1行定義
時系列データとは、売上や気温、センサーの値のように、時間の経過に沿って順番に記録されたデータのことです。
くわしく
時系列データは、時間の流れに沿って順番に記録されたデータです。1日ごとの売上、1時間ごとの気温、1秒ごとの機械の振動、株価の値動きなどが例です。
表データとの違い
顧客名簿のような表データでは、行を並べ替えても内容は変わりません。時系列データでは、順番そのものが情報です。今日の値は昨日の値に近いことが多く、データ点どうしが互いに関係しています。この性質を自己相関といいます。
時系列データには、よく次のような動きが含まれます。
- トレンド:長い期間にわたる上昇や下降の傾向。
- 季節性:曜日や月など、決まった周期で繰り返す変動。
- 循環変動:景気の波のように、周期が一定しない上下の動き。
- 不規則な変動:上の3つでは説明できないばらつき。
移動平均で細かな揺れをならすと、トレンドが見えやすくなります。
扱うモデル
統計的な手法では、自分の過去の値から次の値を予測するARモデルや、複数の系列を同時に扱うVARモデルがあります。ディープラーニングでは、前の時刻の情報を内部に保つRNNや、長い系列に強いLSTM・GRUが代表的です。1次元の畳み込みやTransformerが使われることもあります。
扱うときの注意
学習用と検証用にデータを分けるときは、時間の順序を守ります。無作為に分けると、未来のデータで学習したモデルで過去を予測することになり、本番より評価が甘くなります。これはデータリーケージの典型例です。過去の期間で学習し、それより後の期間で検証するのが基本です。
G検定での出題
出題のされ方
RNNやLSTMなど系列を扱うモデルが向くデータとして、順序に意味があることや、トレンド・季節性などの特徴、学習用と検証用に分けるときの注意点が問われます。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
トレンドとは、毎年12月に売上が増えるような、決まった周期で繰り返し現れる変動のことである。
答えを見る
答え × 誤り
決まった周期で繰り返す変動は季節性(季節変動)です。トレンドは、長い期間にわたって上がり続ける、下がり続けるといった大きな傾向を指します。
-
時系列データでは、隣り合う時刻の値どうしが似た値をとりやすく、各データ点を互いに独立とみなす前提が成り立ちにくい。
答えを見る
答え ◯ 正しい
今日の気温は昨日の気温に近いことが多い、といった関係です。これを自己相関といいます。ARモデルは、この関係を利用して過去の値から次の値を予測します。
-
ある1時点に多数の顧客から集めたアンケート結果は、時系列データではなく、横断面データ(クロスセクションデータ)にあたる。
答えを見る
答え ◯ 正しい
時系列データは、同じ対象を時間に沿って繰り返し記録したものです。1時点で多くの対象を記録したデータは横断面データと呼ばれます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目22 回帰結合層)
- Rob J Hyndman, George Athanasopoulos, Forecasting: Principles and Practice, 3rd edition, OTexts (2021) (2.3 Time series patterns)
- Ian Goodfellow, Yoshua Bengio, Aaron Courville, Deep Learning, MIT Press (2016) (10 Sequence Modeling: Recurrent and Recursive Nets)