AIスタートアップのK社は、自社の開発に関する情報を、閲覧できる社員を限定し、「社外秘」と表示して管理している。不正競争防止法の営業秘密の要件のうち、有用性と非公知性に関する説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 C
この問題の論点:営業秘密の有用性と非公知性
ポイント
営業秘密の非公知性は、公知の情報を組み合わせたデータでも認められうるため、元の情報が公開されているだけでは否定されません。
選択肢ごとの解説
- A
適切
有用性は、いま事業に使っている情報に限らず、潜在的な価値がある情報にも認められます。失敗した試行の記録は、同じ失敗を避けて研究開発の費用を節約するのに役立ちます。営業秘密管理指針も、こうしたネガティブ・インフォメーションに有用性を認めています。
- B
適切
非公知性は、保有者の管理下以外では一般に入手できない状態をいいます。2025年改訂の営業秘密管理指針は、ハッキングなどでダークウェブに公表されても、その一事で直ちに非公知性を失うわけではないと明記しました。
- C
不適切 正解
公知の情報の組合せでも、組合せ自体が知られておらず容易に作れない場合や、作るのに相当な時間や費用がかかり財産的価値がある場合は、非公知といえます。2025年改訂の営業秘密管理指針は、この考え方を明記しています。
- D
適切
製品の解析(リバースエンジニアリング)で情報を取り出せる場合は、難しさで判断が分かれます。誰でも簡単に取り出せるなら市販は公開に等しいといえますが、特殊な技術と相当な期間が必要なら、市販だけで非公知性は失われません。
補足
2025年改訂の営業秘密管理指針は、有用性について、事業活動に使われている情報であれば、公序良俗に反するなど保護に値しない場合を除き、基本的に要件を満たすという考え方を示しました。脱税や有害物質の排出のような反社会的な活動の情報は、法が守るべき正当な事業活動の情報ではないため、有用性が認められません。
試験での狙われ方
営業秘密の3要件を、学習用データや学習済みパラメータなど、AI開発で生まれる情報に当てはめる形で問う出題が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目4 不正競争防止法)
- 不正競争防止法(e-Gov法令検索) (2条6項)
- 経済産業省「営業秘密管理指針」(2025年3月31日改訂) (有用性(20頁)、非公知性(22〜23頁:公知情報の組合せ、リバースエンジニアリング、ダークウェブ))