食品メーカーのU社は、画像生成AIで作成したイラストを新商品のパッケージに使い、販売を始めた。その後、このイラストが既存のキャラクターの著作権を侵害していると判断された。U社の担当者はそのキャラクターを知らず、生成物の確認も社内の手順どおりに行っており、U社には故意も過失もなかったものとする。著作権者がU社に対してとりうる措置に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 A
この問題の論点:侵害時の差止と損害賠償の要件
ポイント
著作権侵害への差止請求は故意・過失を問わずできますが、損害賠償請求には故意又は過失が、刑事罰には故意が必要です。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
差止請求(著作権法112条1項)は、侵害する者や侵害するおそれがある者に、侵害の停止や予防を求めるものです。故意や過失の有無を問わないため、知らずに侵害したU社にも請求できます。
- B
不適切
損害賠償請求は民法709条の不法行為にもとづくため、侵害者の故意又は過失が必要です。文化庁の「考え方」も、故意・過失が認められなければ損害賠償請求の対象にはならないと整理しています。
- C
不適切
罪を犯す意思がない行為は、特別の規定がない限り罰せられません(刑法38条1項)。著作権法に過失犯の規定はないため、刑事罰(119条など)には侵害の故意が必要です。
- D
不適切
損害賠償を請求できない場合でも、不当利得返還請求(民法703条)として、使用料相当額などの返還が認められることがありうると考えられています(文化庁「考え方」)。この請求に故意・過失は要りません。
試験での狙われ方
差止請求、損害賠償請求、刑事罰、不当利得返還請求を並べ、それぞれに故意や過失が必要かを入れ替えて問う形が典型です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目2 著作権法)
- 著作権法(e-Gov法令検索) (112条、119条)
- 民法(e-Gov法令検索) (703条、709条)
- 刑法(e-Gov法令検索) (38条1項)
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日) (5.(2) エ 侵害に対する措置について)