ある語学アプリ会社の研究会で、次の2つの状況が比べられた。(ア)中国語を知らない人が、中国語で書かれた中国語辞典だけを手がかりに中国語を学ぼうとする。(イ)馬と縞模様を見分けられる人が、「シマウマは縞模様のある馬だ」という説明だけを聞いて、初めて見たシマウマをそれと見分ける。この対比が示すこととして、最も適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 D
この問題の論点:辞書とシマウマの対比
ポイント
記号の意味は記号どうしの関係だけでは決まりません。土台となる記号を知覚と結び付けることが、シンボルグラウンディング問題の要点です。
選択肢ごとの解説
- A
不適切
(ア)では、知らない語を辞書で引いても、説明に使われるのはまた知らない記号です。記号を記号で説明し続けても実世界にたどり着けないことを、ハルナッドは辞書の堂々めぐりにたとえました。
- B
不適切
フレーム問題は、無数の事柄の中から関係するものだけを選び出す難しさの問題です。この対比が問うているのは記号と実世界の対象との結び付きで、シンボルグラウンディング問題の論点です。
- C
不適切
(イ)の人はシマウマを見たことがないまま、説明だけで見分けられました。直接の経験が必要なのは土台となる一部の記号で、残りはそれらの組合せで意味をもてる、というのがこの例の要点です。
- D
適切 正解
(イ)の人は「馬」と「縞模様」をすでに見分けられます。土台の記号が感覚と結び付いているため、その組合せで定義された「シマウマ」も、初めて見たときに対象と結び付けられます。ハルナッドが1990年の論文で挙げた例です。
試験での狙われ方
辞書のたとえやシマウマの例を示し、それが表す問題の名前や、フレーム問題との違いを問う形で出題されやすい論点です。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目2 人工知能分野で議論される問題)
- Stevan Harnad, The Symbol Grounding Problem, Physica D 42 (1990)