ある工場で設備の温度と振動を監視している。正常時のデータでは、温度は平均50、標準偏差1、振動は平均10、標準偏差5で、両者に相関はない。新たに観測した点P(温度53、振動10)と点Q(温度50、振動20)について、正常時の平均の点(温度50、振動10)からの距離を比べた結果として、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 A
この問題の論点:マハラノビス距離による異常度
ポイント
マハラノビス距離は、変数ごとのばらつきと相関を考慮して中心からの離れ具合を測ります。ふだん大きくばらつく変数の差は小さく評価されます。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
ユークリッド距離はPが√(3²+0²)=3、Qが√(0²+10²)=10です。相関がないとき、マハラノビス距離は各変数の差を標準偏差で割ってから測るので、Pが√((3÷1)²+(0÷5)²)=3、Qが√((0÷1)²+(10÷5)²)=2で、Pのほうが遠くなります。
- B
不適切
Qのほうが遠いのはユークリッド距離だけです。振動はふだんから標準偏差5でばらつくため、10の差は標準偏差2つ分にすぎません。マハラノビス距離ではPが3、Qが2で、Pのほうが遠くなります。
- C
不適切
Pのほうが遠いのはマハラノビス距離だけです。ユークリッド距離は変数ごとのばらつきを考えず、差をそのまま測ります。振動の差10が温度の差3より大きいため、ユークリッド距離ではQのほうが遠くなります。
- D
不適切
大小関係が逆です。ユークリッド距離はPが3、Qが10でQのほうが遠く、マハラノビス距離はPが3、Qが2でPのほうが遠くなります。温度が3上がったことは、標準偏差1の3倍にあたる珍しい外れ方です。
補足
変数どうしに相関がある場合は、共分散行列の逆行列を使って計算します。相関がない場合のマハラノビス距離は、各変数を標準化してから求めたユークリッド距離と一致します。この例のPは、温度が平均から標準偏差3つ分離れています。正規分布を仮定すると、平均から標準偏差3つ分以上離れる値は約0.3%しか現れないため、異常の候補として優先して調べる価値があります。
試験での狙われ方
ユークリッド距離との違いを、ばらつきの大きさが異なる変数や相関のある変数の例で確かめる形が考えられます。