1行定義
大域最適解とは、考えられるすべての解の中で、損失関数の値が最も小さくなる解のことです。
くわしく
大域最適解は、関数全体で損失が最も小さくなる点です。機械学習でいえば、考えられるすべての重みの中で、訓練データに対する誤差が最も小さくなる重みです。大域解やグローバルミニマムとも呼ばれます。
局所最適解との関係
周りより低いだけの点が局所最適解で、全体で最も低い点が大域最適解です。大域最適解は全体で最も低いので、その周りでも最も低く、局所最適解の1つでもあります。逆は成り立ちません。
勾配降下法は、足元の傾きを頼りに下ります。そのため、たどり着いた点が本当に全体で最も低いのかを、自分では確かめられません。
見つけやすい場合と難しい場合
損失関数がお椀型の凸関数なら、途中で引っかかるくぼみがなく、局所最適解は大域最適解と一致します。線形回帰を最小二乗法で解く場合がこれにあたり、どこから下り始めても最も低い谷底に着きます。
ニューラルネットワークの損失関数は凸関数ではなく、くぼみや鞍点が数多くあります。重みが数百万個を超えることもあり、すべての点を調べることもできません。そのため、見つけた解が大域最適解だという保証は得られません。
大域最適解にこだわらない理由
実際のディープラーニングでは、大域最適解を見つけることにはこだわりません。理由は2つあります。
1つは、大規模なネットワークでは、多くの局所最適解が大域最適解に近い損失をもつと考えられていることです。もう1つは、訓練データの誤差を最小にした重みが、未知のデータでも最もよいとは限らないことです。訓練誤差を下げすぎると過学習になり、汎化性能が下がることがあります。そのため、検証データの誤差が悪化し始めたところで学習を止める早期終了などが使われます。
覚え方
「大域最適解は全国で1位。全国1位は地区でも1位」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
局所最適解との違い、損失関数が凸関数なら局所最適解と一致すること、ニューラルネットワークでは見つけた解が大域最適解である保証がないことが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 大域最適解このページの用語 | 考えられるすべての解の中で、損失関数の値が最も小さくなる解 |
| 局所最適解 | その周辺では損失が最も小さいものの、関数全体で見ると最小とは限らない解 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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大域最適解は関数全体で損失が最も小さい点なので、その周辺でも損失が最も小さく、局所最適解の条件も満たしている。
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答え ◯ 正しい
全国で1位なら、地区でも1位です。大域最適解は局所最適解の1つですが、逆に局所最適解が大域最適解とは限りません。
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勾配降下法は、十分な回数だけ更新を続ければ、どのような損失関数でも必ず大域最適解に到達する。
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答え × 誤り
勾配降下法は足元の傾きだけで進むため、局所最適解や鞍点の付近で止まることがあります。凸でない損失関数では、大域最適解に着く保証はありません。
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線形回帰を最小二乗法で解く場合のように損失関数が凸関数であれば、局所最適解は大域最適解と一致する。
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答え ◯ 正しい
凸関数はお椀のような形で、途中で引っかかるくぼみがありません。そのため、局所最適解であれば必ず関数全体の最小になります。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目16 最適化手法)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (4.3 Gradient-Based Optimization)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (8.2.2 Local Minima)
- Anna Choromanska, Mikael Henaff, Michael Mathieu, Gérard Ben Arous, Yann LeCun, The Loss Surfaces of Multilayer Networks (2014)