ある学習塾チェーンが、全5校舎の生徒500人について「1週間の自習時間」と「模試の得点」の相関係数を求めたところ、0.2であった。この結果の読み方に関する説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 D
この問題の論点:相関係数を読むときの注意点
ポイント
相関係数は集団の混ざり方やデータの範囲、外れ値で大きく変わります。数値だけで判断せず、散布図や層別で確かめます。
選択肢ごとの解説
- A
適切
性質の異なる集団を混ぜると、集団ごとの平均の違いが全体の相関係数に影響します。全体では弱い相関でも、校舎ごとに分ける(層別する)と強い相関が見えたり、向きが逆になったりすることがあります。
- B
適切
相関係数は、データの範囲が狭いと小さく出やすくなります。得点の高い生徒だけでは得点の差が小さく、自習時間との関係が見えにくくなります。選抜した集団の相関は、全体の相関と別物として扱います。
- C
適切
相関係数は平均からの差の積にもとづくため、少数の外れ値で大きく変わることがあります。相関係数が同じでも散布図の形はさまざまなので、数値だけでなく図でも確かめます。
- D
不適切 正解
1つの変数で直線的に説明できるばらつきの割合(単回帰分析の決定係数)は、相関係数の2乗です。0.2の2乗は0.04なので、説明できるのは4%にとどまります。
補足
Anscombe(1973)は、平均、分散、相関係数がほぼ同じなのに、散布図の形がまったく異なる4組のデータを示しました。直線的な関係、曲線的な関係、1つの外れ値に引っ張られた関係のどれでも、相関係数は同じ値になりえます。相関係数を報告するときは、散布図もあわせて確認するのが基本です。
試験での狙われ方
相関係数の値をそのまま割合と読み違える誤りや、外れ値・集団の混在が相関係数に与える影響を問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目37 AIに必要な数理・統計知識)
- 総務省統計局 なるほど統計学園「複数の変数の関係性を見る」
- Anscombe, Graphs in Statistical Analysis (1973)