1行定義
CutMixとは、ある画像の一部の長方形を別の画像の同じ位置の部分に置き換え、正解ラベルを貼り付けた面積の比率で混ぜるデータ拡張の手法のことです。
くわしく
CutMixは、2枚の画像を切り貼りで混ぜるデータ拡張の手法です。2019年のICCVで発表されました。猫の写真の一部を四角く切り抜き、そこに犬の写真の同じ位置の部分をはめ込むイメージです。正解ラベルも、はめ込んだ部分の面積の割合に合わせて混ぜます。
ラベルの決め方
画像全体の面積のうち、別の画像から貼った長方形が占める割合をrとします。猫の画像に犬の画像の一部を貼った場合、正解は「猫1 − r、犬r」です。たとえば縦横とも元の画像の半分の長方形を貼ると、rは0.5 × 0.5 = 0.25です。正解は「猫0.75、犬0.25」になります。辺の長さの比ではなく、面積の比で考えるのがポイントです。貼る位置と大きさは、毎回ランダムに決めます。
生まれた背景
CutMixは、2つの先行手法の弱点を補う形で提案されました。
- Cutout:画像の一部を塗りつぶして隠します。隠れた画像に強くなりますが、塗りつぶした部分からは何も学べません。
- Mixup:2枚を全体で重ねます。すべての画素を使えますが、透けて重なった不自然な画像になります。
CutMixは、隠した部分に別の画像の本物の画素を入れることで、両方の弱点を抑えます。モデルは物体の一部だけを見て判断することも求められるため、物体の位置をとらえる力も伸びます。提案論文では、ResNet-50によるImageNetの画像分類の正解率(top-1)が76.3%から78.6%に上がりました。物体の位置を推定する課題や、物体検出への転移でも改善が報告されています。
覚え方
「Cutで切り取り、Mixで混ぜる」と覚えます。切り取った穴に別の画像を入れ、ラベルも面積の比率で混ぜるのがCutMixです。
G検定での出題
出題のされ方
一部を切り貼りする点と、ラベルを面積の比率で混ぜる点が基本です。画像全体を重ねるMixup、塗りつぶすだけでラベルを変えないCutoutとの違いや、面積比の計算が問われます。
混同しやすい用語
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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CutMixで、縦と横がどちらも元の画像の半分の長さの長方形を貼り付けた場合、新しい画像の正解ラベルは、貼り付けた側の画像のクラスが0.5になる。
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答え × 誤り
ラベルは辺の長さではなく面積の比率で混ぜます。面積は0.5 × 0.5 = 0.25なので、貼り付けた側のクラスは0.25、元の画像のクラスは0.75です。
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提案論文のCutMixでは、貼り付ける長方形を、もう一方の画像の同じ位置から切り出す。
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答え ◯ 正しい
2枚の画像に同じ長方形の範囲を使います。元の画像のその範囲を取り除き、もう一方の画像の同じ範囲の画素で埋めます。
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CutMixの提案論文では、画像分類の精度だけでなく、画像の中で物体がどこにあるかを推定する性能も改善したと報告している。
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答え ◯ 正しい
弱教師ありの物体位置推定で精度が上がりました。物体の一部だけを見て判断する練習になるためと説明されています。物体検出への転移学習でも改善が報告されています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目25 データ拡張)
- Sangdoo Yun, Dongyoon Han, Seong Joon Oh, Sanghyuk Chun, Junsuk Choe, Youngjoon Yoo, CutMix: Regularization Strategy to Train Strong Classifiers with Localizable Features, ICCV 2019
- Hongyi Zhang, Moustapha Cisse, Yann N. Dauphin, David Lopez-Paz, mixup: Beyond Empirical Risk Minimization, ICLR 2018
- Terrance DeVries, Graham W. Taylor, Improved Regularization of Convolutional Neural Networks with Cutout (2017)