AIベンダーのJ社では、従業員Kが会社の指示を受け、職務として画像認識モデルを組み込んだ検査用プログラムを作成した。J社の就業規則や雇用契約には、職務上作成した著作物の著作者に関する特別の定めはない。また、このプログラムはJ社の名義で公表されていない。著作権法上の扱いとして、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 C
この問題の論点:業務で作成したプログラムの著作者
ポイント
従業者が職務上作成したプログラムは、別段の定めがなければ、公表名義を問わず法人等が著作者になります。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
法人等の発意にもとづき、その業務に従事する者が職務上作成したプログラムは、契約や勤務規則に別段の定めがなければ、法人等が著作者になります(著作権法15条2項)。J社は当初から著作者なので、譲渡契約は要りません。
- B
不適切
プログラム以外の著作物では、法人等が自己の名義で公表することが職務著作の要件です(15条1項)。プログラムの著作物にはこの要件がありません(同条2項)。社内でだけ使うプログラムも対象になります。
- C
適切 正解
職務著作では、法人等そのものが著作者になります。著作者は著作権(財産権)と著作者人格権の両方を享有するため(17条1項)、公表権や同一性保持権などの著作者人格権もJ社がもちます。
- D
不適切
外部の開発会社は、通常、J社の業務に従事する者ではないため、J社の職務著作は成立しません。J社が著作権を得るには譲渡契約が必要で、翻案権などは特に明記しないと譲渡した側に残ると推定されます(61条2項)。
補足
特許法の職務発明では扱いが異なります。従業者がした職務発明について特許を受ける権利は、原則として発明者である従業者に生じます。契約や勤務規則であらかじめ使用者に取得させると定めておけば、その権利は発生した時から使用者に帰属し(特許法35条3項)、従業者は相当の利益を受ける権利をもちます(同条4項)。法人等そのものが著作者となる職務著作とは、この点が違います。
試験での狙われ方
職務著作の要件のうちプログラムだけ公表名義が要らない点や、外部に開発を委託した成果物の権利の帰属が問われやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目2 著作権法)
- 著作権法(e-Gov法令検索) (15条、17条1項、61条2項)
- 特許法(e-Gov法令検索) (35条)