スタートアップのW社は、ある生成AIサービスのAPIで大量の文章を生成し、それを学習データにして自社の言語モデルを開発しようとしている。このサービスの利用規約には「出力を、本サービスと競合するモデルの開発に利用してはならない」という条項があり、W社はこの規約に同意している。生成される文章には人の創作的寄与がなく、既存の著作物とも類似しないものとする。この場面の考え方として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 D
この問題の論点:利用規約違反と著作権侵害の区別
ポイント
利用規約は同意した当事者間の契約なので、著作物でない生成物の利用も制限できますが、著作権侵害とは区別して考えます。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
著作権にもとづく差止請求(著作権法112条)は、著作権の侵害が前提です。本問の生成物は著作物に当たらないため、著作権を理由とする差止めはできません。規約違反は契約の問題として扱われます。
- B
不適切
著作権の対象かどうかと、契約で利用方法を制限できるかは別の問題です。著作物でない情報でも、当事者が合意した利用条件は、原則として契約として効力をもちます。
- C
不適切
利用規約は、同意して契約を結んだ当事者の間で効力をもつものです。規約に同意していない第三者は、原則として規約上の義務を負いません。この点で、誰に対しても主張できる著作権とは性質が異なります。
- D
適切 正解
人の創作的寄与がない生成物は著作物に当たらず、複製しても著作権侵害は生じません。一方、同意した利用規約は契約として当事者を拘束するため、禁止された用途に使えば債務不履行(民法415条)などの責任を問われえます。
試験での狙われ方
生成物の著作物性、著作権侵害、利用規約違反のどれが問題になるかを、場面ごとに切り分けさせる形で問われやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目2 著作権法)
- 著作権法(e-Gov法令検索) (2条1項1号、112条)
- 民法(e-Gov法令検索) (415条)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日) (5.(3) 生成物の著作物性について)