1行定義
SARSAとは、次の状態で実際に選んだ行動の行動価値を使って行動価値関数を更新する、方策オン型の強化学習の手法のことです。
くわしく
SARSAは、Q学習と並ぶ代表的な価値ベースの強化学習の手法です。1994年にラマリーとニランジャンが「Modified Connectionist Q-Learning」として提案しました。SARSAという名前はサットンの提案です。名前は、更新に使う5つの要素、状態(State)、行動(Action)、報酬(Reward)、次の状態(State)、次の行動(Action)の頭文字を並べたものです。
更新のしかた
SARSAは、状態と行動の組の価値である行動価値(Q値)を学習します。エージェントは状態sで行動aをとり、報酬rと次の状態s'を受け取ります。さらに、s'で次にとる行動a'を方策に従って選んでから、次の式でQ値を直します。
Q(s, a) ← Q(s, a) + α × (r + γ × Q(s', a') − Q(s, a))
αは学習率、γは割引率です。
Q学習との違い
Q学習は、次の状態で最も価値の高い行動のQ値max Q(s', a')を目標に使います。SARSAは、次に実際に選んだ行動a'のQ値を使います。式の違いはこの1か所だけですが、学ぶものが変わります。
学習中は、ε-greedy方策のように、ときどきランダムな行動を試して探索します。SARSAは、この探索も含めた、いま実際に従っている方策の価値を学びます。このような手法を方策オン型と呼びます。Q学習は、行動の選び方とは別に、最も価値の高い行動をとり続ける方策の価値を学ぶので、方策オフ型です。
結果の違い
崖沿いに近道がある迷路を考えます。Q学習は崖沿いの最短経路の価値を学びますが、探索中にときどき崖へ落ちます。SARSAは、探索で足を踏み外す危険も価値に織り込むので、崖から離れた安全な回り道を選ぶようになります。サットンとバートの教科書の例では、学習中に1エピソードで得る報酬の合計は、SARSAのほうが多くなりました。εを徐々に小さくすれば、どちらも最適な方策に近づきます。
覚え方
「SARSAは、自分が次に本当に打つ一手で見積もる」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
Q学習との更新式の違い(次に実際に選ぶ行動の価値か、最大の価値か)、方策オン型と方策オフ型の区別、行動価値関数を学ぶ価値ベースの手法である点が問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| SARSAこのページの用語 | 次の状態で実際に選んだ行動の行動価値を使って行動価値関数を更新する、方策オン型の強化学習の手法 |
| Q学習 | ある状態である行動をとったときの価値(Q値)を、試行錯誤で得た報酬をもとに更新して学ぶ、価値ベースの強化学習の手法 |
違いを表で比べる
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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SARSAという名前は、更新に使う状態・行動・報酬・次の状態・次の行動の5つの要素の頭文字に由来する。
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答え ◯ 正しい
State、Action、Reward、State、Actionの頭文字です。次の行動まで使う点が、Q学習との違いを表しています。
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SARSAでは、探索のためにランダムに選んだ行動も、次の行動として更新の目標に反映される。
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答え ◯ 正しい
SARSAは、次に実際に選んだ行動の行動価値で更新します。そのため、探索を含めた、いま従っている方策の価値を学びます。
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SARSAは方策オフ型の手法であり、行動を選ぶ方策とは別の、最も価値の高い行動をとり続ける方策の価値を学習する。
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答え × 誤り
これは方策オフ型であるQ学習の説明です。SARSAは、行動を選ぶ方策そのものの価値を学ぶ方策オン型です。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目9 強化学習)
- Richard S. Sutton, Andrew G. Barto, Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed. (2018) (6.4 Sarsa: On-policy TD Control / 6.5 Q-learning: Off-policy TD Control)
- G. A. Rummery, M. Niranjan, On-line Q-learning using connectionist systems, Technical Report CUED/F-INFENG/TR 166, Engineering Department, Cambridge University (1994)