統計的機械翻訳では、日本語の文jを英語に訳すとき、訳文の候補eごとに翻訳モデルの確率P(j|e)と言語モデルの確率P(e)の積を求め、積が最大の候補を出力する。ある文について次の4つの候補が得られたとき、出力される候補として最も適切なものを1つ選べ。なお、確率の値は説明のために簡略化している。
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解説
正解 B
この問題の論点:統計的機械翻訳の訳文選択
ポイント
P(e|j)が最大の訳文は、ベイズの定理からP(j|e)とP(e)の積が最大の訳文と一致します。片方の確率が高いだけでは選ばれません。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
積は0.40×0.010=0.0040です。原文との対応を表す翻訳モデルの確率は4つの中で最も高いものの、英文としての自然さを表す言語モデルの確率が低いため、積では候補2の0.0050に及びません。
- B
適切 正解
積は0.25×0.020=0.0050で、4つの中で最大です。ほかの候補の積は0.0040、0.0045、0.0030なので、この候補が出力されます。どちらかの確率が単独で最大でなくても、両方の兼ね合いで選ばれます。
- C
不適切
積は0.10×0.045=0.0045です。言語モデルの確率は最も高く、英文としては自然でも、原文との対応を表す翻訳モデルの確率が低いため、積では候補2の0.0050を下回ります。
- D
不適切
積は0.20×0.015=0.0030で、4つの中で最小です。翻訳モデルと言語モデルのどちらの確率も、ほかの候補と比べて目立って高くはありません。
補足
訳したい文jが与えられたとき、本来求めたいのはP(e|j)が最大の訳文です。ベイズの定理から、P(e|j)=P(j|e)P(e)/P(j)となり、分母のP(j)はどの候補でも同じなので、分子のP(j|e)P(e)を比べれば足ります。この定式化では、翻訳モデルを対訳コーパスから、言語モデルを目的言語の大量の文章から、別々に推定できます。
試験での狙われ方
翻訳モデルと言語モデルの役割の違いや、2つの確率を組み合わせて訳文を選ぶ仕組みが問われやすい論点です。