芸能事務所のR社に所属する俳優の顔を、何者かがAIを使って既存のアダルト動画の出演者の顔と入れ替え、俳優の実名を付けて動画サイトで公開した。R社の法務担当者が、作成・公開した者の法的な責任を整理している。日本の法律に照らした説明として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 D
この問題の論点:ディープフェイクと法的責任
ポイント
刑法の名誉毀損罪は摘示した事実の有無にかかわらず成立するため、AIで作った架空の映像でも、刑事・民事の責任を問われえます。
選択肢ごとの解説
- A
適切
名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した場合に成立します。誰でも見られるサイトで、出演した事実があるかのように示すことは、これに当たる可能性があります。
- B
適切
他人の動画を無断で複製・改変して公開すると、複製権(21条)や公衆送信権(23条)、著作者の同一性保持権(20条)などの侵害に当たる可能性があります。権利を侵害される者は俳優だけではありません。
- C
適切
不法行為は、故意や過失で他人の権利や法律上保護される利益を侵害した場合に成立します。肖像権は条文ではなく判例で認められた利益です。精神的な損害の賠償も求められます(710条)。
- D
不適切 正解
刑法230条1項は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した者を「その事実の有無にかかわらず」処罰すると定めています。摘示した内容が虚偽でも成立するため、AIで作った架空の映像であることは責任を免れる理由になりません。
試験での狙われ方
ディープフェイクによる被害の事例で、名誉毀損、著作権侵害、不法行為などのうち、どの法律が問題になりうるかを問う形が考えられます。
参考
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (法律・倫理分野 項目12 悪用)
- 刑法(明治40年法律第45号) (230条(名誉毀損))
- 著作権法(昭和45年法律第48号) (20条(同一性保持権)、21条(複製権)、23条(公衆送信権等))
- 民法(明治29年法律第89号) (709条(不法行為による損害賠償)、710条(財産以外の損害の賠償))