1行定義
センシティブ属性とは、性別、人種、年齢、宗教など、それを理由にした不当な差別が生じないよう、AIの公平性の観点から特に配慮すべき個人の属性のことです。
くわしく
センシティブ属性は、AIの公平性を考えるときの出発点になる概念です。性別、人種、民族、国籍、年齢、宗教、障害の有無など、その違いを理由に人を不利に扱えば差別に当たる属性を指します。保護属性や要配慮属性とも呼ばれます。
何が当たるか
全員に共通の決まった一覧があるわけではありません。AI事業者ガイドラインの別添は、各事業者が自社にとってのセンシティブ属性を明確にするよう求めています。その際には、憲法14条1項が列挙する事由(人種、信条、性別、社会的身分、門地)や、国際的な人権のルールで言及されている属性を考慮するとしています。
公平性の評価での役割
センシティブ属性の値で人をグループに分け、合格率や誤り率をグループ間で比べることで、偏りの有無を確かめます。統計的パリティや機会均等といった集団公平性の基準は、どれもセンシティブ属性を軸に定義されています。そのため、評価にはセンシティブ属性の情報が必要になる場面があり、その取得や保管にはプライバシーへの配慮も求められます。
センシティブ属性を入力から外しても、それと強く相関する項目が代理変数として働けば、偏りは残ります。AI事業者ガイドラインも、明らかなセンシティブ属性を取り除いたデータでも、関連する情報から属性が類推されてしまう場合があると注意しています。
要配慮個人情報との違い
個人情報保護法の要配慮個人情報(2条3項)は、人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実などを含む個人情報です。取得には、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です(20条2項)。
センシティブ属性と重なる部分はありますが、同じものではありません。たとえば性別や年齢は、公平性の分析では代表的なセンシティブ属性です。しかし、要配慮個人情報には含まれません。前者は公平性を考えるための概念で、後者は個人情報の取扱いを定める法律上の区分です。
G検定での出題
出題のされ方
性別や人種などがセンシティブ属性に当たることや、入力から除くだけでは代理変数を通じて偏りが残る点、公平性の評価で属性ごとに結果を比べる点が、事例とあわせて問われます。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| センシティブ属性このページの用語 | 性別、人種、年齢、宗教など、それを理由にした不当な差別が生じないよう、AIの公平性の観点から特に配慮すべき個人の属性 |
| 要配慮個人情報 | 人種、信条、病歴、犯罪の経歴など、不当な差別や偏見につながらないよう取扱いに特に配慮を要する個人情報 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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AI事業者ガイドラインの別添は、センシティブ属性を明確にする際に、憲法14条1項が列挙する事由や、国際的な人権に関するルールで言及されている属性を考慮するとしている。
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答え ◯ 正しい
憲法14条1項は、人種、信条、性別、社会的身分、門地による差別を禁じています。これらが検討の出発点になります。
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公平性の分析で扱うセンシティブ属性は、個人情報保護法の要配慮個人情報と同じ範囲を指す。
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答え × 誤り
重なる部分はありますが、同じではありません。性別や年齢は代表的なセンシティブ属性ですが、要配慮個人情報には含まれません。
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センシティブ属性はどの用途でも同じ項目に決まっているため、事業者ごとに検討する必要はない。
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答え × 誤り
AI事業者ガイドラインの別添は、各事業者が自社にとってのセンシティブ属性を明確にし、確保すべき公平性の内容も決めるよう求めています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目10 公平性)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (第2部C「共通の指針」3)公平性(p.17)、脚注38(p.18))
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添」(2026年3月31日) (別添3 D-3)ⅱ(p.106)、別添4 P-3)ⅰ コラム17(pp.140–141))
- 日本国憲法(e-Gov法令検索) (14条1項)
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索) (2条3項、20条2項)