1行定義
Source-Target Attentionとは、出力側の系列からクエリを、入力側の系列からキーとバリューを作るAttentionのことです。
くわしく
Source-Target Attentionは、2つの異なる系列をつなぐAttentionです。翻訳でいえば、訳文(ターゲット)を作っている側が、原文(ソース)のどこを参照するかを決めます。Transformerの論文での呼び名は「Encoder-Decoder Attention」で、クロスアテンション(Cross-Attention)とも呼ばれます。
クエリ・キー・バリューの出どころ
- クエリ:デコーダ側、つまりいま出力を作っている系列から作ります。
- キーとバリュー:エンコーダ側、つまり入力系列を処理した出力から作ります。
デコーダの各位置が「次の語を作るには何が必要か」をクエリとして出し、入力系列の全位置のキーと照らし合わせます。関連の強い位置のバリューを重く見て集め、出力の材料にします。
Self-Attentionとの違い
Self-Attentionは、クエリ・キー・バリューを同じ系列から作り、系列の中の関係を捉えます。Source-Target Attentionは、クエリとキー・バリューを別々の系列から作り、系列と系列の対応を捉えます。計算の手順は同じで、違うのは入力の出どころだけです。
Transformerの中での位置
元のTransformerのデコーダの各層は、次の3つの部品をこの順に重ねています。
- マスク付きSelf-Attention:まだ生成していない後ろの位置を隠して、出力側の文脈をつかみます。
- Source-Target Attention:エンコーダの出力を参照し、入力文の情報を取り込みます。
- 位置ごとの全結合層
RNNを使ったSeq2SeqにBahdanauらが加えたAttentionも、出力側から入力側を参照する同じ考え方です。現在は、画像生成モデルが文章の指示を取り込む部分などにも使われています。
覚え方
「問いは出力側から、答えの材料は入力側から」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
クエリはデコーダ側、キーとバリューはエンコーダ側から作るという出どころの違い、Self-Attentionとの区別、Transformerのデコーダの中での位置づけが問われます。
混同しやすい用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Source-Target Attentionこのページの用語 | 出力側の系列からクエリを、入力側の系列からキーとバリューを作るAttention |
| Self-Attention | 系列の各要素が同じ系列内のすべての要素との関連度を求め、その重みで情報を集めて文脈を反映した表現を作る仕組み |
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
-
BERTのように、Transformerのエンコーダだけを使うモデルには、Source-Target Attentionは含まれない。
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答え ◯ 正しい
Source-Target Attentionは、デコーダがエンコーダの出力を参照するための部品です。GPTのようなデコーダだけのモデルも、Attentionの部分はSelf-Attentionだけです。
-
Source-Target Attentionでは、まだ生成していない位置を隠すマスクを、エンコーダの出力に対してかける必要がある。
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答え × 誤り
入力文は最初からすべてそろっているので、デコーダは入力の全位置を参照できます。未来の位置を隠すマスクが必要なのは、デコーダのSelf-Attentionです。
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画像生成の拡散モデルには、文章の情報を画像側の処理に取り込むために、Source-Target Attentionと同じ形のAttentionを使うものがある。
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答え ◯ 正しい
画像側の特徴からクエリを、文章をエンコードした結果からキーとバリューを作ります。クロスアテンションと呼ばれ、潜在拡散モデルなどで使われています。
この用語の練習問題
出典
- G検定 試験出題範囲(シラバス2024)第1.4版 (技術分野 項目23 Attention)
- Ashish Vaswani et al., Attention Is All You Need (2017) (3.1 Encoder and Decoder Stacks / 3.2.3 Applications of Attention in our Model)
- Dzmitry Bahdanau, Kyunghyun Cho, Yoshua Bengio, Neural Machine Translation by Jointly Learning to Align and Translate (2014)
- Robin Rombach et al., High-Resolution Image Synthesis with Latent Diffusion Models (2021) (3.3 Conditioning Mechanisms)