介護施設で試験導入した配膳ロボットに「食堂のテーブルにある湯のみを、窓際の利用者に届ける」よう指示した。ロボットは、湯のみを持ち上げると食堂の照明が消えないか、テレビの番組が変わらないか、隣室の利用者が移動しないかなど、作業と関係のない事柄まで一つひとつ確かめ始め、いつまでも動き出せなかった。この状況に関する説明として、最も適切なものを1つ選べ。
正解と解説を見る
解説
正解 A
この問題の論点:フレーム問題の具体例
ポイント
フレーム問題とは、無数の事柄の中からいまの課題に関係するものだけを選び出すことが難しいという問題です。処理速度を上げるだけでは解決しません。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
ロボットは、配膳に関係する事柄だけに絞って考えられず、無関係な事柄の確認に追われています。これは、1969年にマッカーシーとヘイズが指摘した問題に由来するフレーム問題の典型的な現れ方です。
- B
不適切
シンボルグラウンディング問題は、記号をそれが指す実物や感覚と結び付けられるかという問題です。この事例の原因は、関係のない事柄まで検討して範囲を絞れないことにあります。
- C
不適切
知識獲得のボトルネックは、専門家から知識を聞き出してルール化する作業に膨大な手間がかかる問題です。この事例で起きているのは知識の不足ではなく、検討範囲を絞れないことです。
- D
不適切
現実世界で起こりうる事柄は事実上無数にあり、速度を上げても確かめ尽くせません。ルールと目標が限られたトイ・プロブレムとは違い、何が関係するかを判断すること自体が難しい問題です。
試験での狙われ方
作業と無関係な事柄まで考えてしまう場面を示し、シンボルグラウンディング問題などの似た問題と区別させる形が典型です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目2 人工知能分野で議論される問題)
- Stanford Encyclopedia of Philosophy, The Frame Problem