要点まとめ・第5章 ディープラーニングの要素技術
プーリング層(シラバス 技術20)
学習目標
畳み込み層の出力を小さくまとめるプーリング層の目的を理解し、最大値プーリング・平均値プーリング・グローバルアベレージプーリングの計算の違いと、プーリングによって小さな位置ずれに強くなる理由を説明できるようにします。
要点
プーリング層の役割
プーリング層は、畳み込み層が出力した特徴マップを、小さな領域ごとに1つの値へまとめて縮小する層です。CNNでは、畳み込み層とプーリング層を交互に重ねる構成がよく使われます。目的は主に2つです。
- 計算量を減らす:縦横のサイズが小さくなり、後ろの層の計算量やメモリが減ります。
- 不変性の獲得:ウィンドウの中で特徴の位置が少しずれても、まとめた値はあまり変わりません。画像の中で対象がわずかに動いても、同じ特徴として扱いやすくなります。
プーリングには、学習で調整する重みがありません。どの値を残すかは、最大値や平均といった決まった計算で決まります。
最大値プーリングと平均値プーリング
2×2のウィンドウをストライド2で動かす例で比べます。あるウィンドウの中の値が1、3、2、8だったとします。
| 種類 | 計算 | この例の結果 | 性質 |
|---|---|---|---|
| 最大値プーリング | 最も大きい値を残す | 8 | 強く反応した特徴をはっきり残す |
| 平均値プーリング | 値の平均をとる | 3.5 | 領域全体の傾向をなめらかに残す |
この設定では、4×4の特徴マップが2×2になり、縦横がそれぞれ半分になります。出力サイズは、パディングなしの畳み込みと同じく (入力サイズ − ウィンドウサイズ) ÷ ストライド + 1 で求められます。プーリングはチャンネルごとに別々に行うので、チャンネル数は変わりません。
グローバルアベレージプーリング(GAP)
GAPは、各チャンネルの特徴マップ全体の平均をとり、1チャンネルを1つの値にまとめる処理です。たとえば7×7×512の特徴マップは、長さ512のベクトルになります。
以前のCNNは、最後の特徴マップを1列に並べて全結合層に入れていました。VGG16では、7×7×512の値を4,096個のユニットに結合する最初の全結合層だけで、重みが約1億個あります。GAPを使えば、全結合層に入る値が512個に減り、パラメータが大幅に減るため、過学習も起きにくくなります。入力画像の大きさが変わっても、出力の長さがチャンネル数で決まる点も利点です。
GAPは2013年のNetwork In Networkで提案され、GoogLeNetやResNetでも分類の直前に使われています。モデルが画像のどこを見て判断したかを可視化するCAMも、GAPを使う構造を前提にした手法です。
つまずきやすい点
- プーリング層には学習で調整する重みがなく、最大値や平均といった決まった計算をするだけである点。フィルタの重みを学習する畳み込み層と混同しやすい
- プーリングは縦と横のサイズを小さくするが、チャンネルごとに別々に計算するため、チャンネル数は変わらない点
- グローバルアベレージプーリングは各チャンネルの特徴マップ全体を1つの値にまとめる処理で、出力はチャンネル数と同じ長さのベクトルになる点
- プーリングで得られる不変性は小さな位置ずれに対するもので、大きな移動や回転、拡大・縮小まで吸収できるわけではない点
シラバスのキーワード
シラバス第1.4版に載っている語をすべて並べています。色のついた語は用語集で解説しています。「2問」などの数字は、その語を扱う練習問題の数です。
練習問題
- #0053 プーリングの種類と働き 難易度 基礎・単一選択 未回答 付箋
- #0185 最大値プーリングの計算 難易度 基礎・単一選択 未回答 付箋
- #0186 GAPと入力画像の大きさ 難易度 標準・単一選択 未回答 付箋
- #0379 プーリング層の誤差逆伝播 難易度 標準・組合せ 未回答 付箋
- #0380 プーリングの選択と不変性の範囲 難易度 標準・単一選択 未回答 付箋
復習の時期が来た問題と、まだ解いていない問題から順に出題します。
この項目を読み終えたら
読んだ項目にチェックをつけると、学習ガイドの目次に記録されます。
前後の項目
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目20 プーリング層)
- Min Lin, Qiang Chen, Shuicheng Yan, Network In Network (2013)
- Karen Simonyan, Andrew Zisserman, Very Deep Convolutional Networks for Large-Scale Image Recognition (2014)
- Christian Szegedy et al., Going Deeper with Convolutions (2014)
- Bolei Zhou, Aditya Khosla, Agata Lapedriza, Aude Oliva, Antonio Torralba, Learning Deep Features for Discriminative Localization (2015)