットです。撮影したまま渡した画像は生データに当たります。
- C
不適切
学習用プログラムは、学習用データセットから規則を見いだし、学習済みパラメータを生成するために動かすプログラムです。(ウ)のように学習の結果を組み込んで判定を行うプログラムは、学習済みモデルに当たります。
- D
不適切
学習済みパラメータは、学習用データセットを使った学習の結果として得られる係数です。ラベルを付けた画像の集まりは学習の材料であり、学習用データセットに当たります。
補足
用語を区別するのは、それぞれについて、誰がどの範囲で使えるかを契約で決める必要があるためです。学習用データセットを作るにはベンダの労力やノウハウがかかります。学習済みパラメータは数値の集まりで、著作物として保護されにくいといった違いもあります。対象をはっきり区別しておくと、権利や利用条件の取り決めがあいまいになりません。
試験での狙われ方
生データ、学習用データセット、学習用プログラム、学習済みパラメータ、学習済みモデルの関係を、開発の流れに沿って問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目6 AI開発委託契約)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」(2018年6月) (AI技術の解説(生データ、学習用データセット、学習用プログラム、学習済みモデル、学習済みパラメータ、推論プログラムの定義))