製造業のA社は、製品画像から不良品を検出するAIシステムの開発を、ベンダのB社に委託しようとしている。A社が保有する画像データで実用的な検出精度に届くかどうかは、現時点では見通せない。経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」が示す考え方に沿った進め方として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 A
この問題の論点:AI開発の探索的段階型
ポイント
ガイドラインは、成果を見通しにくいAI開発について、段階ごとに契約し、結果を見て次に進むかを判断する探索的段階型を示しています。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
ガイドラインは、成果を事前に見通しにくいAI開発を、アセスメント、PoC、開発、追加学習の4段階に分ける探索的段階型を示しています。各段階の結果を見て、次の段階に進むかを判断します。
- B
不適切
請負契約は仕事の完成義務と契約不適合責任を伴います。学習済みモデルの性能はデータに左右され、仕様や検収基準を事前に固めにくいため、ガイドラインも、開発段階のモデル契約として準委任型を想定しています。
- C
不適切
PoCの目的は、学習済みモデルを生成できるか、どの程度の精度が見込めるかを確かめ、開発に進むかを判断することです。結果を見ずに開発への移行を確定させると、段階を分ける意味がなくなります。
- D
不適切
運用中に入力データの傾向が変わると、学習済みモデルの精度が下がることがあります。ガイドラインも追加学習段階を想定しており、保守契約などで再学習の範囲や費用を取り決めておくことが重要です。
補足
準委任契約の受託者は、善管注意義務を負って事務を処理しますが、仕事の完成義務は負いません(民法644条、656条)。2020年施行の改正民法では、成果の引渡しに対して報酬を支払う成果完成型の準委任も明文化されました(民法648条の2)。なお、学習済みモデルの性能は学習用データに左右されるため、精度について約束する場合は、評価に使うデータや指標、達成できなかったときの扱いを契約で具体的に定めておくことが重要です。
試験での狙われ方
4つの段階と対応する契約(アセスメントはNDA、PoCは導入検証契約など)や、請負契約と準委任契約の違いと組み合わせて問われやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目6 AI開発委託契約)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」(2018年6月) (探索的段階型の開発方式、モデル契約)
- 民法(明治29年法律第89号) (第632条、第644条、第648条の2、第656条)