欧州委員会のハイレベル専門家会合(AI HLEG)の「信頼できるAIのための倫理ガイドライン」は、人間による監督の方式としてHITL、HOTL、HICを挙げる。次の(ア)〜(ウ)と方式の組み合わせとして、最も適切なものを1つ選べ。(ア)融資審査AIの判定を、担当者が1件ずつ確認・承認してから通知する。(イ)搬送ロボットはAIが自律的に動かし、担当者が稼働状況を監視して異常時に介入する。(ウ)経営会議が、社会的・法的な影響も踏まえて、AIをどの業務に使い、どの業務には使わないかを決める。
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解説
正解 A
この問題の論点:人間による監督の3つの方式
ポイント
人間による監督は、個々の判断、稼働の監視、利用全体の決定のどこに人が関わるかで、HITL、HOTL、HICに分かれます。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
(ア)は判断のたびに人が介入するHITL(Human-in-the-Loop)、(イ)は運用を監視して必要なときに介入するHOTL(Human-on-the-Loop)、(ウ)は使うかどうかを含めてAI全体を監督するHIC(Human-in-Command)です。
- B
不適切
(ウ)は正しいですが、(ア)と(イ)が逆です。個々の判断に人が介入するのがHITLで、AIの自律的な稼働を監視し、異常時に介入するのがHOTLです。
- C
不適切
(ア)は正しいですが、(イ)と(ウ)が逆です。HICは、経済・社会・法・倫理への影響も含めてAIの活動全体を見渡し、どの場面でどう使うか、使わないかを決める監督です。稼働の監視はHOTLです。
- D
不適切
(イ)は正しいですが、(ア)と(ウ)が逆です。1件ごとの承認は判断のたびに介入するHITLです。AIを使う業務と使わない業務を決めることは、利用全体を監督するHICにあたります。
補足
同ガイドラインは、すべての判断に人が介入するHITLは多くの場面で可能でも望ましくもないとし、人が監督できる余地が小さいAIほど、より広いテストと厳格なガバナンスが必要だとしています。関与の形は、用途とリスクに応じて選びます。
試験での狙われ方
人間の関与の形を具体的な運用の場面に当てはめさせたり、用途のリスクに応じた関与の度合いを問うたりする形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目18 AIガバナンス)
- European Commission, High-Level Expert Group on AI, Ethics Guidelines for Trustworthy AI(2019年4月) (Chapter II 1.1 Human agency and oversight(Human oversight))
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (第2部C「共通の指針」3)公平性 ②人間の判断の介在)