1行定義
労働力不足とは、少子高齢化による生産年齢人口の減少などによって、社会や企業が必要とする働き手を十分に確保できなくなる状態のことです。
くわしく
労働力不足は、働き手の数が、社会や企業が必要とする量に追いつかない状態です。日本では少子高齢化が進み、働き手の中心となる15〜64歳の人口(生産年齢人口)が減り続けています。この年齢層は1995年の8,726万人をピークに減少に転じ、2020年には7,509万人になりました。国立社会保障・人口問題研究所の推計(出生中位・死亡中位)では、2070年には4,535万人まで減るとされています。
AIに期待される役割
AIは、こうした人手不足を補う手段として期待されています。AI事業者ガイドラインも、少子高齢化に伴う労働力の低下などの社会課題を解決する手段として、AIの活用が期待されていることを挙げています。たとえば、次のような使い方があります。
- 定型的な事務作業や問い合わせ対応をAIで自動化する
- 検査や点検の一次判定をAIが行い、人は判断の難しいものに集中する
- センサで周囲の状況を取り込み、AIの判断で現実の世界に働きかけるフィジカルAIが、危険な作業や介護などの現場で人と協働する
ガイドラインの別添も、フィジカルAIが少子高齢化による労働力不足を補い、人と協働して生産性を向上させることへの期待を示しています。
課題
一方で、AIの導入は仕事の中身を変えます。別添は、業務負担の軽減や労働生産性の向上が期待できる一方、失業リスクや格差の拡大も一部で懸念されていると述べています。人手が足りない分野と、AIで仕事が減る分野は同時に存在しえます。そのため、働く人が新しい役割に移れるよう、教育・リスキリングを進めることが求められます。また、AIに頼りすぎると、現場の技能が受け継がれなくなるスキルの喪失のおそれもあります。労働力不足への対応では、AIによる省力化と、人の技能や役割の見直しを組み合わせて考える必要があります。
G検定での出題
出題のされ方
少子高齢化による生産年齢人口の減少を背景に、AIによる省力化や自動化が労働力不足を補う手段として期待されていることが問われます。失業への懸念、AIとの協働、リスキリングとの関係も論点です。
最新動向法改正やガイドラインの改訂はG検定の法律・倫理分野の最新動向にまとめています。
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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国立社会保障・人口問題研究所の令和5年推計(出生中位・死亡中位)では、15〜64歳の人口は2020年の7,509万人から、2070年には4,535万人に減るとされている。
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答え ◯ 正しい
15〜64歳の人口は、1995年の8,726万人をピークに減り続けています。働き手の中心となる年齢層が細ることが、労働力不足の背景にあります。
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AI事業者ガイドラインは、少子高齢化に伴う労働力の低下などの社会課題を解決する手段として、AIの活用が期待されていることを挙げている。
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答え ◯ 正しい
「はじめに」で、こうした指摘などを踏まえ、ソフトローによるゴールベースの考え方でガイドラインを作成したと述べています。
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AI事業者ガイドラインの別添は、生成AIなどの導入による労働生産性の向上に期待を示す一方、失業リスクや格差の拡大については懸念を示していない。
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答え × 誤り
別添1は、業務負担の軽減や労働生産性の向上が期待できる一方で、失業リスクや格差の拡大なども一部では懸念されていると述べています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目16 労働政策)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日) (はじめに、第2部C「共通の指針」8)教育・リテラシー ②教育・リスキリング)
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添(付属資料)」(2026年3月31日) (別添1 B. AIによる便益/リスク「AIによる便益」(フィジカルAI)、「労働者の失業」)
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)結果の概要」 (Ⅱ 2.(2)15~64歳人口および構成比の推移)