1行定義
インスタンス正規化とは、1つのサンプルの1つのチャネルごとに、縦横の位置にわたる値の平均と分散を求めて正規化する手法のことです。
くわしく
インスタンス正規化は、CNNの中間層の出力を整える正規化層の手法の1つです。2016年に、画像のスタイル変換を改良する手法として提案されました。
どの範囲で平均と分散を求めるか
CNNの中間層の出力は「サンプル数×チャネル数×高さ×幅」の4つの軸を持ち、正規化の手法は、どの範囲で平均と分散を計算するかで区別できます。
- バッチ正規化:チャネルごとに、ミニバッチ内の全サンプルにまたがって計算します。
- レイヤー正規化:サンプルごとに、全チャネルをまとめて計算します。
- インスタンス正規化:サンプルごと・チャネルごとに、高さと幅の範囲だけで計算します。
- グループ正規化:サンプルごとに、チャネルをいくつかのグループに分けて計算します。
インスタンス正規化は、この中で最も狭い範囲で計算します。グループ正規化でグループの数をチャネル数と同じにすると、インスタンス正規化と同じ計算になります。
なぜスタイル変換で効くのか
スタイル変換は、写真の内容を保ったまま、絵画などの画風に描き直す処理です。このとき、元の写真の明るさやコントラストは、出力の画風に関係させたくない情報です。インスタンス正規化は1枚ごと・チャネルごとに平均と分散をそろえるので、こうした違いが打ち消され、画風の表現に集中しやすくなります。提案した論文では、生成ネットワークのバッチ正規化をインスタンス正規化に置き換え、推論時にも使うだけで、生成画像の質が大きく改善したと報告されています。
他の手法との違い
インスタンス正規化は他のサンプルの値を使わないため、バッチサイズが小さくても計算が変わらず、学習時と推論時で同じ計算を使えます。一方、ImageNetの画像分類では、バッチ正規化やグループ正規化のほうが高い精度を示したと報告されています。主な用途は、画像生成やスタイル変換です。
覚え方
「インスタンスは1枚1チャネル、いちばん狭い範囲」と覚えます。
G検定での出題
出題のされ方
バッチ正規化・レイヤー正規化・グループ正規化と、平均と分散を計算する範囲の違いを比べる形で問われます。画像のスタイル変換で使われることや、グループ正規化との関係も問われます。
混同しやすい用語
◯×チェック
次の文が正しいか、誤りかを選んでください。
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インスタンス正規化は、バッチサイズが1でも、学習時と推論時に同じ計算で正規化できる。
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答え ◯ 正しい
他のサンプルの値を使わず、1枚の画像の中だけで平均と分散を求めるためです。
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インスタンス正規化は、画像のスタイル変換で、入力画像ごとのコントラストの違いを打ち消す目的で使われた。
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答え ◯ 正しい
画風の表現に関係しない明るさやコントラストの差を、1枚ごと・チャネルごとに取り除けるためです。
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インスタンス正規化は、元のTransformerの各ブロックで使われている正規化の手法である。
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答え × 誤り
元のTransformerで使われているのはレイヤー正規化です。インスタンス正規化は、主に画像の生成やスタイル変換で使われます。