金融機関のW社は、オンラインの口座開設で使う顔照合システムを、本人の顔写真700件で検証した。本人なのに誤って拒否された件数は、若年層の男性400件中28件、高齢層の男性100件中2件、若年層の女性100件中2件、高齢層の女性100件中10件だった。この結果に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 B
この問題の論点:属性の組み合わせによる偏り
ポイント
センシティブ属性を1つずつ評価すると差が打ち消されることがあるため、属性を組み合わせたグループごとに評価することが必要です。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
男性は(28+2)÷500=6%、女性は(2+10)÷200=6%、若年層は(28+2)÷500=6%、高齢層は(2+10)÷200=6%で、確かに等しくなります。しかし、属性を組み合わせたグループでは割合が大きく異なるため、偏りがないとはいえません。
- B
適切 正解
高齢層の女性は10÷100=10%、高齢層の男性は2÷100=2%で、5倍の差があります。属性を1つずつ見ると差が打ち消されて見えなくなるため、性別と年齢層を組み合わせたグループごとに確かめる必要があります。
- C
不適切
若年層の男性は28÷400=7%です。誤りの件数は最も多いものの、割合では高齢層の女性の10%を下回ります。件数と割合を取り違えないことが大切です。
- D
不適切
全体の割合は、誤りの合計を件数の合計で割って求めます。(28+2+2+10)÷700=42÷700=6%です。単純平均の(7+2+2+10)÷4=5.25%は、グループごとの件数の違いを無視しています。
補足
AI事業者ガイドラインは、潜在的なバイアスの例として、複数の属性の組み合わせによって生じるバイアス(交差バイアス)を挙げています。市販の顔画像による性別分類を調べた研究でも、肌の色と性別を組み合わせて評価したことで、肌の色が濃い女性で誤りが特に多いことが明らかになりました。
試験での狙われ方
グループ別の件数を示し、属性ごとの割合と組み合わせごとの割合を計算させる形が考えられます。分母となる件数を必ず確かめます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目10 公平性)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (第2部C 3)公平性 ②人間の判断の介在(脚注38 交差バイアス))
- Buolamwini, Gebru, Gender Shades: Intersectional Accuracy Disparities in Commercial Gender Classification (2018)