家電メーカーのL社は、大規模言語モデルを自社データで追加学習し、顧客サポート用のサービスとして提供する計画を立てている。環境への影響を抑える観点からの検討として、最も不適切なものを1つ選べ。
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解説
正解 D
この問題の論点:AIの環境負荷の見積もり
ポイント
AIの環境負荷は、試行錯誤や推論まで含めたライフサイクル全体の消費電力と、使う電力の排出係数で決まります。
選択肢ごとの解説
- A
適切
推論1回あたりの電力は小さくても、利用者が多く提供期間が長いと、累積の消費は大きくなります。AI事業者ガイドラインも、ライフサイクル全体で地球環境への影響を検討することを求めています。
- B
適切
排出量は、消費電力量に電力の排出係数を掛けて求めます。再生可能エネルギーの比率が高い地域や効率のよいデータセンターを選ぶと、同じ学習でも排出量を大きく減らせることが報告されています。
- C
適切
モデルが大きいほど学習と推論の計算量が増え、電力消費も増えます。AI事業者ガイドラインは、計算量の多い生成AIについて、モデルの軽量化や目的に応じたモデルの使い分けを対策の例に挙げています。
- D
不適切 正解
試行を重ねるほど電力消費は積み上がります。2019年のStrubellらの研究では、ニューラルアーキテクチャ探索を含めた排出量の推計値が、同じモデルを1回学習する場合の3,000倍を超えました。
補足
AIは環境負荷を生むだけではありません。気象の予測や電力需給の最適化など、気候変動への対策に役立つ使い方もあります。広島AIプロセスの国際指針も、気候危機などの世界的な課題への対処に向けて、高度なAIシステムの開発を優先することを掲げています。負荷と便益の両面から考えることが大切です。
試験での狙われ方
学習と推論の電力消費、排出量を左右する要因、軽量化などの削減策を区別させる形で問われやすい論点です。