小売チェーンのH社は、ベンダのI社が開発した需要予測モデルを導入し、運用段階に入るにあたって、I社と保守契約を結ぶことにした。モデルの予測精度は、季節や販売促進策の変化によって下がることが見込まれている。この保守契約で取り決める内容に関する考え方として、最も不適切なものを1つ選べ。
正解と解説を見る
解説
正解 C
この問題の論点:保守契約で定める再学習の範囲
ポイント
データの傾向の変化による精度低下はプログラムの不具合とは別の問題なので、再学習を保守に含めるかと、その条件を明記します。
選択肢ごとの解説
- A
適切
入力データの傾向が変わると、学習済みモデルの精度が下がることがあります。どの程度下がったら再学習するか、その作業が定額の保守に含まれるか別料金かを決めておくと、運用中の対立を防げます。
- B
適切
再学習の結果は、ユーザが渡すデータの量と質に左右されます。データを渡す時期や形式、渡したデータを保守の目的以外に使わないことなどを決めておくことが、再学習を円滑に進める前提になります。
- C
不適切 正解
データの傾向の変化による精度低下は、プログラムの不具合とは性質が異なり、「不具合の修補」に当然含まれるとはいえません。再学習を保守の対象にするなら、その旨と範囲を明記しておく必要があります。
- D
適切
再学習で生まれたモデルも、当初のモデルと同じく、誰がどの範囲で使えるかが問題になります。開発契約で決めた権利や利用条件が及ぶのかを確かめ、必要なら保守契約で定めておきます。
試験での狙われ方
従来のシステム保守との違い(不具合の修補と、データの変化による精度低下への対応)を問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目6 AI開発委託契約)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」(2018年6月) (探索的段階型の開発方式(追加学習段階))