損害保険会社のI社は、保険金請求の審査を支援するAIを導入するにあたり、AIガバナンスの体制を整えようとしている。I社の取り組みとして、最も不適切なものを1つ選べ。
正解と解説を見る
解説
正解 D
この問題の論点:AIガバナンス体制の整備
ポイント
AIガバナンスでは、方針の策定やモニタリングに加え、設計・運用から独立した立場による監査で、仕組みが機能しているかを確かめます。
選択肢ごとの解説
- A
適切
AIポリシーは、AIガバナンスのゴールを示す方針で、経営層のリーダーシップのもとで定めます。請求者への影響が大きい判断では人間の関与を組み込み、AIの出力をそのまま確定させないことが重要です。
- B
適切
同じ立場の人だけでは、気づけないリスクやバイアスがあります。多様な背景や専門性をもつメンバーが評価に加わるダイバーシティの確保は、倫理アセスメントの質を高めます。
- C
適切
記録を残しておくと、問題が起きたときに同じ条件で結果を再現し、原因をさかのぼって調べられます。再現性とトレーサビリティは、説明責任を果たし、改善につなげるための土台です。
- D
不適切 正解
担当チームによる点検だけでは、身内に甘くなりやすく客観性を欠きます。AI事業者ガイドラインは、設計・運用から独立した専門性のある者(内部監査部門や外部の監査主体など)による評価を期待しています。
補足
AI事業者ガイドラインは、「環境・リスク分析」「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「評価」のサイクルを継続的に回すアジャイル・ガバナンスを示しています。運用開始後も、規制の変更など外部環境の変化を踏まえて分析をやり直し、必要に応じてゴールを見直します。
試験での狙われ方
AIポリシー、人間の関与、監査、トレーサビリティなど、体制づくりの要素を具体的な事例に当てはめる形で問われやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目18 AIガバナンス)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (第2部C 7)アカウンタビリティ、第2部E AIガバナンスの構築)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添」(2026年3月31日) (別添2 A. 行動目標2-1【AIガバナンス・ゴールの設定】、行動目標5-1【AIマネジメントシステムの機能の検証】)