1行定義
Contrastive Lossとは、2つのデータの組について、似た組は埋め込みの距離を縮め、似ていない組はマージン以上に離すよう学習させる損失関数のことです。
くわしく
Contrastive Lossは、「この2つは似ているか」という情報だけを手がかりに、データを特徴ベクトル(埋め込み)に変換する方法を学ばせる損失関数です。2006年にハドセル、チョプラ、ルカンが次元削減の研究で示した形がよく知られています。
計算の仕組み
2つのデータを、重みを共有する同じネットワークに通し、出てきた2つのベクトルの距離Dを測ります。同じ形のネットワークを双子のように並べるので、この構成をシャムネットワーク(Siamese Network)と呼びます。損失は、組の種類によって変わります。
- 似た組:
D²に比例した損失です。距離を0に近づけます。 - 似ていない組:
max(0, m − D)²に比例した損失です。距離がマージンmより近いときだけ損失が生じ、m以上離れていれば損失は0です。
元の論文では、似た組をY=0、似ていない組をY=1として、L = (1 − Y)·½D² + Y·½{max(0, m − D)}²と書きます。
2つの項が必要な理由
似た組を近づけるだけなら、すべてのデータを同じ点に写せば損失は0になります。これでは何も区別できません。似ていない組を引き離す項が、この崩壊を防ぎます。一方で、十分に離れた組をさらに押し離す必要はありません。そこで、マージンm以上離れた組の損失は0とし、まだ近すぎる組の学習に集中します。
使われ方と周辺の概念
学習した埋め込みは、分類のクラスを固定しません。そのため、学習に含まれていない人物の顔でも、登録画像との距離で同じ人かどうかを判定できます。アンカー・正例・負例の3つ組を使うTriplet Lossも、同じ発想にもとづく損失です。なお、自己教師ありの対照学習で使う、多数の負例の中から正例を見分ける形の損失も、英語でcontrastive lossと呼ばれます。文脈で見分けます。
覚え方
「似ていれば引き寄せ、似ていなければマージンまで押し返す」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
Triplet Lossと並ぶ、データ間の距離を学ぶ距離学習の誤差関数として登場します。2つのデータの組と「似ているか」のラベルを使うこと、マージンの役割、学習時にない対象も距離で照合できる用途が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Contrastive Lossこのページの用語 | 2つのデータの組について、似た組は埋め込みの距離を縮め、似ていない組はマージン以上に離すよう学習させる損失関数 |
| Triplet Loss | アンカー、同じクラスの正例、異なるクラスの負例の3つ組を使い、正例が負例より近くなるよう埋め込みを学ばせる損失関数 |
| 対照学習 | 似たデータどうしの表現を近づけ、似ていないデータどうしの表現を遠ざけるように学習して、有用な特徴表現を得る手法 |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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Contrastive Lossでは、似ていない組の距離がマージン以上に離れていれば、その組の損失は0になる。
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答え ◯ 正しい
似ていない組の損失はmax(0, m − D)²に比例するため、距離Dがマージンm以上なら0です。十分に離れた組は学習に影響せず、近すぎる組だけが引き離されます。
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Contrastive Lossは、1つのデータとその正解クラスのラベルさえあれば計算でき、データを組にする必要はない。
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答え × 誤り
2つのデータの組と、その組が似ているかどうかを表すラベルから計算します。組を単位に損失を求める点が、1件ずつ計算する交差エントロピーなどと異なります。
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Contrastive Lossは、2つの入力を、重みを共有する同じ形のネットワークに通して出力の距離を比べる、シャムネットワークの学習に使われてきた。
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答え ◯ 正しい
同じネットワークを2つ並べた形が結合した双子(Siamese twins)に似ていることから、この名が付いています。重みを共有するので、2つの入力は同じ規則で埋め込みに変換されます。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目13 誤差関数)
- Raia Hadsell, Sumit Chopra, Yann LeCun, Dimensionality Reduction by Learning an Invariant Mapping, CVPR 2006, 1735–1742 (2.1 The Contrastive Loss Function、3.1 Training Architecture)
- Sumit Chopra, Raia Hadsell, Yann LeCun, Learning a Similarity Metric Discriminatively, with Application to Face Verification, CVPR 2005, 539–546