スーパーマーケットチェーンのS社は、店内カメラの映像から来店客の顔などの特徴量データを抽出して一定期間保存し、再来店時に同一人物かを判定して来店履歴や購買履歴を紐づけて分析する「リピート分析」を計画している。撮影画像は、特徴量データの抽出後すぐに破棄する。IoT推進コンソーシアム・総務省・経済産業省の「カメラ画像利活用ガイドブック」の考え方に照らした対応として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 C
この問題の論点:リピート分析と特徴量データ
ポイント
特定の個人を識別するための特徴量データは個人識別符号に当たります。撮影画像を破棄しても、リピート分析では個人情報として扱います。
選択肢ごとの解説
- A
適切
ガイドブックは、定めた期間の後に特徴量データを破棄し、紐づけていた情報を統計化や匿名加工などで個人を識別できないよう加工すれば、その情報単体では原則として個人情報ではないと整理しています。
- B
適切
撮影を告知されただけでは、来店客はリピート分析まで行われるとは合理的に予測できません。ガイドブックは、画像を破棄しても特徴量データを保持して使う場合は、その旨と保存期間を明確に伝えるよう求めています。
- C
不適切 正解
特定の個人を識別するために顔などの特徴を変換した特徴量データは、個人識別符号として個人情報に当たります。来店履歴と紐づけてデータベース化し、開示等の権限をもてば保有個人データとなり、開示等の請求に応じる必要があります。
- D
適切
分析の対象とする空間を広げるほど、特定の個人の行動を網羅的に把握できるようになり、プライバシーへの影響が高まります。ガイドブックの対応例も、まず1店舗で実証実験を行い、生活者の意見をくみ取ってから拡大を検討するとしています。
補足
2026年7月に公布された改正個人情報保護法(令和8年法律第56号)は、顔特徴データ等について、取り扱う旨や利用目的などの周知の義務化、利用停止等の請求の要件の緩和、オプトアウト制度による第三者提供の禁止を定めました。施行は原則として公布から2年以内で、対象の範囲は政令などで定められます。リピート分析を計画する事業者は、施行前から内容を確認しておく必要があります。
試験での狙われ方
カメラ画像から作る特徴量データの扱いや、事前告知で伝えるべき内容を、店舗の事例で問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目9 プライバシー)
- IoT推進コンソーシアム・総務省・経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」(2022年3月) (3.2(2)ア、3.3(1)取得の過程・(2)⑤リピート分析で取り扱う情報、4.5 事前告知時の配慮(脚注45)、4.6 取得時の配慮㉔、5.1 適用ケース(3))
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号) (第2条第2項、第16条第4項)
- 個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号) (第1条第1号ロ)
- 個人情報保護委員会事務局「個人情報保護法等の一部を改正する法律案について」(2026年4月) (法律案の概要 2(顔特徴データ等)、第2 2 顔特徴データ等に関する規律)
- 衆議院「第221回国会 閣法第54号 個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」審議経過 (公布年月日・法律番号)