1行定義
不変性の獲得とは、入力の中で特徴の位置が少しずれても出力がほぼ変わらない性質を、プーリングなどによってCNNに持たせる仕組みのことです。
くわしく
不変性の獲得とは、入力が少し変わっても出力が変わらないようにすることです。画像認識では、写っている猫が数画素右にずれても「猫」と判断できることが望まれます。CNNでは、主にプーリング層がこの役割を担います。
プーリングで位置ずれを吸収する
最大値プーリングは、特徴マップを2×2などの窓に区切り、窓の中の最大値を取り出します。強い反応が同じ窓の中で少し動くだけなら、最大値は変わりません。そのため出力も変わらず、小さな位置ずれに対する不変性が得られます。プーリングを何段か重ねるほど、より大きなずれも吸収しやすくなります。平均値プーリングも、窓の中の値をならすことで似た効果をもちます。
この発想は、CNNの原型とされるネオコグニトロンにもあります。特徴を取り出すS細胞の層が畳み込み層に、位置ずれを吸収するC細胞の層がプーリング層に相当します。
畳み込み層は「同変」
畳み込み層は、同じフィルタを画像全体にずらしながら当てます。入力の特徴が右にずれると、特徴マップ上の反応も右にずれます。入力の変化に合わせて出力も同じように変わるこの性質を、同変性といいます。不変性とは区別します。CNNは、畳み込み層で特徴を場所ごとに見つけ、プーリング層で場所の小さな違いを吸収します。
限界と補い方
プーリングで得られるのは、主に小さな平行移動への不変性です。回転や拡大・縮小には強くなりません。そこで、回転や反転を加えた画像で学習させるデータ拡張が併用されます。
また、不変性と引きかえに、細かい位置の情報は失われます。「何が写っているか」を答える画像分類には向きますが、画素ごとの位置が重要なセグメンテーションでは、位置の情報を補う工夫が必要です。
G検定での出題
出題のされ方
プーリング層の役割として、小さな位置ずれに対する不変性が得られる理由が問われます。畳み込み層の性質との違いや、細かい位置の情報が失われる欠点と合わせて問われることもあります。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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入力の中で特徴の位置がずれたときに、出力も同じ向きに同じだけずれる性質を、不変性という。
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答え × 誤り
入力のずれに合わせて出力も同じだけずれる性質は、同変性です。不変性は、入力が少しずれても出力が変わらない性質を指します。
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プーリングで位置ずれへの不変性が得られる代わりに、特徴が特徴マップ上のどこにあったかという細かな位置の情報は失われる。
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答え ◯ 正しい
窓の中のどこに反応があっても同じ値にまとめるためです。画素単位の位置が必要なセグメンテーションでは、この情報を補う工夫が必要になります。
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平均値プーリングは窓の中の値をならすだけなので、位置ずれへの不変性をもたらす働きはない。
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答え × 誤り
特徴が窓の中で少し動いても、窓の中の値の平均はあまり変わりません。最大値プーリングと同じく、小さな位置ずれをある程度吸収できます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目20 プーリング層)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (9.2 Motivation、9.3 Pooling)
- Kunihiko Fukushima, Neocognitron: A self-organizing neural network model for a mechanism of pattern recognition unaffected by shift in position, Biological Cybernetics 36(4), 193–202 (1980)