1行定義
Random Erasingとは、画像の中からランダムに選んだ長方形の領域をランダムな値で塗りつぶし、一部が隠れた画像を作るデータ拡張の手法のことです。
くわしく
Random Erasingは、画像の中からランダムに長方形を選び、その範囲をランダムな値で塗りつぶすデータ拡張の手法です。2017年に論文が公開され、AAAI 2020で発表されました。写真の一部を、テレビの砂嵐のような模様で覆い隠すイメージです。
仕組み
1枚の画像ごとに、次の手順で処理します。
- 確率p(論文の標準は0.5)で、消すかどうかを決めます。消さない画像はそのまま使います。
- 消す範囲の面積を、画像全体の2%〜40%の間でランダムに決めます。
- 縦横比も、0.3〜約3.3の間でランダムに決めます。
- 位置をランダムに決め、範囲内の画素を0〜255のランダムな値で置き換えます。
正解ラベルは変えません。
ねらい
現実の写真では、人や物の一部がほかの物に隠れていることがよくあります。こうした隠れ(オクルージョン)を含む画像を人工的に作って学習させ、隠れに強く、過学習しにくいモデルにします。学習するパラメータが増えないため、多くのCNNにそのまま組み込めます。論文では、画像分類、物体検出、人物の再識別(別のカメラに映った同じ人物を探す課題)で効果が確かめられました。
Cutoutとの違い
Cutoutも、ほぼ同じ時期に発表された、画像の一部を消す手法です。Cutoutは決まった大きさの正方形を一定の値で塗りつぶします。Random Erasingは、大きさも縦横比も変わる長方形を、ランダムな値で塗りつぶします。考え方は近いので、塗りつぶす形と値の違いで見分けます。
覚え方
「Random(ランダムに)Erasing(消す)」の名前どおり、場所も大きさも形も値もランダムです。
G検定での出題
出題のされ方
大きさや縦横比をランダムに変えた長方形をランダムな値で塗りつぶす点と、隠れに強くする目的が基本です。決まった大きさの正方形を使うCutoutとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Random Erasingこのページの用語 | 画像の中からランダムに選んだ長方形の領域をランダムな値で塗りつぶし、一部が隠れた画像を作るデータ拡張の手法 |
| Cutout | 学習のたびに画像のランダムな位置を決まった大きさの正方形で塗りつぶし、一部が隠れた画像で学習させるデータ拡張の手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Random Erasingは、すべての学習画像に必ず適用するのではなく、一定の確率で適用するかどうかを決めるため、元のままの画像も学習に使われる。
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答え ◯ 正しい
提案論文の標準設定では、確率0.5で消すかどうかを決めます。隠れた画像と元の画像の両方で学習します。
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Random Erasingを使うには、学習するパラメータをネットワークに追加し、モデルの構造を変更する必要がある。
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答え × 誤り
Random Erasingは入力画像を加工するだけで、学習するパラメータは増えません。そのため、多くのCNNの学習にそのまま組み込めます。
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Random Erasingの提案論文では、ランダムな切り抜きや左右反転といった一般的なデータ拡張と組み合わせても効果があると報告している。
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答え ◯ 正しい
切り抜きや反転とは違う種類の変化(隠れ)を加えるため、互いに補い合います。論文の実験でも、反転と切り抜きを使った学習に加える形で効果を確かめています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目25 データ拡張)
- Zhun Zhong, Liang Zheng, Guoliang Kang, Shaozi Li, Yi Yang, Random Erasing Data Augmentation, AAAI 2020, 34(07), 13001–13008
- Zhun Zhong et al., Random Erasing Data Augmentation(arXiv版, 2017)
- Terrance DeVries, Graham W. Taylor, Improved Regularization of Convolutional Neural Networks with Cutout (2017)