保険会社のF社は、保険金の請求書類の不備を検出するAIの開発を、ベンダのG社に委託する契約を交渉している。F社の担当者は「検出精度95%以上を保証する」という条項を入れたいと考えている。G社は、F社が提供する過去の請求データの量と質に不安があると伝えている。精度保証の扱いに関する考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 B
この問題の論点:開発契約での精度目標の定め方
ポイント
精度を約束する場合は、数値だけでなく評価に使うデータ・指標・測り方を具体的に定めることが紛争を防ぎます。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
性能の保証が技術的に難しい場面はありますが、精度を約束すること自体を禁じる法律はありません。リスクの分け方は当事者が合意で決められます。ガイドラインも、当事者の契約の自由を制約するものではないとしています。
- B
適切 正解
同じモデルでも、評価に使うデータや指標が違えば数値は変わります。学習済みモデルの性能は学習用データセットに左右されるため、ユーザ側のデータの条件も含めて評価の条件を決めないと、達成したかどうかで争いになります。
- C
不適切
学習済みモデルの性能は、ユーザが提供するデータの量と質に大きく左右されます。データに起因する精度不足までベンダが当然に負う原則はなく、どちらがどこまで責任を負うかを契約で前もって決めておくべきです。
- D
不適切
請負にして完成義務を課しても、何をもって完成とするかの評価条件がなければ、達成の判断で争いになります。契約の型を変えることは、評価の条件を具体的に定めることの代わりになりません。
補足
ガイドラインは、AI技術の特性として、学習済みモデルの内容や性能が契約の時点ではっきりしないことが多い点と、性能が学習用データセットに左右される点を挙げています。精度の数値だけを契約書に書いても、こうした不確実さは消えません。評価の条件を先に固めておくことが、精度を約束する前提になります。
試験での狙われ方
「精度保証は違法」「数値を書けば十分」のような極端な言い切りを見分ける形で、事例とともに問われやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目6 AI開発委託契約)
- 経済産業省「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(AI編)」(2018年6月) (AI技術の特性、性能保証、モデル契約)