EU域内で事業を行うQ社は、次の3つのAIシステムの導入を検討している。(ア)職場のカメラで従業員の表情から感情を推定し、勤務評価に用いるシステム(医療上・安全上の目的ではない)。(イ)求人への応募書類を分析し、面接に進む候補者を絞り込むシステム。(ウ)ECサイトで顧客の問い合わせに自動で回答するチャットボット。EUのAI法(規則2024/1689)における(ア)〜(ウ)の扱いの組み合わせとして、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 A
この問題の論点:EUのAI法のリスク区分
ポイント
EUのAI法は、用途ごとのリスクに応じて禁止・高リスク・透明性の義務・最小リスクと規制の強さを変えるハードローです。
選択肢ごとの解説
- A
適切 正解
職場や教育機関で人の感情を推定するAIは、医療上・安全上の目的を除いて禁止されます(第5条)。採用での応募書類の分析は高リスクAI(附属書III)、人と直接やり取りするAIはAIであることを知らせる透明性の義務(第50条)の対象です。
- B
不適切
採用や選考に使うAIは、人の職業上の機会を左右するため高リスクAIに分類されます。一定の義務を満たせば利用でき、禁止まではされていません。(ア)と(イ)の扱いが入れ替わっています。
- C
不適切
一般的な問い合わせ対応のチャットボットは、高リスクAIには当たりません。利用者がAIと対話していることを知らせる透明性の義務が中心です。(イ)と(ウ)の扱いが入れ替わっています。
- D
不適切
感情認識のAIは原則として高リスクAIですが、職場と教育機関での利用は禁止の対象です。また、チャットボットには透明性の義務があり、スパムフィルターのような最小リスクのAIとは扱いが異なります。
補足
EUのAI法の義務は段階的に適用されています。禁止されるAIに関する規定は2025年2月から、チャットボットなどの透明性の義務は2026年8月から適用されています。高リスクAIの義務は2026年の改正(AI Omnibus)で適用開始が延期され、採用などの附属書IIIの用途では2027年12月からの適用とされています。適用時期は今後も見直されることがあるため、最新の情報を確認してください。
試験での狙われ方
具体的な用途を示し、EUのAI法のどのリスク区分に当たるかを判断させる形が考えられます。同じ技術でも用途や場面で区分が変わる点に注意します。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目8 国内外のガイドライン)
- Regulation (EU) 2024/1689(Artificial Intelligence Act) (Article 5(1)(f)、Article 50(1)、Annex III 1(c)・4(a))
- European Commission, AI Act (A risk-based approach、適用スケジュールの記載)