1行定義
Cutoutとは、学習のたびに画像のランダムな位置を決まった大きさの正方形で塗りつぶし、一部が隠れた画像で学習させるデータ拡張の手法のことです。
くわしく
Cutoutは、学習用の画像の一部を正方形で塗りつぶし、一部が隠れた画像で学習させるデータ拡張の手法です。2017年にDeVriesとTaylorが提案しました。写真の毎回違う場所に、四角い付箋を貼って隠すイメージです。
仕組み
学習のたびに、画像の中から中心の位置をランダムに選び、決まった大きさの正方形の範囲を0で塗りつぶします。画像はあらかじめ画素の平均が0になるように正規化しておくので、データ全体の平均的な色で覆うことになります。正方形の一部が画像の外にはみ出すことも許します。そのため、ほとんど隠れない画像も混ざります。論文では、この扱いが良い性能に欠かせなかったと報告されています。正解ラベルは変えません。猫の顔が隠れても、写っているのは猫だからです。推論のときは、画像をそのまま使います。
なぜ効くのか
モデルは、猫の顔のように特に目立つ部分だけに頼って判断しがちです。その部分が隠れた画像で学習すると、耳や体の模様など、ほかの手がかりも使うようになります。その結果、過学習が抑えられ、物の一部が隠れた画像にも強くなります。論文では、CIFAR-10、CIFAR-100、SVHNで精度が上がりました。反転や切り出しなど、ほかのデータ拡張と組み合わせて使えます。
ドロップアウトとの関係
Cutoutは、ドロップアウトを入力画像に応用したものとみなせます。違いは2つです。中間層ではなく入力層に適用すること、そして1つずつの画素ではなく、まとまった領域を消すことです。
似た手法との違い
- Random Erasing:Cutoutと同じ2017年に論文が公開されました。長方形の大きさや縦横比を毎回変え、ランダムな値で塗りつぶします。
- CutMix:塗りつぶす代わりに別の画像の一部を貼り付け、正解ラベルも面積の比率で混ぜます。
G検定での出題
出題のされ方
決まった大きさの正方形を一定の値で塗りつぶし、正解ラベルは変えない点が基本です。大きさや縦横比も変えるRandom Erasing、別の画像を貼るCutMixとの違いが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Cutoutこのページの用語 | 学習のたびに画像のランダムな位置を決まった大きさの正方形で塗りつぶし、一部が隠れた画像で学習させるデータ拡張の手法 |
| Random Erasing | 画像の中からランダムに選んだ長方形の領域をランダムな値で塗りつぶし、一部が隠れた画像を作るデータ拡張の手法 |
| ドロップアウト | ニューラルネットワークの学習中に一部のユニットをランダムに無効にして、過学習を抑える正則化の手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
Cutoutは、ドロップアウトに似た考え方を、中間層ではなく入力画像に対して、ひとまとまりの領域の単位で適用したものとみなせる。
答えを見る
答え ◯ 正しい
提案論文も、ドロップアウトとの違いとして、入力層に適用する点と、1つずつの画素ではなく連続した領域を消す点を挙げています。
-
Cutoutで学習したモデルは、推論のときにも入力画像の一部を正方形で塗りつぶしてから予測する。
答えを見る
答え × 誤り
塗りつぶしは学習のときだけ行うデータ拡張です。推論のときは、画像をそのまま入力します。
-
Cutoutの提案論文では、塗りつぶす領域の形よりも大きさのほうが、性能を左右する重要なハイパーパラメータだったと報告している。
答えを見る
答え ◯ 正しい
このため論文では、形は扱いやすい正方形に固定し、大きさをデータセットごとに調整しています。